先人に物申す

春は出会いと別れの季節。今日はとある女の子の、卒業・就職祝いのパーティーに行ってきた。一人暮らしをしながら学校に行き、アルバイトをする彼女と、私は同じ職場で働いていたのだが、彼女はいつも、弾けるような笑顔で私たちを和ませてくれた。ツライ事もあったろうに、若くとも他人のことも思いやり、それを素直に表現する彼女に、私たち、初々しさをとうに忘れた世代は、心洗われることもしばしばだった。
「最近の若いやつは...」という言葉を、聞いた事がない人などいまいが、本当は若いやつも、そうそう捨てたものではないことを、年寄りは知ろうとしない。まぁ、どこかの国の古代の壁画に遺された文章にさえ「最近の若いやつは...」という件があるそうだから、昔からしたり顔をしたがる人間が多かったということなのだろうが、とにかく、若い子だって色々考えて一生懸命生きているのだということを、今日は再認識させられた。常々私は思うのだが、心のない挨拶ほど聞くに堪えないものはなく、また、聴く姿勢のない人間を前に話をすることほど、苦痛なものはないだろう。しかし、今日のパーティーでは、誰もが心を込めてお祝いを述べ、誰もが真剣にその言葉を聴いていた。若い彼女やその友人が素直に、人と人との出会いを大切に思い、涙しているのを見て、私のようなおばさんも、素直に胸を熱くした。そして、そんな出会いに私も感謝した。

あの笑顔があれば、なんでもきっとうまくいく。世の中、いいことばかりではないけれど、それほど捨てたものでもないからね！