茜を染めるのは今回で3度目です。
最初は西洋茜、次は日本茜、今回初めてインド茜を染めました。
日本茜はとっても落ち着いた色で、大好きなのですが、希少価値があり、手に入りづらいのです。
染めたものは、お客さまにも好評ですし、自分でも何本かストールにして持っています。
今回の個展でも日本茜を染めたシルクリボンで織ったものを展示しようかと思っています。
さて、インド茜は一般的な西洋茜より、色が濃くあでやかだということです。
これが市販されているインド茜です。チップ状です。市販の素材は、糸の1/2の量です。
これを水に入れ沸騰したら30分煮出します。これを2回ほど抽出です。
真っ赤です。真紅というのでしょうか。
バケツ2個に分け、右の小さなバケツのものをミョウバン媒染に使い、
左の大きなバケツは後媒染に使います。
まず、糸を精錬する作業をします。
先日も書きましたが、シルク糸は工場から出荷時点は汚れています。
きれいに染色するには、それを洗う作業からするのです。
さて、精錬作業が終わったら先媒染をします。
今回は先媒染としてミョウバン、後媒染として、木酢酸鉄と酢酸銅を使います。
これは生ミョウバンというものです。
まるで覚せい剤のようですが、違いますよ! 先媒染に使います。
糸の総量に決められた計算値があり、それに沿って計算して熱湯で溶かして20℃のお湯に混ぜて
そこに糸を入れて、沸騰したら火を止めて30分おいて、洗います。
小さいバケツの染め液をお鍋に入れて糸を入れ、沸騰したら弱火で30分煮ます。
翌朝までそのままおき、洗って干したものがこれです。シルク平巻糸1/6、2綛です。
深紅ですが、このままではなく、後日、丁子で段染めにしようと思っています。
さて、次は後媒染です。
大きなバケツの染め液を鍋に入れて、精錬した糸を入れて沸騰したら30分弱火で煮ます。
こうなります。左はシルク真綿巻糸スラブ1綛、右はシルク真綿巻糸リング2綛です。
美しいのですが、無媒染なので、このままでは色が定着しません。
左の真綿巻糸スラブを鉄媒染、右の真綿巻糸リングを銅媒染しました。
インド茜で真っ赤に染まっても、媒染をすると、こうなります。
鉄媒染は落ち着いた紫となり、銅媒染は、落ち着いた赤になりました。
私は草木染に徹しているので、このまま化学作業で終わらず、最後に元の染め液に戻して
10分浸してから洗います。
1つの染色で、媒染が変わると使い道も増えてくることになります。
これで、茜の染めは終了です。
それにしても 染色は かなり集中してできる時間が無いと いけないですね。
想像力とかセンスとか それ以上に 情熱も不必要だし・・・
あと 体力も かなり要りますね。
基礎が分からない私にとっては???
とにかく大変な手間がかかる、と言う事と、
媒染により、色が変わってくる、と言う事だけ理解しました。
展示会が楽しみです。
何とか伺えるように、体調を整えたいと思います。
〝茜”というのですから、いわゆる〝あかね色”であるのでしょうが、
私の経験でいえば、その色は西洋茜で出るように思いました。
インド茜は、なんと言うか、真っ赤でして、情熱的な色が出ました。
ですので、媒染で抑えた色にしました。
確かに、体力勝負です。。。かっはは
染色と言うのは色を染めるという概念ですが、
合成の化学染めだと、染めるだけで色が定着しますが、
草木染めは、退色するのが当たり前になっています。
それを「色が生きている」などと言いますが、ホントのことを言うと色が薄くなるんですね。(笑)
それを少しでも色が定着するために、媒染ということをします。
媒染には先媒染と後媒染があります。
先媒染はミョウバンを使います。
これは染め液に入れる前にするのですが、
ミョウバンは色を吸い込む性質があります。
それでも万全ではありません。明るい色にしたいときに使います。
後媒染は、劇薬を使うことが多いのですが、現在は木酢酸鉄と酢酸銅が許されています。
これは染め液で染めた後で媒染しますが、化学薬品を使うので、
このままで済ますのではなく、最後は草木染めでしたんだぞ!と主張したいので、
私は最後に染め液に戻しています。
どうでしょうか、少しは説明になったでしょうか?
個展は9月23日~28日までやります。
場所は表参道ヒルズのギャラリーです。
近くなりましたら、ご連絡します。ぜひ、ぜひ、ご来場ください!
鈍い私でも、よ~く理解できました。
そう言えば、藍染した布で洋服を作ろうとすると、手が真っ蒼になり、
諦めたことがありますが、草木染めは退色しやすいのですね。
それに先染と言う布がありますが、そう言う事でしょうか。
出来上がったものを使って形にするだけでしたが、
その前の色々な事も勉強する必要ありですね。
ありがとうございます。