今年もコチニールを染めました。
コチニールは、(前にもご紹介しましたが)中南米のサボテンに寄生する寄生虫のことです。
当地では生きたまま磨り潰し、真紅の色を出します。
日本では乾燥させて真空パックで売っています。
それがこれです。
強く色が出るので、糸総量の1割だけの煮出しになります。
煮詰めると、何とも言えない動物的な匂いがするんですよね。
真っ赤になります。
これを1液、2液、3液に分けます。
1液はいつも言いますが、他人には出せない色を出します(笑)。
ですので、これはマル秘とさせていただきます。
化学染めではないのに、この色はちょっと出せるものではありません(自慢!)
ナス紺のような色です。大好きです。(シルク真綿糸巻スラブ1/6)
2液では一浴法(いちよくほう)といって、染め液の中に直にミョウバンを入れて
糸を入れ 煮ますが、その前に、ph(ペーハー)を測ってみます。
ph2~2.5にしたいので、リトマス紙を入れてみます。
だいたいph6くらいなんですよね。
そこでクエン酸を入れます。5g入れて測り、まだ駄目で、結局7g入れました。
これがph2です。 この色で染めます。
沸騰したら火を止めて30分おきます。
そうすると、こんなきれいな色に染まります。(真綿巻糸リング1/6)
色落ち止めのために水6リットルに重曹60gを溶かして10分浸けます。
3液は糸を入れて沸騰後火を止め30分おきます。
洗った後、酢酸銅を溶かした20℃のお湯に20分浸けてから洗って、
やはり6リットルの水に60gの重曹を溶かして10分入れて、色落ち止めをします。
それがこれです。
色が違うのは、上がタッサー1500d/片、下が真綿巻糸スラブだからです。
糸によって、染まり方が違います。
コチニールは、同じ色が出たことがなく、いつでも私にとってミラクルです。
化学の実験を思い出しました。
こういうわけで、日々忙しく、すけつねさんのブログは
読み逃げしておりました。
私も、染色を始めて、リトマス試験紙で ph を見るようになって、
化学授業の実験を思い出しました。
本当に こうして見せていただくだけで すごく楽しいです。
同じ色が出ないミラクルは、飽きがくることがありませんね
微妙に違う色合いでどんな作品が出来上がるのか、
とても楽しみです。
そう言っていただけると、嬉しいです。
今は毎日染色していますので忙しいですが、
染め上がった糸は、愛しいものです。ふふふ
それでも同じ番号の糸なのに、買う時期が違うと微妙に違う色があります。
それはロット番号が違うからです。
化学染めでさえ違うのに、草木染めが違ってくるのは当たり前かもしれません。