夜な夜なシネマ

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『ヒトラーのための虐殺会議』

2023年01月29日 | 映画(は行)
『ヒトラーのための虐殺会議』(原題:Die Wannseekonferenz)
監督:マッティ・ゲショネック
出演:フィリップ・ホフマイヤー,ヨハネス・アルマイヤー,マキシミリアン・ブリュックナー,マティアス・ブントシュー,
   ファビアン・ブッシュ,ヤーコプ・ディール,リリー・フィヒトナー,ゴーデハート・ギーズ,ペーター・ヨルダン,
   アルント・クラヴィッター,フレデリック・リンケマン,トーマス・ロイブル,ザシャ・ナータン,
   マルクス・シュラインツァー,フレデリック・シュミット,ジーモン・シュヴァルツ,ラファエル・シュタホヴィアク他
 
体力の衰えを感じつつ、スタートダッシュをかけるべく新年も観まくるつもりでした。
ところが、仕事帰りに寄りやすい箕面、エキスポシティ、茨木ではもう観るものがない。
前週は水~土曜日まで1本も観なかったので、この週は月曜日から遠出。
なんばパークスシネマへと向かいました。パークス駐車場は平日の最大料金1,000円というのがありがたい。
 
キャストの誰を省いたらいいのかわからないので(笑)、全員挙げてみました。
1942年1月20日にドイツ・ヴァン湖畔で開かれたヴァンゼー会議の様子を描いています。
ヴァンゼー湖という湖なのかと思ったら、ドイツ語で「湖」は「ゼー」というのですね。
ベルリンの高級住宅地、ヴァン湖畔にあるナチスドイツが所有する邸宅で開かれたのがヴァンゼー会議。
まったく、どういう思考でこんなことになるのか仰天するのみ。
 
議長は国家保安本部(ゲシュタポ)長官ラインハルト・ハイドリヒ。
「ユダヤ人問題」の「最終的解決」について議論するために招集されたのは、
ハインリヒ・ミュラー、アドルフ・アイヒマンなど、本部に所属する親衛隊や、
ポーランドやラトビアにいる親衛隊の面々と、各省のお役人たち。
 
「ユダヤ人問題」っていったい何なのよ。聞いた瞬間に不快感が募る。
こんな問題のために高官たちが首を揃えて話し合うって、何かもう前提が変。
ユダヤ人がこんなことしましたあんなことしましたという話ではなくて、
ユダヤ人をとにかく絶滅させましょうという話。
「最終的解決」なんて言葉を使って直接的表現を避けているけれど、つまりは殺す。
銃殺には時間がかかるからもっと手っ取り早く大人数を殺す方法はないか、そういうことです。
 
ハイドリヒに楯突いてみせるお役人もいますが、虐殺に反対しているわけではありません。
自分を無視して話を進められるのが気にくわないだけ。
殺すのは時間がかかるし、騒動も起きるかもしれないから、断種のほうがいいとか。
女子供まで殺めるのはどうなんだという意見も出ますが、
どっちみち男親は殺すんだから、親がいなくなった子供を生かしておくほうが可哀想とか。
 
無茶苦茶な討議をしているのに、殺戮前提の話については誰も変だと思っていない。
「2分の1ユダヤ人や4分の1ユダヤ人をどうするか」なんて話を真顔でされたら唖然とするしかありません。
少しでも多くのユダヤ人を殺した親衛隊が褒められてドヤ顔をする。
 
会議に出席していた皆さん、80年が経過した今、どうですか。
何百万人というユダヤ人を殺したけれど、殺し損ねたユダヤ人がいることを後悔しているんですか。
どう思っていますか。

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