不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Via per Elba parte 3

2004-06-08 23:21:08 | 旅行記
ようやく乗り込んで、そして30分遅れで出航したフェリー。
かなり大きいので探検を楽しみにしていたにもかかわらず、
久々の後輩夫妻との再会で、おしゃべりに花が咲き
結局みんなでアイス食べて座って話しているうちに
到着のアナウンス。
「ドライバーの方のみガレージへお向かいください。
他の乗客のみなさまは順次下船の支度を整えください。
6番デッキは混み合いますので、皆さん、焦らずに・・・。」
ということなので、私一人でガレージに行き下船準備。
「係員の合図があるまでエンジンをかけないでください」
というアナウンスもあったのでじっと待っていた私。
係員の合図なんかないままに
前方の車から順にエンジンをかけて降りていく。
当然私の番になったので、「合図はぁ??」と独り言を言いながら
エンジンかけて出口へ。
合図なんかあるはずもなしか・・・。

燦々と照りつける太陽の中に向かって、
ぽっかり開いた小さな入り口。
寂れた港に到着。何もない・・・。

先に船から降りていた友人を拾って
寂れた港に用はないぜとでも言うかのように
早速車を走らせて、向かうはLacona(ラコーナ)。
道は迷うこともない山越えの一本道。
5キロちょっとくらいの道のり(のはず)。
山を登りきると眼下に海を見下ろすことができて
バカンスについたばかりの我々は
そこからの海の眺めにも大感激して写真撮影。
後から思えば、そこから見た海なんて序の口だったのだ。

ホテルに着くと長旅で疲れている後輩夫妻を部屋に残して
私と友人Kはすぐに周辺探索へ。
ホテルの前を走る通り(実はこれがこの辺りの主要道路)を
渡って林を抜けたらそこはもう砂浜。
ホテルから実質3分の距離。

夕方の暮れかかった太陽の中で
まだ名残惜しそうに日光浴をしているドイツ人がちらほら。
おじいちゃんに連れられて遊びに来ていた天使のような子供が
Tシャツ一枚になって波打ち際で波と戯れる。
あぁ、そんな普通の景色も絵になるから島の魔力って不思議だ。

07.JPG

砂浜探索を終えるとホテル周辺の探索。
ホテルの敷地は広大で、長期滞在社用のアパートも併設。
よってそういう人たちのために
こまごました雑貨や新聞雑誌を扱い
それと一緒にリゾートグッズも置いている「なんでもや」とか
美容院まで発見。
しかし、海とプールで遊びまくるだけなのに、
どうして美容院が必要なのだ?と思うのは私だけなのかな。

夕飯は19:30から21:00まででホテルレストランでブッフェ形式。
このホテル、2食付ツインの一泊のお値段が67,50ユーロ。
(割り引きしてくれてこの値段なんだけどね。)
かなりお手頃です。
プールもあるしね。

散々食べて(友人たちは飲んで飲みまくり)大満足の4人は
夜の浜辺を散歩してみることに。
夜の海も幻想的でよいのよねぇという気持ちだったのだけれど、
いわゆるレストラン併設の「海の家」はまだ営業中で
煌々と明かりがともっていて、
ちょっと想像していた雰囲気ではなかった・・・。
それでも夜の薄暗い光の中でよく見ると、
昼間見たときよりも海の透明度がよりはっきり。
大感激。

美しい砂浜の波打ち際を暫く歩いていくと、その先に。

お土産や。そしてバール。
そこのバールの「フローズンヨーグルトを食べる」
といってきかない後輩旦那の要望で
腹いっぱいなのにもかかわらず、ついデザートタイム。
いくら「島です、南国です」といっても
この季節、太陽が沈むとめっきり冷え込むので
フローズンヨーグルトはちょっと厳しいものがあったんだけど。

という感じで到着当日の島の夜は更けていったのでした。


Angeli di Citta'

2004-06-08 00:53:35 | うんちく・小ネタ
「そらいろのドア」~その人の愛読書

「りんぐりんく」~人間観察2

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道路といわず広場といわず、
ちょっとした場所にマイスペースを確保して暮らす人々。
フィレンツェの街にも結構たくさんのSenza Tettoな人々がいます。
短期でフィレンツェから姿を消す人、
フィレンツェ市内でも頻繁に場所を変えている人、
そして長年いつも同じ場所で集っている人々。
その暮らしの形は様々。

話は遡って11年前。
演劇関係のイタリア人
Paolo Coccheri(パオロ・コッケリ)氏が主催して
la Ronda della caritaという慈善団体が発足。
発足当時は主催者自身が夜な夜な薄暗い通りを歩いては
路上生活者をたずねてまわったのだそう。
そうして彼らの生活を知り、彼らの叫びを聞き
できることから手を貸していく。
なかなかできることじゃない。
やがてこの団体に付随するようにして
Angeli di citta'と呼ばれるボランティア活動が開始。
この活動にはフィレンツェの若者も多く参加していて、
この辺が「イタリア」だなと感じたりもします。
基本的にボランティア活動が活発な国です、イタリア。

ちょうどla Ronda della caritaの発足から10年経った昨年10月。
パオロ・コッケリ氏は新たなアイディアを提案。
バール経営やレストラン経営をしている友人に声をかけ
路上で暮らす人々に朝のコーヒーのサービスを開始。
システムは古くナポリで受け継がれてきた
Caffe sospesoというやり方。
にくいシステムなんですよ、これが。
普通にバールに行ってコーヒーを飲むのですが、
このとき二杯分を支払って、自分は一杯だけ飲む。
そして残りの一杯分は、そう、誰かが無料で飲むことができる。
これを呼びかけて、路上で生活する人々のためにコーヒーを確保。
素敵なことですよね。

そして毎週水曜日のお昼には
旅先へ向かう、もしくはフィレンツェに降り立った観光客で賑わう
フィレンツェ中央駅の大時計の下に
ぞろぞろと路上生活者が集まってきます。
ボランティアグループAngeli di citta'がお昼ご飯の提供。
バールやレストランでの残り物を集めてのお昼ごはん。
売り物としては出すことができなくなったけれど、
捨てるわけにはいかない食べ物たち。
そういうものに混じって、中には
このサービスのためにわざわざ用意される
数十人分の温かい料理も。
これを提供しているのはフィレンツェの共和国広場にある
カフェCaffe Giubbe Rosse。
ジュベ・ロッセは昔から芸術家が集まって
熱い議論を傾けるので有名なカフェです。
なかなか粋な計らいをするものだと思います。

これ以外にも街外れの、ある建物では内部を改修して
路上生活者や生活に苦労している人々のために毎日お昼を用意。
なんと毎日300人以上の人が
お腹をすかせて集まってくるのだそうです。

夜になればなったで20時頃から
そろそろシャッターを閉めようかという、
昼だけ営業するバールやカフェなどをボランティアが周り歩いて、
やはりその日の残りを回収。
これを集めて今度はカンポ・ディ・マルテの駅へ。
20:30から夕食の振る舞いが始まるのです。

こういった活動が、地道に、しかし確実に
受け継がれて続けられています。
恥ずかしながら、
私の知らない世界がここにもあるわけです。