不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Lunga attesa

2006-10-26 22:46:00 | 日記・エッセイ・コラム

早起きしてQuestura(クエストゥーラ)に行ってきました。
悪名高き警察署の移民局ですが
それでも数年前に比べたらずいぶん改善されました。
10年以上前の移民の少なかった頃は
規制も緩々で仕事がめっぽう遅い以外には
そう問題もなかったけれど
数年前、一時期めちゃくちゃ態度の悪い警察官が
担当になったときには
申請に来ている人々を家畜か奴隷のようにしか見ていない扱いで
人権問題にまで発展しそうなことだってありました。
それがここにきて担当者は人あたりが比較的やわらかくなり
移民法も改正されたりで、扱いはよくなってきたと思います。
それでもイタリアの第三世界の一部を垣間見る
ステキな空間に変わりはありません(爆)。

今回の目的は「インフォメーションゲット」。
それだけのために朝早起きして行ってきたわけです。
8:15から開くインフォメーション窓口。
8時過ぎにいったら既に私の前には50人ほどの列。
みんな早起きです、移民の方々。
ちゃんと8:15から窓口で女性警官仕事開始。
これにはちょっと驚いた(笑)。
順調に列が流れ仕事は消化され私の前には残り5人。
この時点で9時ちょっと前。
担当者が時折奥の部屋に姿を消すようになり
列の後ろのほうからは早くもブーイング開始。

5人の仕事を消化していよいよ私の番だぞ。
(このとき既に30分経過)
担当者の横に私服女性警官が現れ、真剣な顔で話を始めた。
なんだろう??列に並ぶ人はみんな心配顔。
移民局にくる彼らの大半はイタリア語はあまりわかっていない人。
なので女性警官同士で何を話しているのか
詳しいことはわかっていない様子。
しかし目の前で聞いているうえに、
それなりにイタリア語を解している私にとってその二人の話は驚愕!

二人の話の内容は彼らを取り巻く職場環境について。
私服女性警官がどうやら上官から
ありもしない責任を押し付けられて窮地に陥っているらしく
それについて昨日4人で話し合ったのだけれどまだ解決せず云々。
それを愚痴とも相談ともいえぬ口調で
窓口の担当女性警官に話し続けていて
もちろん窓口の女性警官は仕事そっちのけで
その同僚の話に聞き入っているわけです。
その後上官が現れ(これも女性)、
上官から「仕事もしないで何おしゃべりしているの!」
と喝が入れられるのかと思いきや
じゃぁもう一回話し合いましょうと3人で奥に消えていった!!
驚き!!これには列全体から大きなブーイング!当然だけど。

まぁ彼女たちの職場環境は彼女たちにとって重大な問題。
しかし列に並んでいる我々にとっては
合法的にイタリアで暮らしていけるかどうかの
瀬戸際(ちょっと大げさ)。
どっちの問題が重要なのだろう?
というかさ、そういう内輪の話しは
窓口の仕事が終わった午後にでもしてくれよぉ。
(どうせ受付は午前中で終わっちゃうんだから)

15分ほど待ったら担当者は戻ってきて仕事再開。
そのとき既に窓口受付締め切りの9:30を過ぎているので
彼女は列の最後尾までいって
「今日はあなたまでで受付終わりだから
あなたの後ろに来た人は追い返してね」
と最後尾の人に依頼。これも不思議なシステム(笑)。

いよいよ私の番。3分で終了。
求めていた情報はゲットしました。
これまで12年間「滞在許可証(Permesso di Soggiorno)」を
申請し続けてきたわけですが
ここにきて色々法律が改正され
今までは私の状況ではほしくてももらえなかった
「滞在カード(Carta di Soggiorno)」が以前に比べて
簡単に申請できるようになったので
この機会に切り替えようと思ってそのインフォメーションを
もらいにいったわけです。
実際に私の状況でも滞在カードに切り替え可能ということで
それはとてもうれしいことでめでたいのです。

しかしイタリア人の配偶者がいるわけではないので
手続きはまだちょっと複雑。
まず書類を集めてアポイントをとらなくてはいけません。
どうせアポイントは一ヶ月先とかになりそうな予感がしたので
足りない書類はその間に揃えればいいし
とりあえず電話してアポイントとってみようと思い立って電話。

担当者が電話に出ないくらいの覚悟をしていたのに
なんとすぐに電話がつながり、その上対応もよい。
必要事項を伝えると、受話器の向こうで
「ではアポイントの日時を伝えるでメモしてね。」

その後耳を疑う驚愕の事実が!

「えぇと、あなたのアポイントは…5月22日でとったわよ、12時ね。」
「え?5月(Maggio)?????3月(Marzo)のまちがい?」
「間違ってないわよ5月22日」
「5月って2007年の?」
「なんなら2008年でもいいわよ」
「いやいや、それはちょっと。5月なの?」
「そう、とっても混んでいるのよ」
「あぁ、噂には聞いてましたが。
あ、でもそれまでに今もっている私の滞在許可証は
期限切れになってしまうんだけど」
「その場合はもう一回滞在許可証申請して、
新しいものもって5月に来てね」
「あ、わかりました。ありがとう」
「どういたしまして。よい一日を」
この最後の一言を言ってくれるだけQuesturaも変わったわけですよ。

しかし、アポイント一ヶ月先どころか半年先ですよ!
先日までに用意した書類は
みんな有効期限切れになってしまうので
改めて取り直しだしね(笑)。

まぁ、一歩前進ということで。
Questuraはいつ行ってもネタの宝庫です(爆)。

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