「朝、ご主人が起きて待っているのに、奥さんは寝ていて、ごはんがまだできていない」というときがあります。
奥さんは、あわてて、髪をモシャモシャにしたまま、寝ぼけ眼で起きてきて、「何なの」と言います。「『何なの』って、おまえ、いま何時だと思っているんだ。もう、出勤じゃないか。飯は?」とご主人が訊くと、「許して」と答えます。
さらに、「だいたい、何よ。なんで、ちゃんと言ってくれないのよ。もう三十分、早く言ってくれたら、できたのに。あなたが悪い」などと言ってしまうと、けんかが始まります。
ここで、戦いをして、心に毒をつくるというのは、間違いです。
「しまった!」と思ったところからが勝負です。「『しまった』と思ったところから、いかに切り抜けるか。そして、よい結論まで到達するか」ということです。
「人間は、二つのことを同時にかんがえられない」という法則があります。こういう時には、その法則を使うのです。別名、「子供だまし」ともいいます。
幼い子供は、ちょっと親が目を離すと、泣きます。親がそばにいないと分かると、冷遇されたと思って泣きます。そのとき、遊び用のボールなどを用意しておいて、ポンと投げるわけです。そうすると、子供は、はっとそちらを見て、急にそちらへ這いはじめます。そのあいだに用が足せるのです。
これを子供だましといいますが、ほんとうに子供は泣きやみます。
それと同じことは、ご主人が相手でもできるわけです。
「あなた、先日、○○さんが、あなたは仕事ができるって、ほめてましたわ」などと、ポーンと言うと、「えっ」という感じになり、とたんに、ご主人の怒りはそこで切れます。子供だましの方法と同じです。
ご主人は、「いったい、おれの何をほめていたんだ」と訊きます。そして、奥さんから、「あなた、何か、最近、ものすごく仕事で成功されたんだそうですね」などと持ち上げられ、「まあね。言ってみればおれは朝飯も食わずに仕事に行くぐらい熱心な男だからね」と言います。それで終わりです。
「人間は二つのことが同時に考えられない」という法則を、「大人だまし」に使うことです。あとからフォローするのは簡単なことです。
怒りの波動や悩みの波動があったら、いったん、それを他のことにコロッと変えさせるのです。考え方を変えさせ、その想念を切ってしまいます。すごい波動を受けたら参ってしまいますから、それをバシッと切ってしまうのです。
そのあとで、また時を改めて、たとえば、ご主人が夜帰ってきたときに、おかずを一品、余分につけ、「あなた、今朝はすみませんでした。今朝の分で、余分に、これをつけておきましたから」という具合に補完するのです。
そして、その日だけのことにして、「一日一生」で終えてしまうわけです。
でも、誠実さは忘れないでくださいね。
『人間は二つのことを同時に考えられない。「子供だまし」の方法を、「大人だまし」に使ってみる。(仏法真理)
---owari---
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