【動画】大阪市教育委、「問題児」を専用施設で特別指導する方針示す
(3分25秒)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00270313.html

大阪市の教育委員会は10日、問題行動を起こす生徒や児童を学校に登校させず、専用の施設で教育していく方針を示した。学校と少年院などとの間の第3の施設として、橋下 徹市長も認める考えを明らかにしている。

教育評論家の尾木直樹氏は「ついにそこまで来たのかと。日本の教育は終わりだと思いました」と語った。

学校教育の在り方をめぐって、広がる波紋。

それは、大阪市の橋下市長が議論に加わり、方針が固まった、問題行動を起こす生徒への対応について。橋下市長は「ここは役割分担で、わからない生徒とか問題のある生徒には、それに対応する指導をやってあげた方が、その生徒のためになるわけですしね」と述べた。

橋下市長と市の教育委員会が打ち出したのは、大阪市立の小中学校で、著しい問題行動を起こした児童・生徒について、学校に登校させず、専用の施設で特別指導する場を設けるというもの。

市の教育委員会は、問題行動を起こす児童・生徒を、5つのレベルに分類。

無断欠席、服装違反などは「レベル1」、

軽微な賭け事、器物損壊などは「レベル2」、

脅迫・暴力・無免許運転などは「レベル3」。

今回の方針では、恐喝、違法薬物の所持、窃盗などの「レベル4」と、極めて重い暴力、凶器の所持、放火など最も悪質な「レベル5」の児童・生徒について、出席停止にして、学校の指導から切り離し、新たに設置する個別指導教室のもとで、指導を行おうというもの。

橋下市長は「今の中堅・ベテランの先生は、全部自分たちの責任で、全部やるんだということが、1つの『理想の先生像』かとは思うんですけれども。先生もパンクしてしまうと思いますし、そういう問題のある生徒の行為によって、真面目にやろうとしている生徒が、ばかを見るっていうのは、これは絶対あってはならないと思います」と述べた。

かつてドラマで描かれた、「腐ったミカンの方程式」の世界を地で行くような、大阪市の方針。

一方で、橋下市長は、あくまで隔離ではなく、問題行動を起こした生徒にとっても、適切な指導が受けられることになると力説する。

橋下市長は「『第3』というか、学校現場と、司法の場に移る少年院とか鑑別所だったりとか、そういう間の部分をしっかりつくっていく」と述べた。

今回の大阪市の方針に、文部科学省は「出席停止の受け皿という点では例がない」と回答。

そして、親世代からは、さまざまな声が上がった。

反対派は「やっぱり差別化につながるのではないですかね」と話した。

賛成派は「しっかり手厚く、(問題のある生徒は)面倒を見てあげた方がいいのかななんて」と話した。

どちらとも言えない人は「(レベルの引き方が)グレーの部分って、絶対あると思うから」と話した。

教育評論家の尾木直樹氏は、「おそらく本音は、ほかの子どもたちの学習権を守ろうと。ここに、ものすごく重要な点を置いているのだと思うんですよ。だから、その子(問題のある)たちは排除する。それは、とんでもない甘い考えで」と語った。

今後、議論を呼びそうな、今回の「問題を起こした生徒への指導方針」。

大阪市教育委員会は、早ければ、2015年度から始めたいとしている。 (関西テレビ)