猫猿日記    + ちゃあこの隣人 +

美味しいもの、きれいなもの、面白いものが大好きなバカ夫婦と、
猿みたいな猫・ちゃあこの日常を綴った日記です

長き闘い。

2014年03月12日 06時48分25秒 | つぶやき

 

 

これまでに、これほど長きにわたって『読破』を試みた本が、他にあっただろうか?

 子供の頃に挫折した、
『カモメのジョナサン』や『戦争と平和』に始まり、
「もういいや」の諦めは、
私の小さな脳みそには、もはや常習だったはずで...
 
だから今回も、いつかはそうなるかと、
何度も危うい思いをした。
 
何しろ、わからない単語だらけ、名称だらけだ。
 
上下巻を読み終わるまでに、
これほどの調べ物をしたのも初めてである。
 
まあ、諦めなかった最大の理由は、
これが『宿題』、
すなわち、とある人から「読むと面白いよ」と貸して頂いたものだからなのであるが、
確かに、理解しようと努力した甲斐あって、
書かれていることの本質は、とても面白かった。
 
ただ、同時に、とてつもない苦痛がこの読書に伴われたのも確かなことで、
これはおそらく、翻訳のせいであると思われる。
 
何しろ日本語の体をなしていない『文章』が多々あって、
(体を成していないのだから、正確には『文章』ではないが)
しまいには、私は自分で、それを正しいと思われる文章に再構築してから、
『読み直し』、理解を進めるというやり方をするしかなかった。
 
これは、聞くところによれば、翻訳本にはよくあることなのだそうだが、
まあ、英語に堪能のみならず、その作業には、
対象となる本のテーマに関する専門知識なども必要になるのだろうと思えば、
適任者の数が限られてくるのも、致し方ないことなのだろう。
 
けれど、事実、こうして無事読破した本の『本質』が、
とても面白く興味深いものであることを知れば、
だからこそなおさら、その読み辛さ故に、
本そのものが敬遠されてしまうのが、大変惜しくも思われる。
 
実際、私自身も、回り道、寄り道、調べ物の山で、
たくさんの知識の拡がりを貰い、
多いに好奇心を刺激されたわけだから、
単純な、「て、に、を、は」の間違いのせいなんかで、
(または句読点の抜け落ちなんかで)
そのページが閉じられてしまうのは、
あまりに勿体無いとおもうのだ。
 
そもそも、書き手が想定している『読み手』の対象が、
一般人なのか、その分野の人々なのか...
 
もし対象が一般人なのだとすれば、
理解の遅い私は、よっぽどの馬鹿なんだろうなぁと、
そんな風に落ち込んでもみたくなる(笑)
 
まあ、そんなわけで、
長いこと、この本をお借りしてしまったOさんには、
 
本当にすみませんでした&ありがとうございましたと申し上げなくては。
 
結果、大苦戦はしましたが、非常に面白かったですし、
おかげさまで興味の幅も、大いに拡がりました。
 
世の中には知らないことがいっぱい、
知りたいこともいっぱい、
知れば面白いことがいっぱいなんですねぇ!
 
ま、翻訳家の方々、編集の方々には、
もう少し一般人に『親切』にして欲しいなぁとは思いますが(笑)
 
 
 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい (いなひこ)
2014-03-12 10:26:36
erimaさんすごいです。
作家冥利につきるってこういう事なんでしょうね。
喜んでいますよ。
私も本を読むけど、好きな本ほど進みが早くて、
難しい本ほど遅いし何故か眠りを誘う。
辞書を調べてまで読んだら、その苦労が知恵になりますね。
私は諦めちゃうな~
erimaさん 素晴らしいです。
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いやいやもう... (erima)
2014-03-14 08:04:10
いなひこ様

偉いというよりは、ある意味意地、でした(笑)
数ページ読んでは寝落ちし、
また数ページ進んでは、という感じで...
酷い時は、一ページ読み進めるために、
数時間調べものをするといった風だったり、
本当に苦労しました。
でも、おかげさまで、また少し知識が増えて、
楽しむことの出来ることも増えました。

元々、主題は面白いはずの本なので、
翻訳さえ、もう少しちゃんとしていれば、
読者の幅も広がるのになと、そこが少し残念でした...
読書にはリズム感も大切ですよね。


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