不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Pranzo a Belcore

2008-01-26 17:17:39 | Squisito!

我が家から近いのと、yossyがいるのとで
頻繁にお世話になる機会の多いBelcore。
いつも仕事帰りにふらりと立ち寄って
同じものを注文して食べさせてもらってます。

ここのところメニューが大幅に変更になったようです。
ローマから仕事関係者が来たので、
お仕事の参考にもということでベルコーレでランチ。

新メニューに挑戦。
Pranzo a Belcore
アーティチョークのスフレ。
アオカビ系ロックフォードチーズのソースが添えてあります。
皆さんから???という反応をされますが
私にとってアーティチョークは
どうしてもカブトムシの味がするので、苦手なのですが
こうしてデリケートなスフレになっていると
おいしくてぺろりといただけます。

Pranzo a Belcore
ポルチーニとくるみがつめられたラビオリ。
ラビオリが大きいので大満足。
添えられた洋ナシがアクセントでこれまたとても美味。
私にとっては好きなゴールデンの組み合わせですね。

Pranzo a Belcore
これは定番メニューのチョコレートスフレ。
あったかいチョコレートスフレに
スプーンを差し込む瞬間が劇的で感動の一品です。
中から溢れるチョコレートとアングレソース、
そしてクリームジェラートのハーモニーは絶妙。

何でこんなにおいしいのだろう。うちの近所なのに(爆)。
Sono stati cambiati i menù, e si mangia sempre bene.


D'improvviso Firenze

2008-01-21 23:50:30 | アート・文化

フィレンツェのミケランジェロ広場の西側の
小高い丘の上に建つバルディーニ邸(Villa Bardini)で
開催されている写真展。

100年の時を隔てた対比がテーマになっている写真展で
同じテーマ、同じ被写体をカメラに収めたもの。
被写体はフィレンツェの歴史的中心地区。
ウフィツィ美術館、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、
バルジェッロ美術館、シニョーリア広場、サンタ・クローチェ教会、
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会、ドゥオーモなど。
100年の時間の流れの中で変わったものと変わらないもの。
人々の日常生活が大きく様変わりしても
この街のいでたちはあまり変わらないことに
改めて驚きを覚えます。

フィレンツェには1904年に設立された
国立の写真保管室があり、
そこでは設立以前に撮影された写真も含め、
時代の移り変わりを残す写真が数多く保管されています。
そこからの選りすぐりの写真と
現代写真界で活躍する若手写真家
Gianni Ferrero Merlino(ジャンニ・フェッレーロ・メルリーノ)の作品が
対比的に展示されています。

たった100年なのに、そこには文化的にも、感覚的にも
そして街へのアプローチの仕方まで大きな違いが生まれていて
それを写真を通してみると非常に面白いのです。
同じ目線、同じアングルで撮影しているものでも
カメラやレンズの違いで距離感が違ったり、
そこに反映される空気の重さや光の加減が
微妙に違っているのが不思議。
そして何よりも1800年代は
街がゆったりしていたという印象が強く残ります。
1900年代後半から今日までにかけて
フィレンツェにはモノが溢れ人が増えすぎてしまったようです。

トリノ出身の若手写真家がフィレンツェ滞在中に撮影した写真は
どれもクラシックな目線で現代の息吹を取り込んだ特長的なもので
この写真たちもフィレンツェ写真保管室のアーカイヴに加えられます。

ポンテ・ヴェッキオの脇から急なのぼり坂を歩いて
美しい緑に囲まれたバルディーニ邸まで。
旅の途中の散策にもお奨めです。
フィレンツェを見下ろす邸宅で
100年の時間の流れを感じてみるのも良いかもしれません。

会期:2007年12月20日から2008年3月15日まで
開館時間:8:00-16:30
会場:Villa Bardini
   Costa S. Giorgio 2
入場料:無料(展覧会のみ)
    バルディーニ庭園&バルディーニ美術館&ボボリ庭園などの
    共通入場料は7,00ユーロ
休館日:毎月第1&最終月曜日


Stasera alla giapponese

2008-01-17 01:38:37 | Squisito!

Stasera alla giapponese
Sushi fa boom anche a Firenze, e stasera la cucina giapponese.

別に日本食に未練もないので、
ふだんは行かないのですが
仕事の関係で食事に行くこととなりました。

サンタ・クローチェ教会地区は
最近再開発地区となっているかの勢いで
新しい、こじゃれたお店が登場していますが、
この回転寿司レストラン「KOME」もそのうちの一軒。

3フロアからなり、地下が「居酒屋」。
日本の居酒屋というイメージではなく、おしゃれなラウンジバーです。
一階が回転寿司、二階がグリルスペース。

回転寿司にはこれまで二回ほど行ってみましたが、
私は元々ナマモノ食べないので
おすしも食べられないものばかり。
なので、あまり幸せを感じないのですが
イタリア人で日本食にはまり始めている人たちには大人気です。
ちょっと高いので、現地で暮らす日本人はあまり来ないのかな。

今回は2階部分で「焼き物」をいただくことに。
それにしても肉も魚も基本的に遠慮したいので、
今回の焼き物も専ら野菜で。
焼き物はコースメニューになっていて
おすしの盛り合わせ、春雨のサラダ、
鴨焼き(もしくは野菜てんぷら)、そして焼き肉(もしくは海鮮)。

わがままを言ってベジメニューにしてもらったのです。

通常はこういうお寿司の盛り合わせ。
Kome_02
なにが乗っているのか私にはよくわかってません(笑)。

ベジタリアンの場合はこれ。
Kome_01
巻物はたくあん巻、かっぱ&アヴォカド巻、
裏まきの中にはバジリコとドライトマト。

続いて春雨のサラダ。
Kome_05
さっぱりしていておいしかったです。

そして通常は鴨焼き。
Kome_04

ベジタリアンのために野菜てんぷら。
Kome_03

焼肉、海鮮焼き。
Kome_06

野菜だけでも間が持たないので、
ホタテグリルをいただいてみました(爆)。
Kome_07

そしてデザートに抹茶ジェラート。
Kome_08


二階部分は完全予約制ですが
平日の夜なのに、結構お客さん入っていました。
みんなイタリア人。
おしゃれな感じが受けているのでしょうね。
Kome_09
昨今は中国人経営の「間違った日本食」を
提供するレストランが増えているフィレンツェですが
ここはオーナーが日本人なので、
正しい日本食とサービスが受けられます。
その分ちょっと高めなんですけどねぇ。


I mai visti Il Pane degi Angeli

2008-01-15 01:51:28 | アート・文化

クリスマス時期から年始にかけて
ここ数年恒例となっている展覧会がI mai visti。
フィレンツェのウフィツィ美術館の保管室に所蔵されていて
これまで一般に公開されていない作品を
テーマに沿って集めて展示するもの。
今年の展示のテーマはIl Pane degli Angeli(天使のパン)。
天から与えられる食べ物をまとめて
パーネ・デリ・アンジェリと呼ぶこともありますが
新約聖書に限ると
Eucaristia(聖体)のことを主に指し示しています。
キリスト教ではキリストの血と体を赤ワインとパンに見立てて、
ミサでは聖体拝受という儀式が執り行われます。
このときに信者に与えられる
白く丸い食べ物(Ostia)が聖体と呼ばれます。

今回の展示では33枚の絵画作品と
3枚の大きなタペストリーを通して
旧約聖書から新約聖書まで
「Il Pane degli Angeli」にまつわるエピソードが紹介され、
救世のストーリーと聖体の秘蹟が語られています。
テーマとしては非常に難しく、しかし興味深いものです。

元々識字率の低かった中世の時代に、
広くキリスト教を普及させるために
様々なシンボルを絵画の中に散りばめて生まれたのが
宗教絵画ですが
昨今の宗教離れや無関心に伴い、
こうした絵画の中のシンボル自体を読み取れない人が
増えていることを受けて、
あえてこの難しいテーマに取り組んだ
という力の入った展覧会です。

アダムの創造から始まり、アダムとイヴの原罪、
地上の楽園追放、イサクの犠牲、
空より降るマンナ、受胎告知、キリスト降誕、
エジプト逃亡、聖母子像、
キリストの受難、ゴルゴダの丘へ上るキリスト、
十字架降下、キリスト復活など
一連の旧約聖書、新約聖書のエピソードが集められています。

聖母子像には若き日のボッティチェッリの作品で
修復が完了したばかりのものもあり
ウフィツィに展示されている師匠である
フィリッポ・リッピの聖母子像を思わせます。
また同じく聖母子像には、
書物を読み聞かせる聖母マリアに抱かれて
瞑想する幼子キリストの姿を描いた
パルミジャニーノの作品もあります。
タイトルポスターにも使われている
キリストの受難の品々を前にして苦しみの表情を浮かべる
アレッサンドロ・アッローリの「嘆きの聖母」も必見。

I_mai_visti
I mai visti Il Pane degli Angeli
会場:Sala delle Reali Poste (Galleria degli Uffizi)
ウフィツィ美術館の建物の一角にある王宮郵便局
(美術館とは入り口が異なります)
会期:2007年12月20日から2008年2月3日まで
開館時間:10:00-17:00
休館日:月曜日
入場料:無料