夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『COLD WAR あの歌、2つの心』

2019年08月06日 | 映画(か行)
『COLD WAR あの歌、2つの心』(原題:Zimna Wojna)
監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
出演:ヨアンナ・クーリク,トマシュ・コット,アガタ・クレシャ,ボリス・シィツ,
   ジャンヌ・バリバール,セドリック・カーン,アダム・ヴォロノヴィチ他
 
天神祭の日、船渡御の船に乗せていただけることになったので、
ダンナに「その日は絶対出張入れんといてや」と念押しして有休を取りました。
 
ふたりとも有休を取ったというものの、朝から一緒に出かけるつもりはなかったので、
私は乗船時間までに映画を3本くらい観る気でいたら、
珍しくダンナが「天神祭までどうする?」と尋ねてくる。
ダンナは車の免許更新手続き後にすぐ出かけてもよいと言うから、
ほなら私も映画1本だけにして梅田で待ち合わせ。
ここ昼呑み(酒を呑むのは私だけ)してから天神橋へ向かいました。
 
で、その前に観たのがこのポーランド/イギリス/フランス作品。
パヴェウ・パヴリコフスキ監督が、自身の両親をモチーフにして撮り上げたそうです。
 
1949年、共産主義政権下のポーランド
ピアニストのヴィクトルは音楽舞踊団を結成し、メンバーのオーディションをおこなう。
歌手志望のズーラの声に惹かれるが、彼女には自分の父親を殺したという噂。
自由奔放でトラブルメーカーのイメージがある彼女に興味を持つうち、恋に落ちる。
 
しかしヴィクトルはじきに当局の監視を受けるようになり、亡命を決意。
ズーラを一緒に連れだそうとするが、待ち合わせ場所にズーラは来なかった。
 
離ればなれになってから数年が経ち、パリで暮らすヴィクトル。
かつて自分が立ち上げた舞踊団がパリへやってくると知り、嬉しくてたまらない。
いまやズーラは花形スターで……。
 
冷戦によって引き裂かれる男女を淡々とモノクロで描きます。
モノクロなのにふたりの赤々と燃え上がる想いが伝わってくるかのよう。
 
ヴィクトルは単純に音楽が好きで、みんなで楽しく歌い踊り、
客にもそれを楽しんでもらいたいのに、何もかもが政治に利用される。
音楽団の様子は『芳華 Youth』とかぶります。
 
悲恋はこの選択でしか成就しない。

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