不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Esedra di Marco Aurelio

2005-12-24 06:25:43 | アート・文化

古代ローマの足跡。
繁栄の証は今でもローマのあちこちに残っているけれど
我々の時代まで生き残った歴史の跡は
その上を流れた時間の重さに
何とか耐えているというのが実情。

先日はあまりの損傷のひどさに、危険性があるとして
ネロ帝が建設した「黄金の家・
Domus Aurea」が
緊急閉鎖になり
ついで、カラカラ浴場崩壊の危険性も露呈され
またカラヴァッジョの
Madonna dei Pellegrini(巡礼の聖母)」が保存されている
Chiesa di Sant'Agostino (サンタゴスティーノ教会)の
天井剥落も確認されたばかり。
いずれも早急な修復が必要ではあるけれど
資金難でどうにも手がつけられない状態のローマ市。

そんな中、ローマ人がこよなく愛すといわれる
マルクス・アウレリウスの騎馬像が
ようやく安住の地を見つける運びとなりました。
カピトリーニ博物館が改装を終えて新翼を増設。
カンピドリオの丘のシンボルともいわれる
マルクス・アウレリウス騎馬像(
Equestre di Marco Aurelio)を
収容するために作られたこの新翼は
Esedra di Marco Aurelioと名づけられたガラス張りの展示室。
(ちなみに手がけたのは
Carlo Aymonino)
ブロンズ像の健康状態を考えて
最新の設備が整えられた展示室。

1979年の時点でブロンズ像は
長年の風雨の影響でかなりのダメージが確認され
すぐに
9年間に及ぶ修復に入りました。
その後、確定した展示の場を得ることがないまま放浪。
26年に及ぶ修復&放浪を終えた騎馬像は
1223日から安住の地を見つけて一般公開。

これまでカンピドリオの丘に置かれていた(今も置かれています)
マルクス・アウレリウス騎馬像コピーのほうも
かなりの痛みが目立ってきているということで
本家もさながらコピーも修復が必要かといわれています。

フィレンツェ同様、文化遺産が多い街は
常にこういう悩みが尽きないのですね。

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