不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Raccolta delle Fragole

2010-06-10 20:25:41 | 旅行記

イチゴが主役じゃなかったイチゴ祭りを後にして
いざメインイベントのイチゴ狩りへ。

駐車場に止めてあった大型バスに
今回イチゴ狩りに協力してくれた
イチゴ農家の若旦那が乗り込んできて挨拶。
Coppolaさん。
いかにもな苗字です。
焼けた肌に紫色のぴちぴちシャツを着て
首元にゴールドのネックレス。
とても農家の若旦那には見えなかったけどさ。

大型バスが入っていくような道ではない、
細い田んぼ道を進んでいくとやがて彼の農園。

今回の大型バスは2台ともLazzi社でしたが、
私が乗り込んでいたほうのバスには
日本人会に加盟していない一般参加者が多く乗っていて
中にはベテランガイドさんもいらっしゃいました。
ガイドさんの話が楽しくて行きも帰りも眠りもせずに
すっかり遠足気分を満喫させてもらいました。

彼らベテランガイドが信頼を置くAthosさんが
我々のバスのドライバーだったのですが、
この人がガイドさんたちが口をそろえて
「彼の運転技術は最高」というほどのドライバー。
確かに、車酔いしやすい私が
酔わずに済んだのも彼の運転のおかげかも。
普段は大型バスなんか入り込まない農村の細道を
すいすいと進めるところにもプロの技術を感じました。

農園前でバスを降りてそこから歩くこと約5分で
イチゴのハウス。
ハウスの前にさくらんぼの木。
実はイチゴよりさくらんぼに夢中だった人が
参加者の中にはかなりいました(爆)。

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商品になるわけではない、
農家の人が個人的に楽しむはずのさくらんぼ。
帰るころにはほとんど実はもぎ取られてました(笑)。

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イタリアでは日本のように「観光」で楽しむイチゴ狩りは
少なくとも私は聞いたことがないし
イタリア人の友人には「イチゴ狩りに行く」といったら
「???」という顔をされました。

この農家も別にイチゴ狩りのために経営しているわけではなく、
今回は日本人会ピクニック企画のために
特別に開放してくれたのでした。

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まず、ハウスを覗き込んで驚いたのはその栽培方法。

私の母校(高校)の近くは伊豆でも有数のイチゴの産地なので
通学路にもマラソンコースにも
イチゴハウスはいっぱい並んでいましたが
こんな栽培方法は見たことないです。

ちょうど大人の胸の高さ、子供の目の高さくらいに
イチゴの実がなっているので
摘み取るのがとっても楽チン。

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しかも土壌に触れないし、
足で踏み潰されることもないので合理的。
イタリアでまず見かけることのない合理的なものの一つ!!

土壌に触れていないので、
摘みたてそのままパクパク食べてもぜんぜん大丈夫。
潔癖性な日本人には向いているような気がします。

日本のイチゴ農家でもこの方式取り入れないかなぁ。
なんなら私が実家に帰って
この方式でイチゴ農園やってもよいです。

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たしか、アロマスという種類のイチゴだといってました。
(またうわのそらで聞いていた、説明)
イチゴって一年草なんだと思っていたら
実は多年草なのですね。
一つの苗で3年くらいは栽培続けるそうです。

酸味の少ない芳醇なイチゴでした。
でもね、日本でもそうだけど
イチゴ摘みたて食べ放題っていわれても
そうたくさんは食べられないよね。
私も15粒くらい食べて大満足でした。

イチゴ狩りに行くと決めたときから
絶対コンデンスミルク持参と思っていたのに、
当日すっかり持っていくのを忘れて
朝のうちは大ショックだったのだけれど、
イチゴ自体が甘くて、
あの場所で食べるならそのままでよかったなぁって。
本来のイチゴの味が楽しめたのでよかったかも。

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イチゴハウスの隣にあるトマトのハウスも見学。
トマトの青臭さ充満。
トマトは私の手のひらほどの大きさに育ってたけど
まだ赤くなかった。

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というか赤いのは既に収穫されていて、
後ほど農園でイチゴとともに即時販売されていたようです。

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そのまた隣にあるズッキーネのハウスも覗いてみました。
私はズッキーネって
きゅうりと同じようになるものだと思ってたので
正直驚きました。
ツルにもならず下からにょきにょき逞しく生えて
上に向かって実をならせるのですね。
付け根の部分をナイフで切り落とすのだそうです。
あぁ、一つお利口になったよぉ。

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Camaioreの周辺はこんなのどかな田園地帯。
このあたりのイチゴはみんな
胸の高さでの栽培だそうですが、
もちろんほかの地域では
日本式の栽培をするところあるそうです。

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ハウスから農園に戻る線路沿いに咲いていた芥子の花。

ポピーともいいますが
私の中では芥子の花。
なんか、こうこの花の持つひっそり感と
情熱的な赤い色のバランスの悪さが好き。

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ちょっと前まで子供たちが走り回って
野菜とイチゴの即売会も行われていたCoppola農園。
人がいなくなってから撮影したので、
なんかものすごく寂しい感じ(笑)。

今回この企画に協力してくれたCoppola家の人々は
みんな素朴で温かくてよい人たちでした。
実は最後の最後の変更でここになったらしいのです。
というのも、最初確約をもらっていた農家数軒から
苗を傷めるかもしれないからという理由で
直前になってNGをもらったらしく
企画担当の友人が
代替農家を探してOKもらえたのは
若くて新しいことにチャレンジできる
Copplaさんちだったのだそうです。

実際やってみたら
苗を傷めるなんてことはまったくなかっただろうし
破産するほどたらふく食べ散らかされたわけでもないし
最後にはイチゴたくさん売れてたし。
まぁ、日本人だし常識的な行動できるからね、普通。
結果的には受け入れてくれたCoppola農園にとっては
よかったのではないかなぁと参加者の一人として
単純に思ってます。

イチゴは250グラムくらいのプラスチックケースが
8ケースはいった木箱入りで
一箱8,00ユーロとかで売ってました。
さすがに市場やスーパーで買うより破格にお安い。
私はまた食べきれずにだめにしちゃいそうだったので
2パックだけ購入。
参加者の皆さん結構箱入りで大人買いしていましたし
トマトもズッキーニも買っている人いましたねぇ。

なんとなくボーっと参加しちゃいましたが、
とても楽しかったし、勉強にもなりました。
また来年行けるといいなぁ!