「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「孝行の仕方」

2024年02月26日 | 幼馴染の動向

                                                      

見覚えのない番号からの電話が入った。中年の女性らしい物言いで「私は○○の娘でかくかくしかじかという者です」。から始まって、私のことは多少知っている感じの話しぶりに、一通り事情を伺ってみた。
実は幼馴染で小中高を共にした仲良し同級生の貞子ちゃんの娘さんだと判明。同級生である彼女は昨年10月に亡くなっていた。その当時の話は風のたよりみたいな形で私の耳にも入っていた。

「そうか~彼女も亡くなったか~少し早かったね~」くらいの感慨であったが、よく考えてみれば丸っきりの幼馴染で、中学校同窓会の常連さんであり、美顔サロンの経営者でもあった彼女の若作りは人目を惹いたし人気者でもあった。そんな彼女の遺言が、私のお骨は海に散骨してくれとのことだったという。海に散骨する前に、地元の同級生らとのお別れ会として、彼女が描き残したたくさんの絵画の展示会をしたい、そこでお気に入りの絵があったら自由に持ち帰っていただく。そんなお別れ会をするので、同級生に声を掛けて頂けたら嬉しい、という趣旨であった。

中学時代の同窓会幹事としては、彼女への手向けとなるなら出来ることをしようという気持ちにさせられた。
早速、数人に電話したのだが、何分この年齢は魔の年齢なのか。本人がずいぶん弱っていたり、さもなくば連れ合いの具合が悪かったりで、動きの取れない状態の人が多いのに驚く。いやいや驚くことはない、かく云う自分自身も今日も点滴に半日費やして来たばかり。五体満足ではないのよ。

そんなわけで、親孝行の応援もままならなくて申し訳ないけど、当日までには少し間があるので、一人でも多くに声を掛けてみたい。私たちの努力は空振りかもしれないが、娘さんの親孝行の気持ちやアッパレだと思う。貞子ちゃんも、いい娘さんを持って遠くの空から笑顔を送ってくれていることだろう。お別れの会成功を祈りたい。

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「久しぶりの里山」

2023年04月26日 | 幼馴染の動向

                                               
                                    小さな竹やぶだが、手入れが行き届きタケノコがいっぱい               

                
       直径1mの大きな平釜を真っ赤な炎で焚き上げる       濛々と湯気をたてて煮えたぎるタケノコ

久しぶりに誘いを受けて、新緑萌える里山を訪れた。まだ練習が足りていないウグイスさんの声をさらっと聞き流しながら目指す竹やぶへ。
9時を少し回ってはいたが、高校以来の長き良き友は既に地下足袋を泥んこにしてタケノコを20本ばかり掘っていた。
すぐに鍬を借りて斜面を掘り起こす。彼が3本を軽く掘る間にようやく四苦八苦で1本をゲット。腰が悲鳴を上げる。なんせ久しぶりの斜面堀である。

かつては年に1回のお楽しみ「やぶの中のクラス会」と呼んで、高校時代の仲間男子5人女子5人が食料を買い込み、掘ったタケノコを茹で上げる時間がBBQタイムに変わる、やぶの中の大宴会を繰り広げて来た。コロナで3年連続中断するうちに体調不如意が続出。結局最後に残ったのは二人だけに。

せっかくの浅緑の里山で美味しい空気を吸いながら、男二人が会話をするのも芸がないねぇと思ってカミさんを同伴させた。「あそこにフキが生えてるから採って帰りんさい」とか「お母さんにワラビを食べさせよう」などと近くを散策しワラビをどっさり。おまけに超大玉の里いももどっさり。
今回もまた親元に里帰りした以上のいっぱいのお土産をクルマに積み込んでホクホクの帰宅とあいなった。

ちょうどお昼を挟むので軽い弁当と、彼がこよなく愛するワンカップを差し入れた。タケノコが大きな平釜の中でグラグラ煮え立つの確認したら、嬉しそうにワンカップを手に昔話に花が咲く。「この年まで元気に生かせてもらったのだから言うことなし」と先ずは自分の元気に感謝。「ワシは大きな悩みもなくこの年まで来た、昭和と言ういい時代を楽しませてもらった」と、いいとこのぼんぼんらしく素直で優しいところが彼の持ち味でもある。生まれも生き方も少し違ってはいるが、世の中に感謝して生きているところは全く同じである。

少なくなって行くばかりの同級生、そんな中でも近くにいて、互いに夫婦同士で話ができる貴重な友。まだまだ里山をしっかり守って、また1年先の新緑を楽しみにしたいと願っている。

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「初物を!」

2023年04月06日 | 幼馴染の動向

     
        掘り立てのタケノコを茹で上げて                      早速に初物を頬張る

朝早くに電話が鳴った。「今朝藪に行ってみたら初めてタケノコが何本か生えてる、来てみんかね」と、長年の同級生が誘ってくれた。
あいにくどうしても抜けられない予定があって「申し訳ないが・・・」丁重にお断りを。「夕方にでも用事が済んだら取りにおいで」と親戚の叔父さんみたいな嬉しいことを言ってくれる。

思い起こせば15才の春、高校入学という新たな出会いで初めて顔を合わせた、言うなれば幼馴染みたいな長い付き合いの友である。
職場こそ違ったが、同じ会社の岩国工場で同じ釜の飯を食った仲間という意識もあって、会社卒業後はそれまでよりいっそう近しい関係にあって、タケノコを掘って茹で上げる間に宴会をするという、藪の中のクラス会仲間の主みたいな存在でもある。

彼のことだから、タケノコを掘って皮を剥き茹でている間にワラビを取りに行って、タケノコと一緒に茹でたのであろう新鮮なワラビまで持たせてくれた。孫君が大好きなサトイモもちゃんと準備してくれていた。いつも思う。親元に行った気分にさせられる手土産を持たせてくれる。本当に有難い貴重な友の一人である。

掘り立て茹で立てのタケノコを早速頂いた。彼や彼の細君のあたたかな気持ちといっしょに頬張るタケノコの味。これもまた春という季節の贈り物である。知り合って65年の歳月を経ても、褪せるどころか益々濃いつながりになっていく友。大切なお付き合いにしないとバチが当たりそう。

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「喪失感に」

2023年03月08日 | 幼馴染の動向

                

小学校の時から最も近しく親しみを感じていた従兄弟が昨夕亡くなったとの連絡を受けた。
お互い昭和17年生まれの同い年だが、学年は私が1級上でほんのちょっと兄貴面をしていたのかな。何をやっても何を考えても大体似たようなもので、何とはなしにウマの合う従兄弟同士であった。母の兄妹は男二人女二人の4人で、仲良し従兄弟は母の妹の長男君であった。母親が女同士で、戦後のどさくさを生き抜くための共通の課題とか、少しでも豊かに暮らそうという多くの共通の悩みや貧乏所帯を抱えていたことが、子供同士でも相通じる感情があったのかもしれない。別の従兄弟と仲良くないなどと言う話ではないので誤解のないように。

小学校の高学年になったころから彼は、かなり距離のある我が家へ自転車で遊びに来るようになった。彼がやってきたら魚釣りに行ったり、季節によっては貝堀に連れて行って、帰りの土産は魚や貝を持たせることが多かった。彼の家は錦帯橋近くのお城山の麓。我が家は海の近くという住環境の違いに応じて、子供の世界でもお互いの違いを分かり合っていたのかな。

そんないっぱいの思い出を残して先に逝ってしまった彼は、縁あって遠く離れた岡山市内に住んでいる。今宵がお通夜、明日が告別式ということで、地元に住んでいる3人の従兄弟で相談をしたところ、最高齢の元締め的な従兄弟は「カミさんが入院中でもありいきなりの遠出はちょっと・・・」最も若い従兄弟は「昨日入院してポリープ除去手術の予定」という。残った私はというと、どうしても抜けられないガチガチの約束が早くからあって、結局通夜式も告別式も失礼せざるを得なくなった。ごめんね。丁重なお悔やみの手紙に添えてご焼香料を速達で送った。

様々な病気を抱えた晩年の彼を見るのは辛いことでもあった。そしてついに黄泉時に旅立って周囲を眺めると、奥さんが入院中であったり本人が手術を控えていたり、色々身につまされる事情をかかえた従兄弟同士である。若いときにはそれほど張り合ったりはしなかったが、年を経るごとに健康であることを何となく張り合っていたのかねーなどと思う。少し早いよねーと思いつつも、精一杯を生きた彼の生涯に拍手を。何かしら不安にさせられる喪失感は隠せないが、兎に角、安らかなる永眠を祈って 合掌。  

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「師走ついたち」

2022年12月01日 | 幼馴染の動向

              
                          手作り弁当で同級生お見舞い

いよいよ師走に突入。なんかしら気ぜわしさに追われる本年最終月の始まりはじまり・・・!
と言ってはみたものの、着るものにしても、肌で感じる冷たさにしても、例年に比べるとなんとも緩い感じで、イマイチ師走到来の切迫さには欠けている。

それでも、野菜作りを専門的に頑張っている同級生の畑では、白菜も大根も里いももしっかり実っている。例年の通り今年もまた、彼の電話に誘われるまま訪問して、それはそれは大量の野菜やイモ類を遠慮もせずに貰って来た。しばらくは、スーパーの野菜売り場は素通りである。
ただ今年の場合はすこしだけ様子が違っていた。実は彼の奥さんが、台所で転んで骨折し入院中だという。それも10月半ば以来だから、1ヵ月半を男手一つで生活しているのだという。そんな話もっと早く耳に入れてくれればいいものを。一昨日初めて聞いた話である。

何はともあれお見舞いに。と言っても実際に入院している奥さんを見舞うことはできない。病院が見舞客の接見を赦すわけない。そこで兎に角一番難儀をしているであろう食事を共にして、苦労話に耳を傾けよう、ひたすら傾聴に努めようと、カミさん手作りの弁当を引っ提げて夫婦で訪れたという次第。
彼は気配りの名人で、私たち訪れる者がお金を遣って物を持っていくのを極端に嫌う。どうかすると「金を払う」とか「割り勘で行こう」などと言いだしかねない。そこでこちらも、コンビニに立ち寄れば事足りる弁当を、わざわざ手作りの玉子焼き、揚げたての天ぷらなどを詰め込んで、遠足気分で持って行く。といっても全てカミさんの手によるもので、アタシはただ運転するだけ。

彼が掘ってくれた里いもをゴリゴリ洗うのが私の仕事。その間に二人の近所のおばあさんが代わる代わるやってきて「これ食べて」と彼に食料を手渡している。顔なじみのご近所さんが、料理をしない彼の元に昼ご飯を届けた様子。さらには奥さんの妹さんが「これ冷蔵庫にしまっといて」とか言いながら玄関を入って台所へ。「ありがとうねー、すまんねー」と彼の声が聞こえる。そうしてやっと、持って行った手作り弁当を突っつく時間に。「うまいねー」と頬張ってくれる。

入院中の奥さんは外界からシャットダウンされ、夫婦や親子の面会さえできない不自由な生活であろうが、彼は彼なりに、色んな人の親切に助けられながら精一杯生きている。手作り弁当で彼を見舞うことが出来て、いっぱいの話を聞いてあげられてよかった。「○○ちゃんもそうじゃが、奥さんのお陰で楽しい一日が送れた」とカミさんに手を合わせる。男が一人にさせられたときの哀れさのサンプルを見た思いがする。背筋が寒くなったのは、師走ついたちの寒さのせいだけではないようだ。頑張ろう友よ。一日も長い元気寿命を保とうね。いい一日を有難う。お互いが感謝にあふれた師走ついたち。

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「目の保養」

2022年07月30日 | 幼馴染の動向

    

芸術の秋には少し、いや随分早い気がしないでもないが、2022第66回岩国市民文化祭の一事業として写真展が開かれた。名づけて「近郊カメラマンたちの写祭」。
腕に覚えのある近郊の80人が、133点の力作を展示して迎えてくれる。作品に見入る一瞬は暑さも忘れている自分に驚いたりする。

同級生の仲良し君が主宰するこの写真展。早くからスケジュールを知らされていて「兎に角行ってみよう」と思わされるイベントである。
「動」の世界から一瞬の「静」を切り取る写真術。時間と根気とお金を掛けて、その一瞬のために集中する。
多少なりともカメラを扱う者として、色んな共感を覚えながら、133点の1点ずつ丁寧に見て回る。

一回重ねれば1回分の、10回重ねれば10回分の進歩というか、作品に少しずつ重みが載っかって来るのが面白い。プロにはプロの良さがある。これは当然なことかもしれないが、完全なプロではない人たちが、市の美術展などの入選を目指して、プロとは違う執念というか必死さで被写体と闘う様を感じるのは実に楽しいものである。

作品の深さに目を奪われる瞬間、作者の思いが著わされるタイトルに目が行く。この作品とタイトルがピタッと重なった作品に出会うと、思わず顔がほころぶ。面白い!!と拍手したくなる。他の鑑賞者に気付かれないようにクスリっと笑っている自分に気付く時ほど爽快な気分はない。暑さも寒さも一切を忘れて、作品の中に溶け込むような錯覚を覚える。こんな作品に滅多には出会えないが、出会えた時の喜びを素直に、主宰する同級生に報告する。

彼も嬉しそうに「ありがとう」。こちらもいい作品に出会えて「ありがとう」。いい一日であった。

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「引っ越しました!」

2022年07月12日 | 幼馴染の動向

                

東京在住の同級生から久しぶりの葉書が届いた。「引越ししました」という住所変更の報せであった。
彼は、小学校のクラスメイトで、良いも悪いもひっくるめてガキ大将的存在であった。中学校では同じクラスになった記憶がないなー。高校も違ったので幼馴染のお付き合いも実質9年間ということになる。何はともあれ、パソコンの住所録原本を更新しておいた。

ただ彼の場合、50歳から始めて8回も続けてきた中学校の同窓会には、何かと都合をつけて東京から参加してくれる常連さんであった。
だから、もしも同窓会案内状を受け取るときに、住所の違いがあってはいけないという、彼なりの気配りであったのだと思う。
こんな葉書をもらったり、「元気ですか・・・」と他愛もない封書が同級生から届いたりすると、心中穏やかならざるものを感じる。

彼らにしてみれば「同窓会、そろそろじゃないの?」という催促めいた気持ちはないと思うのだが、77歳の喜寿同窓会のお別れあいさつで「今回で最後にさせて頂きたい」と終息宣言をした立場にとっては、己の怠慢が少し気になってはいる。もっともこの3年間は、コロナに蹂躙されたお陰で同窓会の話などするのはタブーであった。しかも、近くに住んでいる幹事仲間との交流もほとんど途絶えていた。そりゃそうだ、アルコールの宴会はダメ、カラオケはダメ、と言われると何にも出来ない不器用揃い(笑)そうは言いながらも「そろそろ本気で幹事団を再招集する時期に来てるのかな」などと、自分を責めたりしている。

いずれにしても、傘寿を元気に迎えたお礼の気持ちを表す80才同窓会を考えなきゃいけないのかしらね~。3年間のコロナ不景気は、同窓会場として利用してきた利便性の高い施設は商売替えをしてしもた。残るのは観光ホテル1カ所独占、つまり会費がかさむ。参加者が段々減ってくる現実では、一人分の会費が割高になって採算的に難しくなりそう。

なんせ貧乏育ちの幹事さんは、会費を極力抑えることに腐心してきた。でも現ナマ握ってあの世へは行かれないのだから、生きている今のうちに、会費が高くなっても参加してくれるとありがたいけどね~などと思いながら、近しい幹事さん何人かと下話をする羽目になりそうだ。ア~~ア、暑い夏がなお暑くなりそう。お引っ越しの連絡は有り難いのだが、悩める葉書でもある。

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「同級生の電話」

2022年06月16日 | 幼馴染の動向

                          

夕食後のリラックスタイムにスマホの電話が鳴った。いつも通り先ずは発信者の名前を確認した。恐れていた同級生の女性の名前がそこにある。
別の同級生から、彼女の不幸な近況を聞かされていた。知らなきゃよかったかもしれないが、そういった情報は誰かがいち早くこの耳に入れてくれる。

いつも元気はつらつ人一倍やる気満々の彼女だっただけに、落ち込んでいるであろう相手に元気なオレがどんな声を掛ければいいのか、自分でも不思議なくらい迷いを生じていた。それでも「電話しようかな、最初にどんな言葉をかけるのかねー」などと思い悩みながら今日まで来てしまった。

まさか彼女から先に電話が来るとは思っていなかった。「モシモシ、ケンちゃん元気?アタシよわかるじゃろ」その声は明るくて何事もなく普通に、久しぶりの幼馴染に呼びかける例の調子である。先ずはこちらが呆気にとられて「オッ!元気じゃったの?」と返すのがやっと。
そこからしばらくは、彼女の近況をひたすら聞く立場を貫く。

今年の始め、東京在住の愛する長男君をコロナで失ったという。自分より先に息子を亡くした同級生にかける言葉を探す。次に「私ね、肺がんでステージ4と診断されて、一度はあきらめた人生じゃったんよ」と自ら元気な声でのたまう。オッ、これはその後の治療で劇的な恢復を果たしたなと感じられてこちらも俄然元気が出てきた。ますます話が弾む。「いい先生との出会いがあり今を生かされている。これからの人生は一切の欲無し、周囲への感謝だけで生きて行くよ」と。

生まれた家が近くでまさに幼なじみ、小学校も中学校も高校も一緒。毒づいたり自慢し合ったり思い出は山ほどある。中学校同窓会の常連であり、ムードメーカーだった彼女。どうかするとお互い男友達にも似ていて男女の垣根がなかったような。
まだまだ元気でいて欲しい。最後に「その元気さで行くとアンタが同級生みんなの最後を見届けてることになりそうじゃね、まだまだこれから、楽しもうね」と笑って電話を終えた。

まさに人生色々、百人百通りのドラマがある。何事にもめげずに前を向く生き方、参考になる。

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「80歳の退職」

2021年04月27日 | 幼馴染の動向

            
             連絡船で宮島に渡って、厳島神社の回廊から眺める海中の大鳥居

                                          
                    青い空を突き刺すような、厳島神社五重塔

東北の松島、関西の天橋立、そして中国の安芸の宮島。世にいう日本三景の一つで、年がら年中観光客の絶えない、広島県廿日市市宮島町の厳島神社。
その表参道商店街に土産物を扱う老舗中の老舗がある。敢えて商店名は出さないが、そのどっしりとした店構え、ネームバリュー、扱う商品の豊富さ、観光客の扱い量、いずれをとっても三本の指に入る「株式会社〇〇屋」。

そんなお店の広い間口の中央部分に、四角形の商品台がをしつらえてある。商品がうず高く積まれたその中央部に陣取るのが彼女の職場であり、彼女の元気のいい売り声が通りまで聞こえる。社長・専務・常務ほか従業員約40人いる中で、いつしかベテランの売り子さんになり、みんなから親しまれてきた。その彼女とは、中学時代の同級生で、同窓会を開くときは間違いなく出席者の一人として計算できる、頼りにはなるがあまり派手さはない女傑である。

50歳からそのお店で働き始めた彼女。80歳の誕生日を1週間前に祝ったという。それに伴って連れ添うご主人の体調が芳しくない様子。そんな理由から、「そろそろ潮時。少しの元気を残して身を引こうと思っている」という電話をもらっていた。そして昨日「お世話になった皆さんへのお礼は、どんな言葉がいいと思う??」という相談であった。
さてどうしよう。兎に角今一度彼女の気持ちをしっかり聞いた上で、できれば通り一遍でない独自の退職挨拶をなどと、また肩の凝る思いをしている。

そうは言いつつも、彼女には恩義がある。
9年前の4月1日、親しい友に勧められて柄にもなく自作エッセイ集を自費出版したことがあった。それを読んだ彼女は「旅のお供にエッセイを」というキャッチフレーズで私が売って上げる。といって思いがけなく、天下の観光地のおみやげ店の店頭に並べて50冊以上売ってもらったことがある。買わされた方はさぞかし迷惑だったろうと思うが、そんな男気も持ち合わせている彼女からの頼みだ。

「80歳の退職」といったエッセイもどきのタイトルは付けないとしても、50歳から80歳までの30年間を心地よく、楽しくがんばらせてもらった会社、そして同僚の皆さんに、暖かい気持ちになってもらえるような300字程度を考えてみるとしよう。

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「ついに二人に」

2021年04月23日 | 幼馴染の動向

                            
                  根っこの周りを丁寧に掘って、最後にひと鍬タケノコに打ち込む。  堀上げてすぐに、大釜で茹でる。

この季節の最大のお楽しみであった「藪の中のクラス会」。
竹藪を守ってくれている友の山に、高校時代の同級生が集まってタケノコを掘る。すぐに皮を剥いて茹で始める。この茹でる時間が、大切な大切な宴会時間となる。まさしく少人数でワイワイガヤガヤのクラス会が始まる。

振り返ると、最初のタケノコ掘りはかれこれ20年前の話になる。
同級生3人が60歳の定年退職を迎えて、高校時代の恩師にその報告をするために新潟まで行って帰った翌日が確か1回目であったと記憶する。
3人が5人、7人と増えていき男女合わせて10人集まったのが最高であった。数年続けて楽しんだが間もなく、連れ合いの体調不良や、本人の不調などが重なって減る一方に。それでも4・5人で結構長く続いた。

昨年はコロナで完全に中止。そして迎えた今年。彼から誘われるままに一人だけクルマ運転で訪れた。
思えば20年という歳月が人それぞれの体調や境遇を如実に物語っている。大きく変らず最後まで残ったのは、山持ちの彼と小生だけ。藪の中のクラス会もいつしか二人の会になってしまった。それも、コーヒー飲んで、買って行ったお弁当食べて、堀りたて・茹でたての新鮮タケノコをたらふくもらって帰る。それさえも今年が最後となりそうな予感が。

また一つ人世の楽しみが消えていきそうである。こういったものに代わる新たな何かを望むのは難しい年令にさしかかっているということか。
やはり、他人を頼らず、自らの健康と体力を維持して、孫の追っかけに精出すのがお似合いということかも。

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