不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Se non risponde nessuno・・・

2005-06-12 01:51:10 | 日記・エッセイ・コラム
雹のあと、なかなか気温が上がらず、夜には冷え込むフィレンツェ。
土曜の夜も結構寒かった。
友人と共に夕食を終えて、帰宅。
10時ちょっと過ぎだし、土曜日で街には人もいっぱい出ているから
歩いて帰っても良かったのだけれど、寒かったのでバスを利用。

ドゥオーモの裏手に当たる通りを通過中
前方の小さな交差点で
男性が取っ組み合いの喧嘩をしているのが眼にはいった。
二人の男性がひとりの男性を突き倒して殴る蹴るの、まさに暴行。
もちろん運転手さんもその光景に気づいて、
盛大にクラクションを鳴らして警告。
バスの乗客も一斉に騒然となった。

私はとっさにカバンから携帯電話を取り出して
緊急電話をかけようとした。
しかし一瞬ためらった。
場所が正確に把握できていない気がしたから。
きちんと通報できないんじゃないかと不安になったのだ。

もちろんその間にも
バスはその場で止まるわけにもいかず
(後続車もかなりあったので)
喧嘩の現場を通り過ぎてしまった。

現場のすぐ先の停留所で友人が降りて行った後
乗客の一人の女性に
「あなたさっき電話を取り出していたけど、
緊急電話かけた?」と問われた。
「ごめんなさい。場所が伝えられそうになくて躊躇しちゃった。」
「いいのよ、まだ連絡していないなら、じゃぁ、私がかけるわね。」

彼女はまずCarabinieri(113)に電話をした。
誰も電話に応答しない。
負けずに次はPolizia(112)に電話。
電話口に出た人は話を最後まで聞かずに電話を切った(!!)

それでどうして緊急電話の役を果たすというのか…。

イタリア、こんなことばっかりじゃないと思うけれど
もうちょっとしっかりしてよ。
フィレンツェだって決して治安の悪い街じゃない。
でもここのところ移民同士の殺傷事件は増える一方。
なんとなく見た感じ、
さっきの喧嘩もそういう雰囲気だったのだけど。
誰かの命が危険に曝されているときに
緊急電話が応答しないなんて
それは一歩間違えたら大変なことになる。

土曜日の夜、結構人出が多かったのに、
パトロールに出ている警官の姿も
家に辿り着くまで(繁華街なのに)
結局一人も見かけなかった。

駅でバスを降りて歩いて家まで帰りながら色々考えた。
こういう場合、バスの無線システムを使って、
現在地を照合しながら
緊急連絡をするというのはできないものだろうか。
バスの運転手がボタン一つ押すだけで
管轄当局に緊急連絡ができれば結構便利だと思うけれど。
今回のような喧嘩でも、交通事故でも。
バスは朝早くから夜遅くまで
主要道路を網羅して走っているわけだから。

あの喧嘩の後始末、明日の朝刊に載らないことを祈る。


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