超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

スピノザの伝記を読む

2020-06-22 17:48:23 | 無題
夜、仕事が山積みのなか、止むに止まれず「スピノザの生涯と精神」貪り読む。
友人の勧めで自分の神についての考えを漏らしたところ、ユダヤ教から破門された。
ハーグに隠居して、44歳ぐらいで亡くなった。天体望遠鏡のレンズ磨きで生計を立てていた。
レンズの埃が持病の肺病を悪化させた。ひどく貧しいわけでなく、年金を公爵から受け取っていた。
ユダヤ教徒からも、デカルト主義者からも、キリスト教徒からも、理解されなかった。
スピノザの擁護者から批判者まで数人の人が書いた伝記と学説。
スピノザはモーゼの教えや律法を、便宜上の宗教だと考えていた。
友人に対しては、神が物質でないとは聖書に書いてない、とか聖霊、ことに天使の
ビジョンは、夢や幻に現れることは事実だが、神の本質ではないと漏らし、
ユダヤ教の聖職者から破門にされ、師匠のティレイルの怒りを買った。
主著「エチカ」の要諦は、
神はこの世を超越しておらず、人格神でも作り手でもなく、この世に様態として広がっている。
神は時間的にも空間的にも無限な唯一の実体であり、自然は神の変容体で、
この世のことは、すべて神の必然であり、理性によって、神そのものである自然や自己の摂理を
深く知ることが、人の幸福である。考えも物質の広がりも神の属性であり、平行して相関している。
ただし、これはクリスチャンが反論のために要約した学説だが、「エチカ」の特徴をよく取り出している。

神つまり自然や自己の内実を究めることが人の幸福
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