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『アルキメデスの大戦』

2019年08月18日 | 映画(あ行)
『アルキメデスの大戦』
監督:山崎貴
出演:菅田将暉,舘ひろし,柄本佑,浜辺美波,笑福亭鶴瓶,小林克也,
   奥野瑛太,小日向文世,國村隼,橋爪功,田中泯,角替和枝他
 
夏風邪をひいて丸々1カ月経つというのにまだ完治せず。
それでも前日はシネ・リーブル梅田で3本観て平気だったし、
ムビチケを買ったまま観られずにいる2本をこの日観ることに。
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
同じ監督の作品が2本同時期に公開されているって、どんな多作。
『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』のほうは酷評されているようですが、
とにもかくにも話題になるというのはすごいこと。
こちらは評判いいようで、なんだかんだで売れてます、山崎貴監督。
 
原作は三田紀房の同名人気コミック。
2015年から『ヤングマガジン』で連載が開始され、今も継続中。
私はどうも戦艦自体にあまり興味が湧かなくて、うーむ。
 
1933(昭和8)年、欧米との対立を深め、世界で孤立しているというのに、
日露戦争での勝利を忘れられない日本は、独自の軍拡路線を進める。
海軍省は秘密裏に世界最大の戦艦の建造を計画。
 
一方、海軍少将・山本五十六(舘ひろし)は、今後の海戦は航空機が主流になると予測。
そんな大きな戦艦を建造するよりも、航空母艦を建造すべきと主張し、
造船少将・藤岡喜男(山崎一)が設計した空母案を提出する。
 
それに対し、造船中将・平山忠道(田中泯)が提出した戦艦案は、
巨大であるにもかかわらず、空母案よりも遥かに安い建造費であり、
山本はこれが虚偽の見積もりではないかとの疑念を抱く。
 
どちらの案を採用するかの決定会議が開かれるのは2週間後。
軍規であるからと戦艦の設計図等書類はいっさい見せてもらえない。
平山の見積もりの虚偽を証明するにはどうすればいいか。
 
ちょうど料亭でその相談を海軍大将・永野修身(國村隼)とおこなっていた山本は、
別室で芸者をはべらして巻尺を持ち出している青年・櫂直(菅田将暉)と出会う。
 
聞くところによれば、櫂は先日まで帝大の数学科に在籍していた天才数学者で、
尾崎造船の令嬢・鏡子(浜辺美波)の家庭教師も務めていたが、
海軍少将・嶋田繁太郎(橋爪功)の前で軍需産業を批判、
そのうえ鏡子とも密通していると噂を立てられ、帝大を辞めさせられたという。
 
山本は櫂に協力を求めるが、櫂は軍人は大嫌いだお断りするとバッサリ。
それでもあきらめきれない山本は、このままでは戦争が始まると櫂に言う。
 
アメリカへ留学するために乗船する直前、意志を翻した櫂は、
海軍少佐という立場で職に就き、2週間で平山の見積もりの虚偽を暴くことに。
櫂の世話を言いつけられた海軍少尉・田中正二郎(柄本佑)は、
櫂の軍人を軍人と思わない振る舞いに呆れ怒りイラつくのだが……。
 
文系アタマの私に数字のことはまったくわかりませんが、
数学で虚偽を暴いていくのはとても面白い。
ただ、なんだかんだで戦争のために数学が使われ、
戦争を止めることはできずに、どっちにしても戦争になる。
その構図がやっぱり納得できなくて、こういう作品を観たあとは空虚な気持ちに。
 
『空母いぶき』よりは戦争美化の雰囲気は少なかったから、
エンターテインメントとしてこういうのはありなんだろうと思います。
でも好きかどうか尋ねられたら、それほど好きじゃない。
みんな戦争好きでしょ、戦わずにいられないでしょと言われているようです。

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