不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

I Gatti di Boboli

2010-07-27 18:39:07 | アート・文化

ローマではコロッセオの猫や
トッレ・アルジェンティーナの遺跡の猫が有名ですが
フィレンツェならForte Belvedere(ベルヴェデレーレ要塞)や
Giardino di Boboli(ボボリ庭園)の猫コロニーが有名です。

ボボリ庭園では
20ヘクタールの敷地内の何箇所かに分散して
約70匹の猫が暮らしています。
それぞれ名前も付けてもらって、
定期健診もうけて
どの猫も健康に暮らしています。
1988年には実にメス61匹、オス78匹、
性別が確定しない子猫が123匹の
262匹を数えたボボリの猫ですが
その後、老齢や病に倒れたりして減少し、
また大々的に展開された虚勢手術キャンペーンにより
庭園内で子猫が生まれなくなり
加えて入り口に設置された金属探知機と身体検査により
庭園内への捨て猫持込が大幅に減ったことにより
現在の70匹あまりで落ち着いています。

最高齢で22歳、
平均年齢も12歳とかなりご老体の猫が多いのですが
この猫たちが主役になった2011年のカレンダーが
フィレンツェ国立美術館内の
各ブックショップで販売されています。
このカレンダーの収益金の一部は
庭園内をはじめ
フィレンツェ市内の野良猫の治療などを手がける
非営利団体の活動資金として
寄付されることになっています。

カレンダーならお土産にも喜ばれるだろうし、
猫好きな肩へのお土産にカレンダーを買って
ちょっとだけ社会貢献もしちゃいましょう。
私も近いうちに購入しに行こうかと思います。

ボボリ庭園の猫の日常的な世話は
30年以上にもわたり
その職に就いているという庭園管理人Martinello氏と
彼の同僚のRaspollini氏、
そして通常はベルヴェデーレ要塞の猫の世話をしている
ボランティアのVianello女史の3人が
受け持っているそうですが、
今年いっぱいで
Martinello氏とRaspollini氏は定年退職となり
ボボリ庭園を去ることが決まっており、
Vianello女史だけでは面倒が見切れないので
新たにボランティアを探しているとか。

今後増えることはないであろう
ボボリ庭園の猫ですが
最後の一匹まで安心して暮らせるように
またすばらしい管理人が見つかることを心から願います。