不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tra la mente e il cuore 11.11.2012

2012-11-11 19:03:57 | インポート
ずっとさぼってきた。
それはよくない。
ということで、思い立ったので、また書き始めることにした。
ただそれだけです。

日々感じることを綴っていた、
数年前のブログのように、
ちゃんと自分の見たもの、感じたこと、
考えたことを記しておこうと。

吉川さんのMind Trip(マイトリ)ではないけれど、
自分の脳みそと心の中を旅する感じで。

「象は一度見た景色を忘れない」という一説に
心が引っかかりちょっと調べてみた。

象のなかには50-60年と長生きするものもいて
砂漠の中、ジャングルの中の同じ道を
何十年もきちんと忘れることなく歩き続けるとか。
私もきっといつかフィレンツェを離れてしまっても
自分が通い続けた道は
間違いなく歩いていけるような気もするけれど、
やってみなくちゃわからないしなぁ。

色々調べていたらこんな記事も見つけました。
こちら
年老いたメスの象の記憶が
群れを干ばつから救ったという仮説。


人間は忘れることができる動物だから
色んなことを忘れていって、損することもあれば、
忘れることによって救われていることもある。

痛みの記憶は忘れてしまうべきなのかどうか。
痛みをずっと心や身体が覚えていたら
人間だって10年も生きたら
多分日常生活は送れなくなってしまう。
痛みに押しつぶされちゃうもの、きっと。
そういう意味では忘れることも大事なんだろう。

でも、忘れてはいけない傷もある。
そこから学ぶことが多い場合、
そして継承していくべき知恵を生む可能性が高い場合。

11月11日に日本で行われた
大規模な「反原発デモ集会」に呼応するかたちで
ちょうど10年ぶりに
フィレンツェで開催されていたソーシャル・フォーラム
Firenze 10+10のプログラムの中に
急遽組み込んでもらった
フィレンツェ在住日本人による「反原発」の訴え。
金曜日には
福島・信夫山のユズの話をもとにした
ユズノミルユメの紙芝居上演(イタリア語)、
土曜日には
福島の僧侶が書いた詩の朗読(イタリア語/英語)。
それぞれ参加させてもらいました。
私にできるささやかなことだから。

もちろん直近で決まったことでもあったし
宣伝不足だったし、
こちらにも反省点は色々あるけれど、
在住日本人で
「興味はあります」「賛同します」という声が多かったわりに
実際行動に移して、集会に顔を出した人は10名ほど。
こういう政治的運動に好感を持たないのが日本人なので、
仕方ないと思っていたし、ある程度想像はしていたけれどね。
少々がっかりしたのも事実です。
Firenze 10+10は国際的なソーシャル・フォーラムで
世界的に訴えかけるせっかくのチャンスだったのに
うまく活用できなかったのが心残り。

福島の悲劇を、
東北の悲劇を忘れかけている人も多いでしょう。
まだなにも終わってないし、なにも解決していない。
まだまだできることもたくさんあるし、
やらなくちゃいけない。

象のように忘れずに伝え続けて
次に同じことが起きた時に
干ばつから群れを救ったメス象のように
自分の仲間を救える人になるか、
人間らしく嫌なことは忘れてしまうか。

私はせめて前者でありたい。
政治的に大きく訴えることだけではなく
静かに訴え続けることは、一個人でもきっとできるはず。
そのために私はユズノミルユメを書いたのだから。



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