夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『離ればなれになっても』

2023年01月12日 | 映画(は行)
『離ればなれになっても』(原題:Gli Anni Piu Belli)
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ,ミカエラ・ラマッツォッティ,キム・ロッシ・スチュアート,
   クラウディオ・サンタマリア,ニコレッタ・ロマノフ,エンマ・マローネ,アルマ・ノーチェ他
 
2022年最後に観たのは本作でした。
大晦日、六甲へおせちを取りに行ったあと、その足でTOHOシネマズ西宮へ。
 
イタリア作品。本国で大ヒットを飛ばしたそうです。
監督は『幸せのちから』(2006)、『7つの贈り物』(2008)、『スマイル、アゲイン』(2015)など、
ハリウッド作品も多く撮っているガブリエレ・ムッチーノ。さて、如何に。
 
1982年のローマ
16歳のジュリオとパオロは、暴動に巻き込まれて負傷したリッカルドを助ける。
それが縁で3人は大の親友同士に。
 
あるとき、パオロは同じ学校に通うジェンマに恋をする。
以来、3人+ジェンマで過ごす日が続いていたが、
母親を亡くしたジェンマは叔母に連れられてナポリに引っ越し。
お互いを想い合いながらも離ればなれになったふたり。
 
ジェンマは尻軽女と見られようとも平気。
心の奥底ではパオロとの再会を心待ちにしながら男関係の派手な日々を送っていたが、
恋人と一緒にナポリからローマに遊びに来た日、偶然にもパオロと再会。
すぐさま恋人と別れてパオロのもとへと駆けつける。
 
しかし、いつまで経っても臨時教員の身のままのパオロ。
窮屈な暮らしに嫌気が差しはじめたジェンマは、弁護士として活躍中のジュリオに乗り換え……。
 
めちゃくちゃ嫌でした。
これが大ヒットする国って何やねんイタリア、とすら思いました。
 
とにかくやかましいんです。登場人物みんなよく喋るし、声デカいし。
全員がそれぞれ観客に向けた目線で喋るシーンも鬱陶しい。
 
しかも誰にも共感できないし、見た目も好きになれない。
少女時代のジェンマはキュートだったけど、大人になってからは口元に品がない。
ベアトリス・ダルみたいな感じかなぁ。
パオロが稼げない男だとわかると、あからさまにジュリオに色目を使う。
ジュリオはジュリオで、親友の彼女なのにすぐにそれに乗っちゃって。
 
んじゃジュリオとジェンマは末長くかと思いきやそうじゃない。
教養のないジェンマとの会話がつまらなくなったジュリオは、
弁護士事務所の会長の娘マルゲリータといい仲になります。
これまた仲睦まじくというわけではなくて、マルゲリータのほうが浮気しまくり(笑)。
 
リッカルドは売れないライターで、芝居女優と結婚するけど、やはり稼げず。
嫁の実家に生活費を頼り、離婚をつきつけられたときの情けなさといったら。
息子の親権だけは譲らないと怒鳴るけれど、息子が2日前から家にいないことすら気づいていない。
それでよう「息子は渡さない」なんて言うものです。
 
パオロだけはちょっと気の毒でしたが、最終的にジェンマとよりを戻すとかやめてよと思っていました。
こんな女のどこがええのかわからんし。
 
ところが。
ほんとに最後は元サヤに収まるんです。
収まるんですけど、なんかこれが実に良い感じで。
あの私の途中退場したいほどの憤りは何だったのか。
こんなふうに〆られたら、本国で大ヒットも納得か。
 
終わりよければすべてよしの劇場鑑賞300本目だったのでした。
 
さて、明日からは新年に観た作品です。

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