夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2019年 1月12日(土)「同調圧力」

2019年01月12日 21時43分06秒 | 「思うこと」
作家宮部みゆきさんへのインタビュー記事自分が怖いと思うことを書いてきたがありました。
その中で「日常に忍び寄る同調圧力」について語っています。そして
「戦前、戦中の日本についても、私の親からよく話を聞いていたんですが、そういう仕組みの中に入ってしまうと異常なことが日常になり、意外とピリピリしないというのが、また怖いことだなと思います。
今後、おそらくファンタジーの形だと思いますが、そういう全体主義みたいなものが個々の人間にどう働きかけるのかという話は書きたいですね。」(引用)
と語っています。
国家自体が全体主義とならなくても民主主義といわれる社会においても同調圧力が社会全体の雰囲気として作り上げられている場合がある。それは日常の中にも表れるでしょう。こういう社会は民主主義であるから強制はしないという建前の上に立っての同調圧力となる。
民主主義といえば多数決だというのが常識化している。たしかに人が集まる社会だから多数決による判断も一つの民主主義ですが、多数が正義あるいは正しさなのかというと疑問が出るでしょう。正しいか正しくないかを抜きにしての多数決は民主主義ではなくなります。意見交換を形式的にしてすぐに多数決で決まる。人々が多数についていれば安心できるわけですから少数意見に正しさがあっても多数決となれば少数意見に手をあげることができない。ここに人間関係や損得勘定も入るわけですから、ここに多数決の非民主主義性が出ます。
人間関係や損得勘定、これが出てくること自体が同調圧力になっているわけです。
去年は国会運営にこの非民主主義性が露骨に出ましたね。数の力は民主主義ではない証明でした。
人間関係や損得勘定は、例えば日本人はなぜ有給休暇を取れないかというものにも現れます。
休暇で休めば同僚に迷惑がかかる。仕事と家族(私用)のどっちが大切なのか。この答えは人に迷惑をかけないことや家族より仕事だろというものが集団の常識になるとそれ自体が同調圧力です。
定時に帰れない、仕事終わりの酒などのコミュニケーション。。。。。などなども
社会は人と人との関係において成り立ちますから、ある程度自分を引っ込める必要もありますが、この自分を引っ込めることが美徳
かといえば違うでしょう。
休暇も取れない人間関係あるいはそれを利用する企業、この中に人間の一体感が言われます。みんな我慢して苦しいけど働いているんだと。しかし家庭の用事があるなら休んでもいいんじゃないかという人間関係も一体感でしょう。ここでは迷惑ではなくてお互いさまとなるでしょう。ここには同調圧力は働かないのです。
社会自体が全体主義になっているかどうかは、一人一人の人が日常において同調圧力を感じているかどうかにあります。この同調圧力の大きさや幅において強くなればその社会は全体主義になっているということです。
ネット上で、「反日」とか「日本がいやならば出ていけばいい」といったような言動がありますが、こういったものが日常化すればそれも同調圧力です。
同調圧力については一人一人の人が考えるべき重要なものですね。

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