みっく・じゃがの「ひとりごと日記」

日々思うこと、考えること、時には写真も

京都絞りとのご縁

2015-11-14 14:54:46 | 日記

   昨日は夫と二人で銀座で開かれている京都絞り工芸品の展覧会に行ってきました。

   2008年、京都相国寺のギャラリーで『源氏物語錦絵巻』という展覧会がありました。

   これは源氏物語絵巻を西陣織で織ったものを公開するという催しで、

   見逃してならぬと、このためだけに京都へ行きました。

     

    これは絵巻の写真の本ではありません。

    絵巻物をそのまままったく変りなく織った作品の本なのです。

    当然、作品の撮影は禁止なので、本を買ってきました。

    色といい技術といい、今までこんな素晴らしい織物を見たことはありませんでした。

    じっくりと絵巻の織りを見せていただき、帰ろうと持ったそのときです。

    ふと、2階を見上げると『京都絞りの最高作品』とかいうポスターがありました。

    興味をもって行ってみると、そこには広重の『東海道五十三次』を

    まるごと京都絞りにした作品が額に入って53枚展示されていたのです。

    驚きでした。自分が全くものを知らないということを思い知らされました。

    53枚見ていくと、最後に天井から床までの丈の大きな『風神 雷神』の絞り作品がありました。

    あの俵屋宗達の『風神 雷神』です。

    圧倒されるような作品でした。

    絞りで表現される”宗達”は柔らかさと威厳がありました。

    感動のまま廊下を伝って帰ろうとした私の前に、様々なバッグが置かれているのです。

    その一つに、目が行ってしまい、思わず手に取って眺めると、

    サッとスタッフが寄ってきて「素晴らしいでしょ?お着物の端布でつくりましたが、

    世界でたった一つのバッグです。その辺のブランドものとは格が違いますよ」と

    魅力的な言葉でおっしゃるじゃありませんか。

    でも、値段を見てその場を離れましたが、思わず振り返ってしまいました。

    そのとき、スタッフの一言に私は落ちました(笑)

    「後ろ髪が引かれるでしょ?」とおっしゃったのです。

    で、買ってしまいました。

     

    これがそのバッグです。

    マチと底と持ち手が革で、あとは”絞り”です。

    今も自慢のバッグで、大事なお出かけに持って出ます。

    これが京都絞り職人会さんとの縁です。

    毎年、東京銀座で、展覧会があり、招待状をいただきます。

    京都五山の絞りの絵があったり、鳥獣戯画全巻の絞りの絵 があったり、

    毎回素晴らしい作品を見せていただいています。

    今年は琳派400年記念祭の年であり、守守護四神絵図 が作品になっていました。

    風神、雷神のほかに火神、水神を加えた四神です。

     

     これは非売品です

     ポストカードをいただきましたので個々にすると

      

    ほかに『紅白梅図屏風』もありましたが、それも非売品でした。

    どれも素晴らしく、思わずうなってしまう作品なのです。

    その中で、売り物の『風神 雷神』の絞り絵を額に入れたものを

    私たちは買いました。

    夫と「子供達には値段は言えないね」と話しています。

    まだ、作品展が終わっていないので、終わってから配送してくれることになりました。

    ので、写真はありません。

    今年は私は麻の日傘を買いました。

     

    これをさせば、私も品がよく見えるでしょうか?

    ついでに、今まで買ったもののご紹介します。

    いずれも絞りのストールです。

     

     

    職人さんたちのお話ですが、年々絞りの職人さんたちは少なくなり、

    この技術を継承していくのは難しいようです。

    いつまでも残ってほしい技術です。

    きっかけは西陣織の絵巻物でした。

    絞りといえば着物しか考えられなかったところに、絞りの絵を知り、

    またひとつ、美しいものを知ったことを嬉しく思っています。

    


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6 コメント

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Unknown (ようちゃんばあば)
2015-11-14 17:29:24
西陣織で源氏絵巻を織る・・・はテレビで2度ほど その様子を 見たことがあります。
大変な仕事をされていました。
西陣がいくら有名でも 着物を着るひと自体が減っているのですし
着物の数より 帯の数のほうが 買うのも少ないです。
何かほかのものにも 技術を注いで 道を切り開きたいということなのでしょう。
それをみるためだけに京都へ。。情熱ですね。
そして バッグを売る方のグッドタイミングには 胸がすっきりしました。
最後の一言がなければ 買わずに 家に戻って 後悔で悶々としていたでしょう。
しかも それがきっかけで 招待状が届くようになれば 行かずにはいられないですよね。
絞りの日傘 絞りのスカーフ・・・ものづくりする人は ぱっと見ても
やはり共通の気もちがわかるのですよねえ。
返信する
こんばんは。 (t-soleildor)
2015-11-14 19:33:38
何とも素晴らしいの一言です。
日本伝統の匠の技と言ったところでしょうか。
根気と情熱とが無ければ続けられませんね。
簡単なアイディアしか思い浮かばない自分が恥ずかしくなります。
麻の日傘、素敵ですね~。
どれも素晴らしいです。
みっくじゃがさんの創作意欲も増すことでしょう。
目の保養をさせて頂きました。
返信する
ようちゃんばあばさま (みっく・じゃが)
2015-11-14 23:15:03
そうでしたか、それは知りませんでした。
新聞で源氏物語一千年紀の祭典があることを知り、
その一環として紹介されていたのです。
作者の山口伊太郎氏は70歳から源氏絵巻の創作を始め、
あと少し・・というときに百五歳で亡くなられたのです。
完成したのは残されたお弟子さんたちのご努力です。
山口氏は昼も夜も食事中でも寸暇を惜しんで織られた由、感服します。
本当に素晴らしい作品でした。

その会場に行かなければ、京都絞り職人の会の方々に
お会いすることもありませんでしたし、
絞りの素晴らしさにも気づきませんでした。
今回、日傘を買えたのも嬉しかったですが、
『風神 雷神』の絞り絵を買えたのが嬉しく、
高い買い物でしたが、私たちの宝となりました。
早く家に飾りたいです。
返信する
t-soleildorさま (みっく・じゃが)
2015-11-14 23:25:37
絞りといえば、単純に帯揚げくらいしか考えられなかったのですが、
着物もあるし、浴衣もある・・
でも絵を絞りで表しているのです。

それに帯や着物の西陣が絵巻の絵を織るというのも驚きでした。
源氏物語の原文をそのまま絵織りで表しているものもあり、
ただただ驚きと感動でした。
返信する
ひゃー(ノ ̄∇ ̄)ノ ()
2015-11-15 20:13:02
これまた凄い世界ですねー(≧∇≦*)
一本一本の糸であの絵巻を描くなんて
もう想像出来ません。

絞り絵に至っては
スマホの画面からでは何がどうしてこうなるのかが
想像も出来ません
それにしても
凄みのある本物と言うのは
力がありますね
高額な対価を払って初めて
譲渡されるべきものなんでしょうね。
日傘もバッグもとても素敵です。

ところで
前回のコメントなのですが
青い素敵な帽子のことを
気に入りました
と書いてしまい
まるで私がとんでもないおねだりしているように読めますね。

似合うのはみっく・じゃがさん
であり
みっく・じゃがさんが被った様子を想像して気に入っています
( ̄∇ ̄“)
ちなみに頭蓋骨がとても大きくできてる私
帽子を被って外に出かけることはまずありません
真夏の日差しににやむを得ない時だけなんですよ
紛らわしくてすみません
( ̄∇ ̄)ノシ
返信する
麦さま (みっく・じゃが)
2015-11-16 21:22:50
70歳から105歳、35年間織り続けて、まだ完成しなかったんですからね。
すごいです。
絞りの写真は、接写しすぎてボケています。すみません。
PC回復せずにスマホを活用なさってる・・・私は、いまだに
スマホの活用ができません。
液晶画面が小さくて嫌いです。

ところで?前回のコメントを再度読み返してみましたが、
別におねだりには思えませんでしたけど。
いえね、おねだりされても譲りませんから!
麦さん、帽子似合いそうですよ。そう言われませんか?
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