不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Via per Elba parte 2

2004-06-07 01:18:27 | 旅行記
私の当初の見込みでは
後輩夫妻が到着する時間(14:00)には
余裕綽々で現地に到着し、
何なら港のチケット売り場に立ち寄って
チケット受け取りまでできちゃうというところでした。
ところが出発前の買出しやら途中の渋滞などで、
予定を大幅に遅れ
結局は後輩たちの降り立つ駅に直接迎えに行くことに。
彼女たちを乗せて、いざ港へ。

港の手前にぽつんとチケット売り場。
そこに立ち寄って聞いてみると、
私が予約したチケットは港の事務所にあるはずだという話。
港まではまだちょっとあるから
そこまでただひたすら行けと言われ、そうすることに。

因みにこのチケット売り場出張所で
私の前にいて問い合わせをしていたイタリア人男性。
「16時のエルバ行きの便に乗りたいんだけど・・・」
「次の空きがある便は22時です。」ぴしゃりといわれて撃沈。
やっぱり混んでいるみたいなのです。私の不安も募ります。
果たしてチケットを手にして島に渡ることができるのか。
まるで冒険ゲームの世界にいるみたい・・・。

港についたら着いたで、あちこちにチケット売り場が点在。
はっきりいって
どこのチケット売り場に行けばよいのやらまったくわかりません。
(なんて、実はちゃんとメールで
どこのチケット売り場か知らされていたようなのですが、
このときには気づきもしませんで・・・軽くパニックに陥っていたので)
あちこち歩き回ってようやく目的のチケット売り場がわかったときには
時間も迫っている上に、なんと港の船着場までがすごい渋滞。
みんな必死の形相でハンドルを握っている(ように見え)、
なかなか合流させてもいただけない・・・。
しかし目指すチケット売場はその渋滞のそのまた向こう
船着場の目の前にあるはず!
負けずにぐいぐいと進み、何とかチケット売り場に辿り着き、
予約してある旨を伝えると・・・。
窓口のお姉ちゃん「これってどこから予約したの?」
私「ネットで探した旅行会社」
窓口「初めて見たわ、なにコレ?」
私「フェリー予約を一手に引き受けている会社。
ちゃんと領収書もあるよ」
窓口「ここで受け取れって言われたの?」
私「そう、そのメールにも書いてあるでしょ。
私宛に封筒があるはずだけど」

この辺りでは私も予約が入っているのかどうか
いまひとつ確信が持てないので、
ちょっとおとなしめに交渉続行。

窓口「あなたの名前?」
私が名乗り始めると、後ろにいた太目のお姉ちゃんが
「あ、その名前今朝見たわよ、その辺に封筒が・・・。」
窓口「あった。あった。コレね。」

私はほっと胸を撫で下ろし、次の交渉へ。

私「実は予約の時点での車種に変更があったので、
その辺も確認したいんだけど。問題ないのかな?」
窓口「どういう変更?」
私「プントからスティーロにちょっと大きくなったんだけど」
窓口「今計算するから差額払ってね。」
完了。チケット入手。やっぱり何とかなるイタリア!

いざ船へ乗り込み!
16時発のフェリーというのに、
15分前でもなんだか妙にたらたらと長い列。
案内のお兄ちゃんの指示通りの場所で
ただ待っているだけなので不安はないけれど
なにがどうなっているのかまったくわからない。
乗り込み待機している間には
島でのイベントのチラシやパンフレットを配り歩く
妙に夏っぽいおばさんたちがやってきたり
横から割り込む輩を見てはあーだこーだと色々言ってみたり
前の車の助手席にいるお姉ちゃん
(といっても結構年はとっている)が
待ちくたびれて車から出ていろいろやるのをみて評論したり。
まぁ、飽きることもなく人間観察。面白い。

結局様々な割り込みに負けて
最後の最後に乗り込んで船が出発したのは16:30。
30分遅れでも、もちろん何のアナウンスもなし。さすがイタリア!
そして誰も怒らない、さすがイタリア!

乗り込む寸前の船。
今回使ったのはMoby Lines

imbarco.JPG

因みに行きのチケットと帰りのチケットには価格に違いが。
混み具合によってちゃんと料金が変動している、
この辺はきちっとしているのね・・・。

行きのチケット
おとな4人:34,00ユーロ(一人8,50ユーロ)
車一台:45,00ユーロプラス車種変更による差額9,80ユーロ

帰りのチケット
おとな4人:26,00ユーロ(一人6,50ユーロ)
車一台:1,00ユーロ

帰りの車のフェリー料金に注目。
今シーズンのキャンペーンで
期間中に限定数の車は
1,00ユーロで乗り込めるっていう嬉しいお話。
すごくお得な気分。


Via per Elba parte 1

2004-06-07 00:48:45 | 旅行記
忙しさにかまけてろくな準備もせず、
よってあまり期待度もあがらぬままに出発することになった
今回のプチプチバカンス。

出発当日、快晴。
いつもお世話になっているレンタカー会社へ。
よくしてもらっている所長がじきじきに、デスクで手招き。
「君が予約していたプントね、
今全部出払っちゃっててさ。
同じ値段でワンランク上の車出すから。
プントお気に入りなのは知っているけど、悪いねぇ。」
といってでてきたのはFiat Stilo
これ、乗ってみたかった車ではある。
プントよりも車内がゆったりしていて
結果的には非常に都合がよかったので
もちろん文句などあるわけもなく。
「じゃぁ、バカンス楽しんでおいで。俺も休みたいよぉ。」
というレンタカー屋のおやじの声を尻目に出発。

見知らぬ土地で、しかも今回の時間的にあまり余裕はない旅行で
雑多なお買い物に時間を費やすのはどうかと思ったので、
フィレンツェで友人を乗せて出発するとすぐに
通いなれているスーパーマーケットに出向いて買出し。
たいしたものは買わなかったけれど、満足。

そしてフィレンツェを出る前にやっておかなくてはと思い立ったこと。
今回ぎりぎりになって、ネットで探し当てた旅行会社を通して
なんとか予約をしてある(はずの)フェリーのチケット。
しかし、予約の時点では車はプントの予定だったので、
その車種での登録。
実際にはワンランク大きな車種になったので
もしかしたら問題が生じて面倒なことにならないとも限らない。
それに予約が本当に取れているのかどうかも
多少は不安だったので
確認のためにも連絡をとりたいとは思っていたので電話することに。
旅行会社からもらっていた船会社の連絡先へ。
私「もしもし。今日16時の便で
車一台大人四人で予約してあるものですが。」
あばさん「はぁ??」
私「あ、予約番号か私の名前で照合してもらえますか?」
おばさん「なに??なんなの?」
私「今レンタカーピックアップしたんですが、
予約の時点で登録した車よりもワンランク大きくなったので、
差額支払いとか、何か手続きががあるかもしれないと思って
その辺りを確認したいんですけど。」
おばさん「そんなのここに来てから
チケット受け取ってもらわなきゃわからないわよ。」

まぁこの辺りで私はプチリと切れてはいるのですが、
楽しい旅行が待っているので、
怒りを抑えて頭の悪そうなおばさんにしつこく食い下がることに。

私「しかし、旅行会社からは何かあったら
ここに連絡するように言われているんですけどね」
おばさん「そんなの私の知ったことじゃないわよ。
とにかくさっさとここまで来てチケット確認すればいいでしょ」
私「お言葉ですが私はまだフィレンツェにいて
今から出発するところなので・・・云々。」
ガチャリ。

人の話は最後まで聞こうよ。頼むから・・・。
そういうのがあなたの仕事でしょ、窓口の電話うけているなら・・・。
それがいやなら窓口の仕事はしないでください、お願いだから・・・。

まぁ、こういうことはイタリアでは結構日常的に起こりうることなので
もうそうそう怒りませんが、やっぱり腹が立ちます。
前途多難??と思ったりもしたけれど、
しかし、こんなことでいらだっていては先が思いやられるというもの。
気持ちを入れ替えて出発!

友人の希望で「ひまわり」を探して少し遠回りだけれど、
トスカーナの山越えのルートを選択。
フィレンツェから南に下り、シエナを通過してその先更に南下。
しかし、季節的に早かったのか、今年が寒かったせいなのか、
はたまた私がまったくお門違いのルートを選んだのか
「ひまわり」など一本も見ないままにグロッセートの手前まで。
まぁ、緑のきれいなドライブだったので、それはそれで満足。

途中の山道で異様な渋滞に巻き込まれ
「まさかこのまま海まで渋滞?」なんて。
これからの季節イタリア人は挙って海へ出かけるので
海へ向かう道はどこも込み合うのが常
しかもその日は土曜日だったので、「しまった」と思ったのです。
それでも流れているので、仕方なく流れに沿って進んでいくと、
やがて片側交互通行で工事をしている箇所に行き着きました。
渋滞の原因はそれだったわけですが、
それにしても随分長い渋滞だった・・・。尋常でない。

しかし、この片側交互通行。
イタリア語ではSenso unico alternativoというのですが、
これが日本語でなかなか出てこなくて、ずっとすっきりせず。
私は「交互」という言葉が浮かんだ後、撃沈。
友人は「片道走行」。
どっちもしっくりこないなぁと思っていて
やがて突然、何の脈略もなく、
「あ、片側交互通行だ」と思い出して
もやもや解消。
こうした普段使わないような日本語って忘れてしまうんですよね。
いや、忘れたわけではなく、なかなか引き出しから出せなくなる。
困ったものです。

そしてまだエルバは遠い・・・。