音楽の喜び フルートとともに

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ユルゲン・フランツマスタークラス

2015-06-11 22:04:15 | レクチャー、マスタークラス

昨夜は、北ドイツ放送交響楽団フルート奏者のユルゲン・フランツさんの公開マスタークラスと、ミニコンサートに行ってきました。

マスタークラスの曲はライネッケのフルートコンチェルトと、バラード。
曲を詳細に教えてくださいましたが、ここでは、みんなが使えるような基本的な情報だけ書きたいと思います。

曲の始まりは、ピアノの音を聞いてテンポをよく掴んで始めます。裏拍から始まっている時は、その意味をよく考えてはじめます。
そして、2小節でオーケストラやピアノにちゃんとテンポを渡すように。
mfや、pをちゃんと落とす。
休符であっても、フレーすズが続いているところに気をつけましょう。

息継ぎは脱力して、顎関節を下に下げて口を大きく開けて息をとりましょう。顎を上に取りに行かない方が空気がたくさん入ります。
関節は下向きにコの字型なので、うえや横に開こうとすると引っかかってよく開きません。
なので、下に下げると効率よく息をとれます。

曲の始まりや,間奏の後の息は、1小節かけてたっぷり取りましょう。

フルートの長さと取る息は、だいたい一致していて、首から腹にかけて中心に伸びる息の柱が、低音ではしたの方の位置で、高音は高く、短くなります。

ブレスは時間を使ってたっぷりとってください。

口の中の反響板(口蓋、唇の裏)を開き空気を入れるように。

肋骨の中心の骨はどんな呼吸の時でも、上げ続けること。

フルートは、細く息を吐くオーボエやクラリネット、ホルンという楽器とは違います。トロンボーンや、チューバのような楽器と同じような息を必要とします。

staccatoは、イタリア語で「離す」という意味です。はねるとか切るという意味ではありません。
ピチカートのように乾いた音ではなく、響きの一種で、ボーイングするときのように一音一音いい音で、吹きます。

スラーの2音目にstaccatoがついている時、いい音で2音目は減衰して、次の音と離します。はねるわけではありません。

レガートの上行形、一つ一つの音をイメージして音程をしっかりとって。
リッププレートに全体に顎を着けて演奏すると、音程をコントロールしやすい。

高音のF#など、高音で大事な指は左手の指です。左手だけで吹いてもF#が出ます。左手だけで吹いてみて、音程を確かめましょう。右手は音色のための指です。

最後にライネッケの協奏曲について、
短調の第二主題は、音色を変えること。内面的で、少し寂しい。モーツアルトのD-durのコンチェルトなども一緒です。
第一主題は外向きで明るく、人に伝えるように、しかし、そればかりだと疲れてしまいます。なので、第二主題は、自分の内側を見るように演奏します。

8分の6拍子や4分の3のリズムに時々、1小節や、2小節まとめた大きな3拍子にとるヘミオラがライネッケの曲にはよく現れるのが特徴。

バラードの方は、
バラードというのは、お話。語りという意味なので、物語を語るように。そして、この曲は息の挑戦。
フレーズ感を大事にすること。息をたっぷり時間をかけてとること。

フランツさんの話は、息のことや、音程をイメージするなど、わかりやすく具体的でした。
そして、この日最後はミニコンサート。
言っておられたことの実践編。これもまたおもしろかった。こちらは明日。