2003年10月23日、東京都で一通の通達から始まった「君が代」強制、あれから10年が経ちます。この10年で日本社会はどうなっていったでしょうか?私たちは、今、それを振り返らなければならないのかもしれません。
レイバーネットHPより転載します。
2003年秋、東京都で「日の丸」「君が代」の強制が始まってちょうど10年がたった。いま、東京の学校から自由が急速に失われている。こうした事態をふまえ11月7日、都教委包囲ネット・「君が代」解雇をさせない会・学校と地域を結ぶ板橋の会が、都教委に要請行動を行った(写真上)。三団体は、「君が代」処分を行わないこと、被処分者に再発防止研修を行わないこと、実教出版日本史教科書の排除をやめること、田無工業高校で行われた自衛隊での「防災訓練」を今後中止することなどを要請した。
要請後、都庁前で行われた集会では、田無工業高校の自衛隊訓練の実態が語られた。整列やロープの結び方など自衛隊員が受けるような訓練が行われたという。戦前の軍隊と学校との連携が、そのままタイムスリップしたような現実に、参加者の多くが深刻な危機感を口にした。
「戦争は教室から始まる」とかつて語ったのは、元軍国少女で戦後教員になった北村小夜さんだが、いま、戦場にこどもたちを駆り立てた戦前が舞いもどりつつある。この日は「アルジャジーラTV」の取材があり、根津公子さんがインタビューに応じた(写真)。「君が代」強制問題が日本のメディアに載ることがなくなったが、外国メディアは日本の「右傾化」に関心が高いことが感じられた。(佐々木有美)