9月29日、作家の山崎豊子さんが
逝去されました。
89歳。死因は呼吸不全だそうです。
慎んでお悔み申し上げます。
山崎さんといえば、
きもの好きには
ドラマ「華麗なる一族」でしょうか。
原田美枝子さんの大島をはじめ
一族の華麗なる衣装が見どころでした。
社会派として知られた山崎氏ですが、
私はむしろ初期の大阪ものが好き。
この記事で「菖蒲節句から帷子(かたびら)」
という一文があり、「帷子」ってなんだ?
と浅学で不明だったのですが、
気になって調べたところ麻のきものだそうです。
となると「菖蒲節句」は現在は5月5日の
子どもの日ですが、
旧暦は6月24日だそうです。
船場では単衣は6月1日から
麻は6月24日からということですね。
山崎氏原作の映画「ぼんち」(市川昆監督)、
観たいけどレンタル・ショップにないと話したら、
映画好きの友人が貸してくれました
いや、もうさすが「細雪」の監督!
市川さん、呉服屋の息子だそうです。
そうだよね~、あれほどのきもの通、
子どもの頃からきものを見て触って
育っていたからこそだったんですね。
「ぼんち」とは大阪は船場のぼんぼんのこと。
山崎さんのいうぼんちは、
「男ってしょうもないね。でも可愛いね」
という気持ちが込められているようです。
山崎さんの大阪女はいつもしっかり者。
しっかり者というより、
したたかというのかもしれません。
「男は頼りにはなりません」
って言っているみたい
この映画は男のきものの
見本市と言われていますが、
女性の美しさも際立っています。
なかでも若尾文子さん。
「ぼんち」に出演したときは26歳!
(ホント?ともう一回調べて、いやホント)
白っぽいきものに黒の羽織。傘と風呂敷のピンクが映えてます。
襟足、うなじの美しさ
建築家の黒川記章さんが
「君はバロックのようだ」
と称えたことが「なるほど」と思われます。
当時(若尾さん50歳くらい?)は
「バロックって何? どういう意味?」
って思っていたけど。
「歪んでいる」という意味だそうです
「不定形な美という意味で、
私にはそういう白とか黒とか
はっきりしない曖昧な余韻を感じる」とか。
ふーん…。
市川雷蔵さんも色っぽい。28,9歳!
(1931年生まれ。ホント!と
もう一回調べていやホント)
いまの同年代と比べると
ずっと大人の色気あるね。
芸者ぽん太。
日本映画のきもの、
若尾文子さん抜きには語れないでしょう。
「刺青」は観たけど「雁の寺」も観なくちゃ。
山崎さんがお亡くなりになって
出版社では、本を増刷するそうです。
山崎さんの実家は昆布問屋。
大阪商人や家族のきものの描写も面白いです。
足袋のこはぜに金を使ったり。
「女系家族」のきもの描写もなかなか。
読み直ししようとしたら字が小さすぎました
ならば映画界は「ぼんち」のDVD、
もっと普及させてほしいものです。
これはレンタル・ショップに
お願いすることなのかな?
昔の日本映画、そのなかのきもの、
いま観ておかないと
どんどん忘れられていくかもしれません。
ふたりの掛け合い、
色気にうっとりするだけで十分
古い映画ネタ続いて済みません
応援ありがとうございます。
昔の日本映画はきものの宝庫