不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Tra la mente e il cuore 13.11.2012

2012-11-13 23:22:00 | Tra la mente e il cuore
日本国籍を保持したままイタリアで暮らす以上
いつまで経っても外国人、
そして法的には「移民」扱い。
移住したつもりはさらさらないんだけど、
カテゴリーではやっぱり移民。

イタリアには「移民」が多いのも事実ですが、
在住邦人で自分は移民だと思っている人は
きっと一人もいないはず。

とはいえ、一括りにされて移民なのです。
そして、外国人である限り、
滞在許可証をもっていなければ、不法滞在と見なされる。
パスポートよりも
ある意味大事な身分証明だったりするわけです、
ここで暮らす外国人にとってはね。

私も既に17年目のイタリア生活、
税金もしっかり収めているので
5年前に長期滞在者用のCarta di Soggiornoになっています。
現在では
Permesso di soggiorno per lungo periodo
と呼ばれるものだけど、
現行法的には「半永久的な滞在許可」。
しかし、私が5年前に申請した時には
警察も内務省も新しいシステムで混乱しきっていた時期で
渡された滞在許可証には
「半永久」とは記載されず、
有効期限2012年12月20日と記載されていました。

あれから5年。
有効期限が書いてある以上は更新しないわけにはいかない、
本当は半永久的な権利なのに。
と思いつつ、10月に関係部署に確認をしたら
再申請ではなく、情報の更新のみでOKということで
簡易手続きで済むということに。

再申請だったら年収報告やら、無犯罪証明やら、
居住証明などの鬱陶しい書類を
ゼロから揃えなくてはいけなかったけれど、
情報更新だけでよい場合は
パスポートと最新の写真さえあれば、
基本的には手続き可能。

実際、今回は郵便局から送るキットの中に
パスポートのコピーとオリジナルの滞在許可書のコピー
申請書類(Modulo 1)だけ入れて
申請費用200ユーロも免除され、
収入印紙14,62ユーロと電子カード制作費27ユーロを払って
申請手続き完了。
そして、約3週間後の本日が召喚日。

結局は指紋採取の手続きのために呼び出されているので
書類の確認とかもなし。
午前中に簡単に指紋採取されたのは
滞在許可書カードの磁気帯に登録される指紋。
そして、午後再度出向するようにいわれ
その時に両手のひらまですべて
念入りに指紋採取され、
身長を測られ、
目の色と髪の色、顔の傷をチェックされたのは
何か事故や事件に関わった時に照合される
警察内の情報データを制作するためのもの。

映画でよく見るような、
番号と名前の書かれた札をもたされて
正面と側面から写真を撮られるんじゃないかと
不安になったけれど、さすがにそこまではない(笑)。

しかし、こんなところ(移民局)にきて
きちんと書類出して手続きするような
律儀な外国人は、
あまり事件や事故を起こしたりはしないはず。
むしろ極悪犯罪人は
パスポートさえもたない不法入国者だったり、
滞在許可の申請などしていない人だったりするのだから、
善良な移民の情報を蓄積したところで
あまり役に立たないんじゃないかと思ったりもするけどね。
実際この5年間でも私が警察に求められて
滞在許可証を提示したのは
喧嘩に巻き込まれて顔面流血したお姉ちゃんを
助けた時くらいだけど、
そのときも別に磁気読み込みして確認したわけじゃないしね。
今日聴取された諸々の情報は
これからも誰の目にも触れずに眠り続けるんだろうな。
事件事故に巻き込まれない限り。

そして、無事に手続きは終わって、
次はカードが出来上がったら引き取りにいくだけ。
一安心ではある。

5年ぶりに出向いた警察署内の移民局は
かなり柔軟になって対応も良くなってはいたけれど、
やはり居心地のいい場所ではないよね。

警察官にたてついている中国人やアフリカ系の人もいて、
相変わらずだなぁと思ったりしながら、
それこそ15年ほど前に
まだVia San Galloにあった古いQuesturaに
眼鏡かけて、ちんちくりんの
赤毛の女性警察官がいたことを思いだした。
日本人女性に男を寝取られた経験でもあるのかと思うほど
日本の女性に敵対心丸出しだった。
すごく雰囲気が悪くて
友達いないんじゃないのかと疑ったほど
陰険な目をしていた。
彼女はその後どこに行ったんだろう。

今は入り口付近で対応している警察官も
窓口で書類を受け付けている警察官も
念入りな指紋採取した小部屋にいた警察官も
みんな温厚な感じで、声を荒げることもほとんどなく
色々改善されているのは肌で感じられた。

彼らも日々、イタリア語もままならない、
どこの馬の骨ともしれない移民を相手に
ストレス溜めながら仕事しているんだろうかと思うと
少し同情したくなったり。

できれば関わりたくない場所の一つだけれどね、やっぱり。


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2012-11-13 18:04:04 | Tweet Log