夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈や行〉

2020年12月30日 | 映画(や行)
《や》
『やっぱり契約破棄していいですか!?』(原題:Dead in a Week: Or Your Money Back)
2018年のイギリス作品。
作家志望の青年ウィリアムは、芽が出ぬ自分に嫌気が差し、
7回も自殺を試みたのに毎回失敗。
首を吊ろうとすれば紐が切れたり、河に飛び込めば遊覧船に拾われたり。
そんなとき、プロの殺し屋である老紳士レスリーと出会う。
1週間以内にレスリーに殺してもらえるように契約を結ぶが、
実はレスリーは暗殺組合をクビになる寸前。
あと1人殺せばノルマ達成だから、とにかくとっととウィリアムを殺したい。
そこへ、ウィリアムの小説を出版したいという女性編集者エリーが現れる。
死にたい気持ちが消え失せたウィリアムは、レスリーに契約破棄を申し出るのだが……。
巻き添えを食らって死ぬ人もバンバン出てくるブラックコメディ。
殺し屋役のトム・ウィルキンソンが可笑しい。
夫の職業をちゃんと知っている妻ペニー役のマリオン・ベイリーも○。
主役クラスの3人はもちろん死なないハッピーエンドなのでご安心を。

《ゆ》
『赦しのちから』(原題:Overcomer)
2019年のアメリカ作品。
高校教諭ジョンは、バスケットボール部のコーチを務めている。
強豪校だというのに、住民の大半が勤務する大工場が閉鎖されたせいで、
多くの生徒が町で仕事を失った親と共に出て行ってしまう。
ジョンが新たに任されたのはクロスカントリー部のコーチ。
クロスカントリーには何に興味もないうえに、入部希望者はたったひとり。
それは祖母と暮らす喘息持ちで盗み癖まである女子生徒ハンナで……。
『祈りのちから』(2015)のアレックス・ケンドリック監督自らジョンを演じています。
バリバリの宗教映画で、その手の作品に慣れていない日本人は呆気にとられる。
「君は何者か」と聞かれたら、教師だとかバスケ部のコーチだとか、
夫であり父親であるとかではなく、クリスチャンだと答えるのが正解らしい。
私は神の子ですなんて言えない。

《よ》
『よこがお』
2019年の日本作品。
訪問看護師の白石市子(筒井真理子)はその仕事ぶりを高く評価され、人望も厚い。
訪問先の大石家の娘・基子(市川実日子)は市子に憧れて介護福祉士を目指し、
そんな基子に頼られて市子はしばしば勉強を見てやっている。
ある日、基子の妹・サキ(小川未祐)が行方不明になる事件が起き、
無事に保護されたものの、連れ去り犯は市子の甥・鈴木辰男(須藤蓮)だと判明。
聖母のような市子こそが辰男の人格を歪めたとの記事が週刊誌に載って、
市子はマスコミにつけ回された挙げ句、あることないこと書かれる。
さらには市子を慕う基子が、市子につれなくされた腹いせにマスコミを煽ったものだから、
市子は職場での信頼をも失ってしまい、人生はずたぼろに。
ほとぼりが冷めた頃、基子への復讐を心に誓う市子が、
基子の恋人で美容師の米田和道(池松壮亮)に近づくのだが……。
筒井真理子が脱いでいるということで、劇場公開時はオッサン客が多めだったと聞きました。
それ目当てで観に行ったら、えっ、こんなもん!?だったでしょう(笑)。
鬱々とした気分にさせられる、なんとも救いのない作品です。
深田晃司監督は筒井真理子がお気に入りのようで。確かに良い女優さん。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年観た映画50音順〈ま行〉

2020年12月30日 | 映画(ま行)
《ま》
『マザーレス・ブルックリン』(原題:Motherless Brooklyn)
2019年のアメリカ作品。
原作はジョナサン・レセムの同名ハードボイルド小説。
監督・脚本・製作・主演を務めるのはエドワード・ノートン
1957年のニューヨーク。
孤児院で育ったライオネルは、探偵事務所を経営するフランクに拾われ、
同様にフランクに拾われた孤児院育ちの3人の男と共に探偵として働いている。
ある日、フランクが何者かに殺されてしまう。
フランクはいったい何を掴んでいたのか。ライオネルは事件の解明に乗り出すのだが……。
ライオネルはチックの一種であるトゥレット症候群の患者なのですが、
人並み外れた記憶力の持ち主でもあります。
それをフルに活かして大がかりな陰謀を暴くべく奮闘する姿がめちゃめちゃ面白かった。
フランク役のブルース・ウィリス、いい人
黒幕のモーゼス役のアレック・ボールドウィン、超わるい人(笑)。
ウィレム・デフォーも出演していて、キャストも最高。渋い。

《み》
『見栄を張る』
2016年の日本作品。
大阪を拠点に、映画のリテラシーの活性化を目的に2004年よりスタートした組織、
シネアスト・オーガニゼーション大阪、通称“CO2”。
そのCO2の第12回助成作品が本作で、藤村明世監督の長編デビュー作。
絵梨子(久保陽香)は28歳の売れない女優。代表作といえばビールのCMの脇役のみ。
東京のカフェでバイトしながら、これまた売れない芸人と同棲中。
ある日、和歌山の実家で暮らすシングルマザーの姉が急逝したとの連絡があり、帰郷する。
しっかり者の姉とちがって、これまで実家に寄りつきもせず、
頼りないわりには女優としてのプライドが高い絵梨子に対して叔母たちは辛辣。
とりあえず、ひとり遺された姉の息子・和馬(岡田篤哉)をしばらく託される。
姉の仕事を知りもしなかった絵梨子は、姉の雇い主・花恵(似鳥美貴)から、
彼女の仕事が他人の葬儀で泣く人を演じる“泣き屋”だったと教えられ……。
泣く演技なんて簡単と豪語しても、実際は涙すら流せない絵梨子が次第に変わってゆく。
和馬と手をつないで歩く後ろ姿にじわ~ん。意外に心に沁みた1本でした。
序盤の舞台は東京だけど、絵梨子がバイトするカフェは中崎町の“太陽の塔”です。

《む》
『無垢なる証人』(英題:Innocent Witness)
2019年の韓国作品。
人権派弁護士のスノは、ある大手弁護士事務所からパートナーになる話を打診され、
まずはその弁護士事務所のイメージアップのために一役買ってほしいと言われる。
国選弁護人を務めることになったのは、富裕な老人が死亡した事件。
当初は自殺と思われたが、向かいの家に暮らす少女ジウの証言から、
老人の家の家政婦が容疑者として捕らえられる。
ジウは自閉症であることから、彼女の証言に信憑性があるかどうかが焦点となり……。
スノは被告人の弁護士ですから、ジウの証言を無効にしたい立場。
それでも一応話を聴くべしとジウに面会を求めます。
最初はスノを遠ざけていたジウがスノを次第に信頼するようになる。
彼女はいわゆるサヴァン症候群で、一度見たもの聴いたものを正確に再現する能力を持っています。
弁護士になりたいけれど自閉症だからなれない。でも証人にはなりたい。
ラストシーンには泣きました。

《め》
『メアリーの総て』(原題:Mary Shelley)
2017年のアイルランド/ルクセンブルク/アメリカ作品。
19世紀初頭、18歳のときに『フランケンシュタイン』を生み出した女性小説家、
メアリー・シェリーの波乱に満ちた人生を描いています。
著名な小説家の娘メアリーは、自身も小説家になることを夢見ている。
父親の再婚相手と折り合いが悪かったため、
見かねた父親はメアリーを友人の家に預けることに。
そこでメアリーが出会ったのは、異端の天才詩人と噂されるパーシー・ビッシュで……。
『ボ・ラプ』のベン・ハーディが出演しているというのでそれ見たさに。
でもやっぱりロジャー役の彼のほうがよかった。

《も》
『燃えよ!失敗女子』
2019年の日本作品。
2018年10月に“チームしゃちほこ”から改名したガールズ・ユニット“TEAM SHACHI”のメンバー、
秋本帆華、坂本遥奈、大黒柚姫、咲良菜緒の4人が主演。
女優、ミュージシャン、漫画家、ダンサーを目指す4人は、
それぞれに夢に向かって頑張るのだが……。
てっきりドキュメンタリーだと思って観はじめました。
やたらわざとらしくて演技しすぎやろとゲンナリしていたら、
それ自体が演技で、ドキュメンタリーじゃなかった(笑)。
ちょっと『カメラを止めるな!』(2018)みたいな構成なのですけれど、
そもそも“TEAM SHACHI”を知らない私にとってはこのテンションがキツイ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする