夜な夜なシネマ

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『そして僕は途方に暮れる』

2023年01月27日 | 映画(さ行)
『そして僕は途方に暮れる』
監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔,前田敦子,中尾明慶,毎熊克哉,野村周平,香里奈,原田美枝子,豊川悦司他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『ひみつのなっちゃん。』の後に。
 
やっぱり言わずにはいられない、ハマの番長と同姓同名の監督、三浦大輔
原作は、劇作家でもある三浦監督自身のヒット舞台。
舞台版と同じく藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)を主演に起用して映画化。
 
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は鈴木里美(前田敦子)と5年間同棲中。
毎日真面目に出勤する里美を横目に自堕落な生活を続けていたある日、浮気がバレる。
里美は話し合いたいと言っているのに、すかさず逃げ出す裕一。
 
頼った先は、同郷北海道出身の親友・今井伸二(中尾明慶)。
快く迎え入れてくれた伸二だったが、転がり込んできた分際で態度がデカすぎる裕一にイラッ。
ついに我慢できずに裕一を非難すると、またしても裕一はすぐに逃げ出す。
 
次に訪ねたのはバイト先の先輩・田村修(毎熊克哉)。
里美に言われたことを参考に家事一般を引き受けたところ、修は大喜び。
しかし酔っぱらった修と一悶着あって怒鳴りつけられた裕一はまたまた飛び出す。
 
次は誰に泊めてもらおうか。
学生時代の後輩・加藤勇(野村周平)を面白い話があると言って呼びつける。
映画の助監督を務める勇は、裕一の話を映画のネタになると受け止める。
喜んで聴いてはくれたものの、裕一が「次はおまえの家に泊めてくれ」と言おうとした矢先に
「次はどうするんですか」と勇から勢い込んで言われ、言い出せなくなってしまう。
 
恋人、友人、先輩、後輩と渡り歩いて頼る人がいなくなった裕一は、
ついに今まで避けていた姉・菅原香(香里奈)に連絡をするのだが……。
 
初めの頃の裕一はとんでもないクズ。
里美といるときも伸二の家に転がり込んだときも、自分は居候の身でゴロゴロしているだけなのに、
「トイレの電球切れてたよ。買って付け替えといて」とか「出かけるとき、音を立てないでくれるかな、
俺、起きちゃうから」とか、「俺の布団敷いといて」とか。アホぼけカス。
 
まったく好きになれなかった彼が逃げ出すたびに、少しずつ可哀想になってきます。
彼の振る舞いは何も考えていないゆえのことで、マウント取ったり嫌がらせをしたりしているのではない。
それが人にどんな思いをさせているのか、まったくわかっていません。
指摘されれば悪いことだったのだと気づく。変わろうと思うけど変われない人。
 
郷里の母親(原田美枝子)はリウマチを患っているというのに父親(豊川悦司)に捨てられ、
その父親もこの親にしてこの子、逆もまた然りというようなクズ。
でもなんというのか、憎めないんですよねぇ、トヨエツ演じるクズ男は。
 
大晦日、団らんとも言えない団らんの様子にちょっぴりホロリ。いいよトヨエツ。
ホロリときたところでそのオチって。
アンマリだと思ったけれど、「面白くなってきたじゃねえか」。そう感じられたら前に進めるかも。

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