不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Via i lucchetti da Ponte Vecchio

2005-12-05 16:25:00 | うんちく・小ネタ
確かにちょっと気になってはいた。

ポンテ・ヴェッキオ(Ponte Vecchio)の中央下流サイドにある
Benvenuto Cellini(ベンヴェヌート・チェッリーニ)の
胸像を囲う柵に絡み付けられた様々な南京錠。

私がフィレンツェに来た頃にはそんな習慣はなかったけれど
思えばここ2・3年のブームなんだろうな。
愛しあう二人が南京錠に二人の名前を刻んで
永遠の愛を誓い合って南京錠をかけて
その鍵をアルノ川に投げ捨てる。
そんな風にしてくくりつけられた南京錠は柵に鈴なり。
なんとも異様な感じ。
愛を誓うのも勝手だけれど
南京錠くくりつけているのは一応文化財の柵なんです・・・。
しかし、一体誰がこんな不思議なことを始めたんだろう・・・。

2005年6月にはフィレンツェ市が一掃したのにもかかわらず
いつの間にかまた鈴なり。
どうも業を煮やしたフィレンツェ市は強硬手段に出ることにしたよう。
オルトラルノにあるBottega del Verrocchio
(ヴェッロッキオ工房)に依頼して
これから半年にわたって
定期的に南京錠取り外し作業が徹底されるらしいです。
取り外しだけでなく、4枚の立て札の設置も実施。

しかし、すごくナンセンス。
美しい橋の上の偉大なる胸像の周りに
注意書きなんてないほうがいいに決まっているのです。

誰かを愛する気持ちも大事だけれど、
長く受け継がれる文化財に理解を示すのも同じように重要なこと。
それもすべてはモラルの問題ですけどねぇ。

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