今日、19歳の女の子と話していて、ひょんなことから彼女がバラ好きであることを知った。
が、「バラが好き」にも色々あって、見るのが好き、飾るのが好き、はたまた男性から贈られるのが好き(笑)など、人によってそれぞれ、バラに対してのスタンスが違う。
もちろん美しい花を見るのが嫌いな人などいないだろうけれども、いざ自分が育てるとなると、
場所の問題、世話をする手間の問題、時間の問題などクリアしなければならない条件も山積み。
何より、若いうちは目もくらむような楽しいことがいっぱいあって、私などは植物を育てる心の余裕も、世話をするだけの忍耐もなかったように思う。
しかし、前出の彼女は「バラの世話が楽しい」と言った。夢中になってしまうのだ、と。
私は驚いて、その心のゆとりはどこからくるのだろう、あの若さにして、何かを育むことの楽しさを知る懐の深さはどこからくるのだろうと考えた。そして、彼女と話を続けるうちにその理由が見えてきたような気がして、はっとした。
聞けば、彼女のお母様は彼女が幼い頃から植物をたくさん育てていたそうで、植物に触れること
は彼女にとって自然なことであるらしい。今バラを世話しているのも、大学で学んでいることの一環で「他のどの植物よりバラが楽しい」のだと、彼女は話してくれた。
私はその話を聞きながら、自身にも思い当たる節があることに、ふと気が付いた。
それはまだ私が幼いころ、ほんの、ほんの僅かだけ私の家族に平穏な時期があったとき、母が育てていた、スズランや大きな大きな牡丹の花、トマトやナスの思い出だ。
スズランや牡丹のとっても良い香り。採りたての野菜の青臭さ。
小さな花壇の横には鳥小屋があり、私が買ってきたカラーひよこから成長した「人を襲うニワトリ」がいた。鳥を何より愛した父が飼育する、本来なら飼ってはいけないはずの野鳥、メジロやウグイスなどもいて、そのすり餌に混ぜるハコベを採ってきてはすり鉢ですり、彼らに与えるのは私の役目だった...。
その後、家族は運命の渦に巻き込まれ、みんなバラバラになってしまったけれど、私の原風景は今もそこにある。植物を育て、野山で食べられるものを探し、釣りを楽しみ、自然の怖さを知る。
それはみんなみんな、両親が教えてくれたものだった。残念ながら、それを教えてくれた両親は、その後、その楽しみを捨て、まったく逆方向の人生を歩むようになったけれど、それでも、私の中にその思い出が残っている限り、それはルーツと言え、それこそが私を、どんなときも支えてくれたのだ...。
そして19歳の彼女の未来も。
彼女のルーツが彼女を支え、彼女を楽しませ、彼女の道を創る道しるべになる。
結婚して、子に伝え、そうやって永遠に、続いていくのだろう。
私は誰かに...ルーツを伝えられるだろうか...?
が、「バラが好き」にも色々あって、見るのが好き、飾るのが好き、はたまた男性から贈られるのが好き(笑)など、人によってそれぞれ、バラに対してのスタンスが違う。
もちろん美しい花を見るのが嫌いな人などいないだろうけれども、いざ自分が育てるとなると、
場所の問題、世話をする手間の問題、時間の問題などクリアしなければならない条件も山積み。
何より、若いうちは目もくらむような楽しいことがいっぱいあって、私などは植物を育てる心の余裕も、世話をするだけの忍耐もなかったように思う。
しかし、前出の彼女は「バラの世話が楽しい」と言った。夢中になってしまうのだ、と。
私は驚いて、その心のゆとりはどこからくるのだろう、あの若さにして、何かを育むことの楽しさを知る懐の深さはどこからくるのだろうと考えた。そして、彼女と話を続けるうちにその理由が見えてきたような気がして、はっとした。
聞けば、彼女のお母様は彼女が幼い頃から植物をたくさん育てていたそうで、植物に触れること
は彼女にとって自然なことであるらしい。今バラを世話しているのも、大学で学んでいることの一環で「他のどの植物よりバラが楽しい」のだと、彼女は話してくれた。
私はその話を聞きながら、自身にも思い当たる節があることに、ふと気が付いた。
それはまだ私が幼いころ、ほんの、ほんの僅かだけ私の家族に平穏な時期があったとき、母が育てていた、スズランや大きな大きな牡丹の花、トマトやナスの思い出だ。
スズランや牡丹のとっても良い香り。採りたての野菜の青臭さ。
小さな花壇の横には鳥小屋があり、私が買ってきたカラーひよこから成長した「人を襲うニワトリ」がいた。鳥を何より愛した父が飼育する、本来なら飼ってはいけないはずの野鳥、メジロやウグイスなどもいて、そのすり餌に混ぜるハコベを採ってきてはすり鉢ですり、彼らに与えるのは私の役目だった...。
その後、家族は運命の渦に巻き込まれ、みんなバラバラになってしまったけれど、私の原風景は今もそこにある。植物を育て、野山で食べられるものを探し、釣りを楽しみ、自然の怖さを知る。
それはみんなみんな、両親が教えてくれたものだった。残念ながら、それを教えてくれた両親は、その後、その楽しみを捨て、まったく逆方向の人生を歩むようになったけれど、それでも、私の中にその思い出が残っている限り、それはルーツと言え、それこそが私を、どんなときも支えてくれたのだ...。
そして19歳の彼女の未来も。
彼女のルーツが彼女を支え、彼女を楽しませ、彼女の道を創る道しるべになる。
結婚して、子に伝え、そうやって永遠に、続いていくのだろう。
私は誰かに...ルーツを伝えられるだろうか...?
歳のせいか新聞も所々スポット読みなんですが
erimaさんの日記は最初から最後まで見落とさないように読んでいます。スンナリと引き込まれていくようです。次が楽しみ。
あまり関係ない事なのですが現在私の部屋で咲いている濃いピンクの牡丹の香りが昔育てていたオールド(チャイナ)ローズのルイ・フィリップの香りにそっくりです。
見た目は牡丹の方が華やかでどうどうとしているんですけどね。
ちょっと不思議でしたので調べたらやはり牡丹でバラ科なんですね。
あんなに茎とか違うのにどういった分別法なんだろうと改めて不思議になりました(そこまでしらべる気力は無し)。
私が最初に見ていたのは牡丹と名の付いたどうやらサクラの一種らしく。。。
ますます不思議。
いつもご訪問くださいましてありがとうございます!
最近ふと、自分の過去ログを読み返していて、
日を追うごとにそれが長文になっていっている
ことに気がつきました。
今では私の中でのblogの位置が、
とても大切なものになっているのを感じます。
そして私が「誰かに聞いて欲しい」と思ったことを「楽しみ」と言って頂けて本当に幸せです。
しかし私は何事にも少々、調子に乗りすぎてしまう
きらいがありまして、だからこそ日々、
皆様への感謝の気持ちを忘れることなく、自分を戒めていかなければ、と改めて今、肝に銘じております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
牡丹を飾られているなんて、素敵な生活ですね。
そちらではバラの季節はいつごろなのでしょうか?
オールドローズのいくつかは、バラや芍薬に見た目
が似ていますよね。「堂々と」という意味では、
やはり某姉様の仰るとおり、牡丹の勝ち。
もっと見直されて良い花だと思います。
でも、牡丹はボタン科でサクラの一種が牡丹で...
あ~、わからなくなってきました。
まっ、キレイだったら何でもいっか。
ルイ・フィリップも美しいバラですよね
何時も素敵な文章で感心させられます。
表現力が上手くて読む人の心を引きつける文章です。
省さんと同じく毎日楽しみに訪れています。。
こんばんは。
我が家ではゴンザが朝帰ってくるので、深夜でも
夕方くらいの感覚なんです。
私も、次の日早い時間から仕事、なんて時には
寝てしまいますが、たいていゴンザの帰りを待って
寝る、という生活です。
ところで...身に過ぎたお褒めの言葉を頂き、
ありがとうございます。
私、学生時代は問題児でしたし、まず褒めてもらう
こと などありませんでしたから(笑)
とっても嬉しいです。
感じたことを感じたままに綴ることが出来、それを
皆様に読んで頂き、お言葉までかけて頂けて...。
blogって、無限の楽しみが広がる場、ですね!
何気なく、バラの話をしたつもりだったんですが、こんなにいっぱい話を書いていただいてビックリでした。。小説を読んでる気分になり、目頭が熱くなってしまいましたまた、時々erimaさんのブログに遊びに来ます
遊びに来てくれてありがとう。
あの日、家に帰る道すがら色々なことを考えていたら、いつの間にかこんな文章を書いていました。
shounanの女様の仰ったことを勝手にここでとりあげてしまってごめんなさいね。
でも、話だけではなく、実際にバラの写真をご覧
いただけて嬉しいです。その講師の先生の仰る通り
バラとは手をかければかけるほど、美しい花を
咲かせる植物だと、私も本や、このblogを訪れて
下さる方から教えて頂きました。
果たして、これからもっともっと美しいバラを
咲かせることができるかどうかわかりませんが、
これからも愛情を持ってバラたちに接していきたい
と思っています。
shounanの女様もバラのお世話、頑張って下さいね!
そして、限りないあなたの未来にも、
美しく大きな花を咲かせて下さい。
...また遊びに来てくださいね!