不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La Madonna col Bambino del Mantegna

2012-11-14 19:18:36 | アート・文化
ヨーロッパの美術館や教会でよく見かける「聖母子像」。
聖母マリアと幼子イエスキリストを描くこのテーマでは
ほとんどすべての芸術家が作品を残しています。

Andrea Mantegna
(アンドレア・マンテーニャ)も例に漏れず。

1851年から
Galleria dell'Accademia Carrara di Bergamo
ベルガモのカッラーラ美術館に収蔵されている
マンテーニャの傑作の一つともいわれる作品です。

この作品が世界的に有名なフィレンツェの修復工房
Opificio delle Pietre Dureでの修復を終えて
2012年11月13日より一般公開となります。

2008年にベルガモからフィレンツェに移送され、
修復が続けられていました。
マンテーニャが駆使した独特の技法と
長年に亘る損傷が激しく、
非常にデリケートな作品とされていました。

マンテーニャはこの作品を
キャンバス上にテンペラ画法という
特殊な技法で描いています。
当時は冒険的な試みともいわれましたが
決して彼の気まぐれから生まれたものではなく、
フレスコ壁画のもつような色彩の明るさと質感を与えたいと
試行錯誤した結果でもあります。
実際その試みは成功し、
Tempera magra(テンペラ・マグラ)という
油分を極端に削ぎ落とした絵具を利用した技法を確立し
現在もそうした効果を充分に継承しているといえます。

4年に亘る修復で
一部ほころんでいた布地は一本一本再構築され
以前の修復で上書きされた部分を取り除き
できるだけオリジナル近い形で再現し
将来的な保存を考えてサポート部分にも手を加えています。

修復が完了したので、近い将来この作品は
ベルガモのカッラーラ美術館に戻されますが、
その前に修復を手がけたOpificioへのオマージュとして
フィレンツェのアカデミア美術館内で展示され、
約1ヶ月間一般公開となります。

作品の繊細さから
長年カッラーラ美術館から搬出されたことのない作品を
フィレンツェで観ることのできる数少ない機会です。
お時間のある方は是非足を運んでください。

Andreamantegnamadonnaconilbambinote

La Madonna col Bambino del Mantegna
会場: Galleria dell'Accademia di Firenze
会期: 2012年11月13日から2012年12月9日まで
開館時間: 8:15-18:50
入場料: 6,50ユーロ





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