夜な夜なシネマ

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『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』

2020年12月23日 | 映画(さ行)
『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』(原題:過春天)
監督:バイ・シュエ
出演:ホアン・ヤオ,スン・ヤン,カーマン・トン,ホアン・ヤオ,
   ニー・ホンジエ,リウ・カイチー,エレーナ・コン,チアオ・カン他
 
貯めた鑑賞ポイントの使用期限が半年延長になったから、
別に必死のぱっちで劇場通いしなくてもいいのですけれど、
なんとなく終業後に2本観に行くのが常になってしまいました。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
実はこの前日だった日曜日、TOHOシネマズ梅田で観ようとしたら、
ポイント鑑賞者の席数上限に達したので不可の文字。
ぎょえ~、こんなところでつまずくとは予期せず。
観たい人が多いというよりは、使用期限が延長されたことを知らずに
私のようにとにかくポイントを使わなきゃと思った人が多かったのでしょう。
平日の西宮でも観られなかったらどうしようと思ったけど、大丈夫でした。
 
2018年の中国作品。
監督はこれが長編デビュー作となるバイ・シュエ。
男性だとばかり思っていたら女性でした。
女子高生が主人公だし、そういうと女性っぽさもなくはないけれど、
骨太さも感じられて私には意外。えらく面白い。私は好き。
 
香港の新界と接する中国・深圳(しんせん)に暮らす、16歳のペイは、
毎日出入境管理所を通って香港の高校へとかよっている。
同級生で親友のジョーとクリスマスに日本を旅行する約束をしていて、
そのための旅費を稼ごうと割の良いバイトを探し中。
 
学校をさぼって船上パーティーに参加したペイとジョー。
ジョーはそこで知り合ったハオとベタベタ。
カナヅチのくせして海に飛び込んだペイはハオに助けられ、
ハオに好意を抱くものの、ジョーの手前、気持ちは見せられない。
 
そんなある日、ペイはひょんなことからスマホの密輸グループの存在を知る。
最新型のスマホは大陸中国では高くて手に入らず、
価格の安い香港からスマホを大量に密輸して売りさばいているのだ。
ハオもそのメンバーの一員だと知ったペイは、
自分にも運び屋をさせてほしいと頼むのだが……。
 
最初の最初はどういうことかよくわかりませんでした。
だって、国をまたいで通学することがあるなんて知らなかったから。
その時点ですでに衝撃的です。
 
制服を着た女子高生がまさか運び屋だなんて思わない。
ペイが何も疑われずに行き来するのを見て、
密輸団のほかの若い男子メンバーたちも制服を着るのが可笑しい。
 
金儲けができるようになると、誰しもがもっと稼ぎたいと思う。
密輸団の女ボスの目を欺いて直接やりとりしようとするハオ。
好意を寄せるハオから頼まれると断れず、手伝うペイ。
捕まるに決まってるやん!
 
瑞々しくて、痛々しい。
青春というには半端じゃない悪事に手を出しすぎだけど、
切ない想いは誰であろうが青春まっさかりなら同じように抱く。
 
今後もこの監督には注目します。

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