夜な夜なシネマ

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『死を告げる女』

2023年01月03日 | 映画(さ行)
『死を告げる女』(英題:The Anchor)
監督:チョン・ジヨン
出演:チョン・ウヒ,シン・ハギュン,イ・ヘヨン,チャ・レヒョン,
   パク・チヒョン,ナム・ムンチョル,パク・セヒョン他

シネマート心斎橋で3本ハシゴの2本目。
 
もともと3本観る計画を立てていて、1本目と3本目は狙っていた作品でした。
2本目に何を観るか迷い、時間的にちょうどよいイタリア作品に決めかけたら、
公開されたばかりのこの韓国作品が目に入る。
ちょっと怖そうだなと思ったけれど、サスペンススリラーなら好きなジャンル。
サスペンススリラーだと思って観に行ったら即帰りたくなるホラーだったこともシネマートであったなぁなどと思いながら。
 
チョン・ジヨン監督はこれが長編デビュー作だそうで。この先が楽しみな監督が増えました。
 
ニュース番組が始まる直前にミソと名乗る見知らぬ女性からセラを指名する電話がかかり、
「あの人がもうすぐ来る。私は殺される。私が殺されたらあなたが報道してくれますよね」と言われる。
相手はかねてからセラに憧れていたとも言ったため、これはファンによる悪質ないたずらだとみなす。
 
電話を切って当日の放送を終え帰宅したセラだったが、その話を母親のソジョンにしたところ、
これはスクープの絶好のチャンスだから電話をかけてきたミソの家に行ってみるべきだと言う。
その通りにしたところ、ミソの幼い娘が風呂場で溺死し、ミソ自身は首を吊って自殺していた。
 
第一発見者となったセラは一躍、時の人に。
「幼い娘を殺して自殺した母親」というテーマでセラがコーナーを担当することに。
アナウンサーとしてばかりではなく記者としても名をあげるセラ。
 
ある日、取材のためにミソの自宅を訪ねると、ミソの主治医だったという精神科医イノと鉢合わせ。
イノの患者の中には過去にも自殺した女性がいると知り、
セラはイノが催眠療法によってミソを自殺に追い込んだのではと考えるのだが……。
 
セラの母親ソジョン役はイ・ヘヨン
『ハッピーニューイヤー』(2021)で初恋相手とよりを戻そうという彼女はどこへやら。
娘を支配する恐るべき母親を演じています。
 
夫がいるにもかかわらず、母親から言われるままに離婚しようとするセラ。
セラが出演する番組をつぶさにチェックして毎晩ダメ出しするソジョンの怖いこと。
この母子の関係はどこかおかしいと思いつつも、真相はわからないまま終盤へ。
 
すべてがわかったときは驚愕しました。
イノ役のシン・ハギュンがあまりにも怪しすぎるせいで、彼は逆に犯人ではないだろうと推測できますが、
こういう展開だったとは。
 
こんなふうに親の影におののき支配されている人は世の中に意外と多いのかもしれません。
解き放たれるためにはどうしたらいいんでしょうね。
 
ラストは救いがあります。

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