不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cow Parade

2005-10-23 18:08:10 | アート・文化
COW PARADEが始まった!
写真は共和国広場のEDISON前の作品。
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ひそかに夏前くらいから一人楽しみにしていた展示。
世界的なパブリック・アート展としては
おそらく最も規模の大きなものじゃないかと思います。
1998年に始まったCow Paradeは
今回フィレンツェに上陸する前には
シカゴ、東京、ニューヨーク、
ロンドン、プラハなどでも開催されました。
フィレンツェでの展示は10月22日から2006年1月20日までで
イタリア人アーティストの作品がメインです。

フィレンツェの街中のあちこちの広場に出没するカラフルな牛。
色とりどりの等身大の牛はガラス繊維強化樹脂製で
それを三次元のキャンパスに見立てて
数多くのアーティストが独創的な世界観を実現したもの。
さっと見てきたところ牛のタイプは4種類あるみたい。
(立ち姿前向き、立ち姿下向き、立ち姿上向き、座り姿)

このポジティヴで陽気な芸術活動は
慈善活動の一環でもあり
各作品の下につけられた「アーティスト名&作品タイトル」とともに
サザビーズでのオークション出展作品と書かれています。
フィレンツェに展示される「牛モデル」は
展示終了後に競売にかけられ
その収益金は
現在プロジェクトの進んでいる
新小児科専用病院の建設費用に当てられます。

しかし、展示二日目にして、
既に破壊されている作品も多くてびっくり。
あんまり手荒な扱いはしないように気をつけましょう。
芸術作品ですから。

詳細はこちら

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Comunicazione secondo i cani

2005-10-23 11:45:21 | Billy,Layla e Ciccino
久しぶりにいい天気の日曜日。
今年は雨が多いような気がするフィレンツェ。

盛大に洗濯をして布団も干して、気持ちいい朝。
ビリーもチッチーノも
陽だまりでごろごろが楽しい日曜日。

私は10年住み慣れたこの家の
日当たりのいいベランダから眺める中庭が大好き。
なにが特別素敵なわけではないけれど
駅前のわりに喧騒感がなく、
どことなく穏やかな空間で
私の大好きなサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の
とがった鐘楼がちらっとだけ左端に顔を出している。
増改築の重ねられた中庭に面した建物を眺めていると
フィレンツェの日常が感じられて面白い。

この中庭の右手のほうに広々と広がるテラスがある。
60代のご夫婦が暮らしている家で、
時折娘さん夫婦がやってきて
3歳くらいの女の子が遊んでいたりする。

そのテラスから
ここ数日、切ない声が聞こえてくる。

「きゅーん、きゅーん、きゅぃーん」
「くぅん、くぅん、きゅぅん」

子犬の鳴き声だ。
テラスのどこかにいるのだと見当をつけて
覗き込んでみると
どうやら、ちょうど家に通じる扉の前で
必死で家の中への侵入を試みているみたいだった。
飼い主さんがお出かけでテラスでお留守番なんだろうな。
でも新しいおうちに来たばっかりで不安なんだろう。
だから切なく泣いているんだろうなぁ。
一人ぼっちは寂しいからね。

ビリーもしきりに首をかしげて
子犬の泣き声に耳を傾けている。

私はベランダの窓から
「もうすぐママたち帰ってくるよぉ。」
「ちょっとお昼寝したらすぐだよぉ」って
まるで、少しは分別のある人間の子供に
言い聞かせるように話しかけた。
もちろん、そんな言葉で納得するはずもない。

たまらなくなったビリーは
なんと一緒に同じように切ない声で泣き始めた。
「クン、クン、キューン」
「きゅぃーん、きゅぃーん」
「ヒュン、ヒュン、キューン」
「きゅん、きゅん、ひゅん」
二匹のせつない合唱が中庭に響き渡る。
すると、しばらくして子犬はすごすごと
用意された「寝床」に引き揚げて眠り始めた。

一連の出来事を見ていて、はっと思ったこと。

ワンコ同士って、
泣き虫を説得しようと思ったりしないんだ。
一緒に切ない声で泣くことによって
何かをコミュニケーションしているんだ。

ワンコの痛みのわかるワンコたち。
「人の痛みのわかる人間になりなさい。」
とよくいうけれど、
人間同士言葉で説得しているうちは
「他人の痛み」を本当にはわかっていないのかもね。



Le mie sincere Condoglianze a Folon

2005-10-22 12:49:00 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、友人から借りたダウンタウンのDVDを観ながら
郷愁にふけり、笑い転げている間に
Jean Michele Folonが他界されたというニュース。

今年の夏、フィレンツェの街を彩った作家
個人的に今夏の個展をきっかけに
彼のもつ夢のような幻想の世界がとても好きになった。

そんなこともあって、訃報はとても残念。
享年71歳。パリにて最期のときを迎える。
白血病を患っていたそう。
実際、ヴァザーリの回廊への自画像寄贈式典のために
9月21日にフィレンツェを訪れたとき
既に体調はすぐれなかったといわれています。
残り少ない時間を知った作家が
自身の手で愛する街に何か形を残したいと願ったのかも。

若い頃からフィレンツェをはじめトスカーナの街々をこよなく愛し
バックパック一つでヒッチハイクしながら
トスカーナを巡ってスケッチしたというエピソードもあり
フィレンツェ市民にとっても、
心理的に非常に近い存在だったことは間違いない。
訃報に際し、フィレンツェ市長も弔意を表しています。

彼の作品に描かれる夢追う旅人のように空に舞い、
遠い世界に旅立ったのですね。
安らかに。

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Down Town e risata

2005-10-21 18:55:38 | 日記・エッセイ・コラム
downtown
友人が貸してくれたDVD。
真夜中にどうしても観たくなって、観てしまった。
めちゃくちゃ笑ってすっきりした。
ダウンタウンの世界は大好きだし。

二枚組みのDVDの二枚目のほうに
傑作トーク集が入っていた。
すごく懐かしかった。
ダウンタウンの二人が東京に出てきて間もない頃
私は大学生で東京に暮らしていた。
当時、テレビ収録などに応募する趣味があって
何回かダウンタウンの「ガキの使い」の収録にも応募して
友人と見に行った記憶がある。

真夜中フィレンツェの家のソファにビリーを抱いて座って
なぜか「じゃがりこ」を頬張りながら
ダウンタウンのトークを観ている。
一瞬タイムスリップしたみたいな気持ちになった。

当時の東京の雑然とした香りまで思い出しそうだった。
記憶って引き出しの奥にいくらでもしまいこんであるんだねぇ。

ビリーとチッチーノのおかげで毎日楽しく暮らしているけれど
もしかしたらここ数日、思いっきり笑いたかったのかもしれない。
一人真夜中にストレス発散完了。

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