夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『レイルロード・タイガー』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の4本目@伊丹)

2017年06月25日 | 映画(ら行)
『レイルロード・タイガー』(原題:鉄道飛虎)
監督:ディン・シェン
出演:ジャッキー・チェン,ファン・ズータオ,ワン・カイ,池内博之,
   ジェイシー・チェン,ワン・ダールー,サン・ピン,アラン・ン他

月曜日の仕事帰り、TOHOシネマズ伊丹にて、
前述の『キング・アーサー』に続いて。

ジャッキー・チェン主演のわりに宣伝を見ないなぁと思っていました。
観て納得。そりゃ宣伝できんわ。

1941(昭和16)年、日本占領下の中国
鉄道で働くマー・ユエンは、信頼のおける仲間とともに、
“レイルロード・タイガース”というレジスタンス組織を結成。
勤務時間中に手を変え品を変え、日本軍に密かな抵抗を続けている。

ある日、負傷した中国軍兵士ダーグオが、助けを求めてマーたちが集う家へと転がり込む。
彼は日本軍の物資輸送を阻止するため、橋の爆破作戦に参加しているらしい。
日本軍の指揮官・山口がダーグオを探しにくるが、マーたちはなんとか匿うことに成功。

ダーグオによれば、作戦に参加していたメンバーはみんな死亡。
どうしても自分が橋を爆破するのだと言い張る。
傷も癒えないまま出て行くダーグオを途中まで見送るマー。
ところが日本軍に見つかりそうになり、
ダーグオはマーに中国軍への伝言を頼むと、日本軍の前へと飛び出して行く。

きっとダーグオは死んでしまったことだろう。
亡き彼に代わり、自分たちが橋を爆破しなければ。
そう考えたマーたちは、作戦を立て始めるのだが……。

どう捉えればいいのかわかりません。
ジャッキー・チェンからは日本を憎む態度は窺えないけれど、
笑うに笑えないコメディです。

池内博之がかなりサイコな指揮官を演じています。
どれだけ弾丸を喰らおうとも死なない。
まだ生きとったんかいなと笑えるシーンのはずなのですけれど。
終盤、お尻を撃たれて悲鳴を上げるさまは
竹中直人を連想させるものでもありますが、笑えん。
これを本当に竹中直人が演じていたならば、またちがって見えたかも。

日本軍の女性上官役には中国人女優のチャン・ランシン。
これがまたヒドイ日本語で、ナメてるのかと言いたくなります。
彼女と池内博之のやりとりなど聞くに堪えないほど。

ネタバレになりますけれども、結局橋を爆破して全員死にます。
つまりは自爆テロの話なのですよね。
そこに至るまでにもずいぶん残虐なシーンが多い。
実際こうだったんだからと言われたらそれまでですが、
自爆テロで〆られて、その後にお決まりのNGシーン集を流されても。

収穫といえば、マーの仲間役の俳優ワン・カイを知ったことぐらい。
この人はカッコイイです。でもそれだけなんだもん。
ガックリのジャッキー・チェンなのでした。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『キング・アーサー』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の3本目@伊丹)

2017年06月24日 | 映画(か行)
『キング・アーサー』(原題:King Arthur: Legend of the Sword)
監督:ガイ・リッチー
出演:チャーリー・ハナム,ジュード・ロウ,アストリッド・ベルジュ=フリスベ,
   ジャイモン・フンスー,エイダン・ギレン,エリック・バナ他

ダンナ海外出張につき、ワタシ映画三昧。
週初めから遠出するのはツライから、月曜日はTOHOシネマズ伊丹へ。

マドンナの夫だったことがもはや懐かしいガイ・リッチー監督。
離婚してから10年近く経ち、現在の奥様はモデルさんなのだとか。へ~っ。

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)を撮った監督が
20年後にこんな映画に手を出すなんて誰が想像したでしょう。
お金のかかっていそうな超大作のわりに宣伝も少なく、観ても地味。
ラブシーンのひとつもない、男臭い作品なのです。

キャメロット王国の王ユーサーの息子として生を受けたアーサー。
王座を狙うユーサーの弟ヴォーティガンは、
海の魔物と取り引きして魔力を得ると、ユーサーに襲いかかる。
妻子もろとも命を奪われかけたところ、
ユーサーはまだ幼いアーサーをかろうじて小舟で逃がす。

小舟が辿り着いたのは、スラム街ロンディニウム。
娼婦たちがアーサーを拾い上げ、育ててくれる。
スラムの住人たちから生きるすべを叩き込まれたアーサーは、
仲間にも恵まれ、周囲を大事にする立派なゴロツキに。

ある日、城の近くで岩に刺さった聖剣エクスカリバーが発見される。
「ユーサーの亡き後キャメロットを牛耳る暴君ヴォーティガンは偽の王で、
真の王はほかにいる、その真の王のみがエクスカリバーを抜ける」との噂。

いらだつヴォーティガンは、国中の男たちを徴集し、
エクスカリバーを抜けるかどうか試させることに。
抜くことができた者こそが、かつて取り逃がしたアーサー。
見つけ出して殺してやると息巻く。

大の男どもがどれだけ力を込めようとも抜けないエクスカリバー。
当然、アーサーがそれをやってのけるが、
エクスカリバーを両手で握った瞬間、頭の中を悪夢がよぎって気絶。
投獄されたのち公開処刑されることに。
そんなアーサーを救出したのがメイジ(=魔術師)と反乱軍で……。

たぶん、「なんで今さらキング・アーサー」的な、
世の中ではイマイチな評価だろう思うのです。
だけど私は意外に面白かった。期待していなかったがゆえか。(^^;

主演のチャーリー・ハナムはそこそこのイケメン。
が、“スター・ウォーズ”のアナキン・スカイウォーカー役の最終オーディションに残りながら
結局その役を手にすることができなかったのがわかるように、華がない。
それがなんだか気の毒でもあり、私は応援したい。

他のキャストも国際色豊か。
メイジ役のアストリッド・ベルジュ=フリスベはスペイン系フランス人。
反乱軍のメンバーにはベナン出身のジャイモン・フンスー
アイルランド出身のエイダン・ギレン
キャメロン王国の領主のひとりにスウェーデン出身のミカエル・パーシュブラント
ユーサー役のエリック・バナはずっとアメリカ人だと思っていたらオーストラリア人でした。
ヴォーティガンにはジュード・ロウ。邪悪な役も似合いすぎてワラける。

驚いたのはこれが俳優デビュー作となるデヴィッド・ベッカム
美しい顔に醜いメイクを施していて、一瞬誰だかわからず。
アーサーがエクスカリバーを引き抜くそばで雑談する兵士役です。
今後どんな作品に出演するつもりなのでしょう。ま、どうでもええか。(^^;

キャストが地味すぎて日本でもヒットしないでしょうけれど、
大コケしそうな超大作、いかがですか。
会話も楽しかったので、私は決して憎めません。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の2本目@なんば)

2017年06月23日 | 映画(ま行)
『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』
監督:吉田りさこ
声の出演:中村悠一,早見沙織,内山夕実,寺島拓篤,佐藤聡美,
     田丸篤志,雨宮天,巽悠衣子,花澤香菜,井上麻里奈他

前述の『ゴールド 金塊の行方』とハシゴ。

フリーパスがなかったら絶対に観ていない作品。
なんだかものすごい人気のようで、初回から混みまくり。
オンライン予約不可のフリーパスだから、
もしも満席だったら何かほかの映画を観るつもりでしたが、
前方の端っこがかろうじて空いていました。
何この男子率の高さ。さすがに爺ちゃんはおらんけど、見渡すかぎり男性。

人気TVアニメの劇場版とのこと。
舞台は魔法が技術として確立された世界。
登場人物がいっぱいいるので、ふだんは誰が主人公なのかもわからず。
タイトルの「劣等生」って誰のことなのかも定かではありませんでした。
「劣等生」とはどの人を指すのかがわかったときはなかなかの驚き。
えっ!?この人、めっちゃ優等生ちゃうん?

魔法科高校の生徒・達也とその妹・深雪。
初年度を修了して2年目を迎えようかという春休みを
同級生たちとともに小笠原諸島南盾島で満喫中。

そんな彼らの目の前に、九亜(ここあ)という少女が現れる。
彼女は海軍基地から脱走してきた調整体で、
同様の調整体である仲間が8人いるらしい。
九亜はまだ囚われたままの仲間を救出してほしいと言い……。

最初のほうは話についていけず、眠りこけそうになりました。
話がわかってくると結構おもしろい。

調整体とはどういうものかほとんどわかっちゃいませんが、
サイボーグのようなものなのか。
研究所の在り方に不信感を募らせた女性研究員が九亜を逃がすという設定は、
『LOGAN/ローガン』みたいだなぁと思いながら鑑賞。

達也と深雪とその友人たちは、それぞれ持つ魔法が異なるようです。
みんなの力で世界を守る。睡魔に襲われていたわりには最後は目が釘付け。

登場人物に男子は少なく、いわばハーレム状態。
周りの女子みんなの入浴シーンなどもあり、
乳首はないからエロくはないけれど、いわゆる「萌え」というやつか。
“艦これ”にも通ずるものを感じました。

次もあれば観に行くかと聞かれると、う~ん、個人的にはもうお腹いっぱい。
でもまた観に行ってたりして。(^^;

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ゴールド 金塊の行方』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の1本目@なんば)

2017年06月22日 | 映画(か行)
『ゴールド 金塊の行方』(原題:Gold)
監督:スティーヴン・ギャガン
出演:マシュー・マコノヒー,エドガー・ラミレス,ブライス・ダラス・ハワード,
   コリー・ストール,トビー・ケベル,ブルース・グリーンウッド他

たぶん通算6度目のTOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポート

だいたい1年に2度、フリーパスをつくれる程度のマイルが貯まります。
これだけ映画を観て本を読んでいると、家事を放棄していると思われそうですが、
ダンナが飲み会などで帰りが遅くなるのでないかぎり、
平日の晩に映画を観に行くことはありません。甲子園に行くことはあるけれど(笑)。

そんなわけで、フリーパスをつくったところでほとんど観られないともったいないし、
フリーパスをつくる時期は熟考が必要。
ウチの職場は盆休みなんてなく、全館停電で年に数回イレギュラーな休みがある程度。
もっとも、全館停電であっても個々の有休を使って休むのですから、
有休を使わずにまとまった休みがあるのは正月休みのみです。

だからここ数年は、いつも年末にフリーパスをつくるようにしていました。
冬休みは子ども仕様の映画が多く、ゆえに“仮面ライダー”まで観るはめに。
ま、何事も経験。フリーパスのおかげで知った世界もいっぱいあります。

5度目のフリーパスをつくったのも昨年の暮れでした。
その後7,500マイル貯まったのですが、今年も年末までつくるのは無理だろうと思っていました。
そうしたら、突然チャンス到来。ダンナが海外出張に。

言うても月曜日の朝に出て金曜日の晩に帰国するというだけ。
その間毎日映画を観に行けるわけでもないけれど、ふだんより自由に劇場通いできるのは確実。
で、出張前日の日曜日になんばまで行ってつくりました、フリーパス。

翌日からの鑑賞スケジュールもバッチリ立て、
まずフリーパス1本目に選んだのは、観逃しそうだった本作。
またまた前置きが長くなってしまってすみません。(^^;

1990年代に実際にあった170億ドルの詐欺事件、通称“Bre-X事件”が基。

1980年代のアメリカ。祖父の代から続く採掘会社ワショー社を継いだケニー・ウェルス。
しかし思うような業績を上げられず、株価も低迷。
長いつきあいの銀行や投資家からも見放され、倒産寸前に追い込まれる。

そんなケニーがある日、お告げのごとく夢を見る。
良いときも悪いときも彼を支え続けてくれている女性ケイに
今度駄目だったら廃業すると誓ってインドネシアへ向かう。

ケニーが面会を求めたのは、地質学者のマイケル・アコスタ。
マイケルは持論をもとに銅を掘り当てた過去があるが、もはや世間から忘れ去られている。
ケニーはマイケルの持論を信じ、ふたりで金を掘り当てようと説得する。

なんとか資金を集め、インドネシアのジャングルで現地人を雇って金脈探し。
マラリアに罹患したケニーはそれをも乗り越え、
その執念が実ったか、マイケルとともについに巨大な金脈を探し当てる。
そのニュースは瞬く間にウォール街を駆け巡り、ケニーは一躍有名人となるのだが……。

地味に面白いです。
困っているときには取り付く島もなかった人たちが、手のひらを返すかのよう。
ブライス・ダラス・ハワード演じる、一見アーパーギャルのケイだけが
ケニーのことも周囲のこともよくわかっていたのに、
金を持ってちやほやされているケニーは、ケイの忠告に耳を傾けません。
アホだなぁと思うわけですが、終わってみれば、あれ!?

『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)でゲソゲソに痩せたマシュー・マコノヒーは、
本作ではハゲているうえにものすごいメタボ腹。
あの腹ってまさか自前じゃないですよね?
見た目をもう少し格好良くしてくれたら、内容にも集中しやすかったのになぁ。

ハゲといえば、私の最近のお気に入りハゲはコリー・ストール
投資銀行の社員役で出演しているスキンヘッドです。
こういう役も、善人役も、知能犯役とか殺人鬼役もできそうな顔立ち。要注目。

真相が知りたい。
ホントのホントはどうだったの!?

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『昼顔』

2017年06月19日 | 映画(は行)
『昼顔』
監督:西谷弘
出演:上戸彩,斎藤工,伊藤歩,平山浩行,黒沢あすか,萩原みのり,
   志賀廣太郎,三浦誠己,渋川清彦,松居大悟,中村育二他

TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『22年目の告白 私が殺人犯です』とハシゴ。

説明するまでもなく、2014年のTVドラマ『昼顔 平日午後3時の恋人たち』の続編。
で、そのドラマを私は未見で、噂に聞いていた程度。
上戸彩斎藤工の不倫話とさえわかっていれば大丈夫だろうと思っていました。
はい、余裕でついていけます。大丈夫。
TV版では演出を担当していた西谷弘がメガホンを取っています。

ダブル不倫していた紗和(上戸彩)と裕一郎(斎藤工)。
それがバレて仲を精算させられることとなり、
二度と会わない、電話も手紙も禁止、お互いの連絡先を知らせないことで合意書を作成。

あれから3年。
紗和は夫と離婚して、縁もゆかりもない町にひとりで引っ越してきた。
職を求めて海辺の食堂を訪ね、とりあえず試用ということで採用される。
オーナーの杉崎尚人(平山浩行)は、おそらくワケありの紗和に興味津々。

夏間近でにぎわう海辺での仕事から帰り、
郵便受けに差し込まれていたチラシにふと目が留まる。
ホタルについての講演の案内。講演者は裕一郎だった。

二度と連絡を取ってはいけない。会ってもいけない。
だから、講演を聴きにいくだけ。自分にそう言い聞かせて向かった会場。
ところが、壇上の裕一郎と目が合ってしまう。
ホタルが棲む場所で再会を果たすふたり。

裕一郎はいまも妻の乃里子(伊藤歩)と暮らしている。
すぐに夫の異変に気づいた乃里子は、ふたりのことを突き止める。
今度こそちゃんと乃里子と離婚するという裕一郎。
紗和はその言葉を信じて待つことにするのだが……。

なにぶんTVドラマ版を観ていないものですから、
へ~、ふ~ん、さすがに上戸彩だからこれ以上のラブシーンは無理かなどと
ただただおもしろおかしく観ていました。
隣席に座っていたのがおばあちゃんとお母さんと小学生ぐらいのお嬢さんで、
こういう三世代で観に来て気まずくないものなのかなどと気になり(笑)。

キャストで惹かれたのは、食堂の厨房を仕切る女性役の黒沢あすか
鼻にかかった声が個性的、驚くほど脱ぎっぷりがよい彼女は、
塚本晋也監督の『六月の蛇』(2002)が強烈でした。
園子温監督の『冷たい熱帯魚』(2010)ではでんでんとの絡みが凄かった。
美人というわけでもないし、一風変わった役どころが多かった彼女に、
こういう姐さん肌の女性役を当てていることが面白い。ピッタリです。

お気に入りの渋川清彦が市場の調子の良い兄ちゃん役。
こういうところで見られるのも嬉しい。

幸せになりたいなんて思っちゃいない。
この人と一瞬でも長く一緒にいたいだけ。

でも、TVドラマ的には「ふたりで長く一緒に暮らせそうです」とはいかないか。(^^;

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする