大阪府教育委員会から井前弘幸さんに対する不当な職務命令について、昨日の抗議の様子と、大阪ネット黒田伊彦より出された職務命令撤回と謝罪の求める要求書を掲載します。どうか多くの方々に、大阪府教育委員会中原教育長の人権侵害ともいえる今回の職務命令乱発の事実を知っていただき、次回の抗議行動に加わっていただくことを心からお願いします。
2014年5月7日
大阪府教育委員会 教育長 中原 徹 様
「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク
代表 黒 田 伊 彦
井前さんに対する不当な職務命令の撤回と謝罪を求める要求書
府教委は4月30日に大阪府立 高校の井前弘幸さんに対して「事情聴取に出席せよ」という極めて異例な職務命令を「大阪府教育委員会」名で出した。この職務命令は、井前さんが不起立と先に事情聴取に応じなかったことは2回の職務命令違反と決めつけ、今回従わなければ3回目の職務命令違反とするとしている。しかし、これは井前さんを集中攻撃の標的にした全く不当で異常な攻撃である。
(1)今回の事情聴取は大阪府職員基本条例26条2項に基づき本人に弁明の機会(権利)を与えるために処分者側に開く義務が課せられているもので、府教委が出席を義務だとして職務命令を出す性格のものではない。
(2)井前さんは弁護士と所属組合執行部の立ち会いの下で事情聴取を行うよう要求したのであって、事情聴取を拒否したのではない。事情聴取等が本人に不利に扱われるかもしれない場合、弁護士立会の下で行うのは本人の人権保護のため当然の権利である。府教委は、弁護士・組合執行部の立ち会いを認めなかったばかりか、正式に代理人を委任された弁護士の申し入れに返答さえしないと異常な行動をとった。府教委のとった行動こそが井前さんから弁明の権利を奪ったのである。
(3)従来から君が代不起立の人の多くが事情聴取を拒否してきた。しかし、彼らは「出席が職務命令」などと言われておらず、再出頭の職務命令も出されず、戒告処分の理由に「事情聴取拒否=職務命令違反」と挙げられたこともない。府教委は井前さんの時だけ校長に「職務命令だと言え」とメールで指示し、今回従わないと「職務命令違反3度目」と決めつける再度の職務命令を発している。なぜ、このような特別扱いの攻撃を井前さんにだけするのか。私たちは、府教委が井前さんに対して何度も「出席せよ」と職務命令を出して脅し、従わないと「同一職務命令違反3回で免職」という職員基本条例の規定で免職にすることを狙っているとしか考えられない。
府教委のやっていることは井前さんに対する意図的政治的な攻撃、露骨な人権侵害に他ならない。
(4)今回の事態は府教委が憲法違反の「日の丸・君が代」の教職員への強制を強行するためには手段を選ばず権力を振りかざし、教職員の人権を踏みにじることをしめしている。府教委は憲法違反の「日の丸・君が代」強制、教職員と学校に対する不当な支配をやめ、不起立教職員への懲戒処分を直ちにやめるべきである。
要求
(1)井前さんに対する4月30日付けの職務命令を撤回すること。
(2)井前さんに対する不当な扱いを本人に謝罪すること。
(3)不起立、職務命令違反を理由に井前さんに懲戒処分を行わないこと。