今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
~~~~~~~~~~~~~
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
読者のKさまから、メールがとどいています。
【メール転載ここから▼】
〈 1971年 から 2009年(23歳から 62歳まで 38年) New York で暮らしていた K です。
前回投稿しまして、Mr. 坂東 忠信の、中国が日本を SILENT INVASION してる、12段階中 すでに10段階も SILENT 侵略されていると、説明されていました。
その続きを書かせて頂きます。
今日(8月13日)の産経新聞の、産経書房の覧に、”台湾人と日本精神”(蔡こんさん---台湾人の方)が、次の様なことを言っています:
”対中外交での日本側の 遠慮 や 弱腰姿勢は軟土深掘ー土が柔らかければ、さらに深く掘るー
という中国側に付け入る隙を与えるだけで、結果として術中にはまり、日本を破滅に導くと断言”しています
なお、北野さん自身’も、”国が独立して 強くあるためには、5つの事が必要だ”とおっしゃっています:
1 国、国民が独立した MIND を持っている事-----今の日本は ”NO”でしょう
*北野さんも、”日本人は依頼心が強い、America がダメなら中国に依存すれば良い”。。
2 経済力があること -----今の日本はそこそこ "YES" でしょう
(でもBUBBLE 崩壊後、成長してイナイ)
3 エネルギーを十分に持っていること----これも "NO" ですネ
4 食料が十分にあること------これも"NO" ですネ
5 軍事力、自国を守るための十分な軍備が有るか--量の面では、そこそこ有る、が イザ、台湾有事が起きた時に、軍事行動を起こせるのか?(これは政治的な判断)
そうすると私の解釈では、5分の1.5となってしまいます。
*私の見立てでは”72%” NO。ただ会議、会議を続けるだけで、何も起こらナイ
それどころか
*台湾有事に参戦シナカッタ事で、日米同盟を、”キャンセル”されてしまう
*中国は待ってましたとばかり、”尖閣諸島’を乗っ取る”、
*”沖縄も、難民を大量に送り、住民投票で沖縄も乗っ取ってしまう”
*日本、The END と、残念ながら今の日本の中枢にいる者達はこの様な結果にするでしょう
別に、感情的に悲観的に見ている分けではナイのですが、今現在起こっている事をまとめますと、私の思っている見解になってしまいます。
さらに、日本の高齢化はどんどん加速しています。
そして日本人の新生児を増やす”努力”もしてイマセン
どんどん国の支出は加速して行くでしょう、税収が増えるとは思えまセン
その不足分を、国債という借金で補っている。
GDP の300%に近いですよネ。
こんな国ナイです
そして、自然災害の点でも、”南海トラフ’は確実に来る”と政府も発表しています
*32万人の死者、
*1240兆円の損害が出ると、予想されています。
(GDP の 2. 5 倍)
これが起こった時点で、日本が先進国で有り続ける事は、極めて難しいでしょう。。。
北野さんの LETTER は、ロシア, Putin のウクライナ侵略、中国の現況、America の現況の説明では、成る程、そうなんだと思える解説です。
が、
ただし、日本の将来に関して、”日本の未来は、よくなると確信している”とおっしゃっています、が、
私の様に38年間も日本から離れていた者の目線では:
北野さんは、日本の将来の事になると”楽観的過ぎる”ように私の目には映ります。
どのような観点で、北野さんは、日本が将来良くなるのかを”具体的に教えて”頂けますでしょうか
PS 1: 私は、ペシミスト、悲観論者ではありません、
超現実主義者を自負しております。
エドワード ルトワック 大好きです。
America という競争が極めて激しい社会で、38年間生き残ってきました。
私が、 悲観論者であったならば、America の社会で38年間生き残って来れなかったでしょう。
PS 2: 私は、今現在、世界の大きな流れが変化していっている様に見立てています
この激動の社会を生き残っていくべく、北野さんのような、物事の変化を捉えている人、
そして、Mr. 藤井厳喜, Dr. 林健良、林 千勝 そして 英語のNews Letterでは、Jim Rickards, Bill Bonner, Martin Weiss, Dan Denning, Tom Dyson, Porter Stansberry などの人達の書いた物を 読んで、SURVIVAL を掛けて、生き残るべく、孤軍奮闘しています 〉
【 Kさまからのメール転載ここまで▲ 】
Kさま、長文のメール、ありがとうございます!
・中国の静かな侵略が進行中であること。
・日本が中国に対し、不必要に弱腰であること。
・日本が「自立国家」の条件をほとんど満たしていないこと。
・台湾有事の際、日本が参戦せず、日米同盟を破棄されてしまうシナリオがあり得ること。
・中国が沖縄を乗っ取ってしまうシナリオがあり得ること。
・少子高齢化が進んでいること。日本政府がほとんど何もしていないこと。
・南海トラフ地震が来れば、日本は壊滅打撃を受けるであろうこと。
これらは、(残念ながら)「すべてその通り」といえるでしょう。
そして、Kさまからのご質問は
〈 どのような観点で、北野さんは、日本が将来良くなるのかを”具体的に教えて”頂けますでしょうか 〉
です。
私が「日本は将来良くなる」と思う主な理由は、
「日本は、人がいいから」
です。
具体的に言うと、誠実で勤勉で親切な人だらけということです。
もちろん、殺人も起こるし、詐欺師もいますが、大部分の外国と比べると、悪人は圧倒的に少ないと思います。
これに関連して、私はロシア以外の外国で一番行った回数が多いのはフィンランドです。
フィンランド、訪問一回目から大好きになりました。
はじめて行った時、ロシアルーブルをフィンランドマルッカに両替する方法がわかりませんでした。
(今は、ユーロになっています。)
とりあえず、駅の近くの銀行に入り、キョロキョロしていると、銀行員ではない普通のおばさんが、
「何か困ってるの?」と聞いてきました。
私は、「どこで両替できますか?」と聞くと、おばさんは
両替所まで連れて行ってくれました。
はじめてバスに乗った時、お金の払い方がわかりませんでした。
すると別のおばさんが、「お金はこうやって払うのよ」と教えてくれました。
翌日、タクシーをどうやってとるかわからず、うろうろしていました。
当時、経済危機にあったロシア、モスクワでは、「白タク全盛時代」。
手をあげれば一般車が止まって、どこにでも連れていってくれたのです。(もちろん有料ですが。)
「フィンランドでは、どこでタクシーをとれるのだろう?」と悩んでいた。
すると道路の清掃をしていた若者(見た目20代前半)が、
「何かお困りですか?」と声をかけてきました。
「タクシーの取り方がわからないのです」というと、若者は、
「案内しますよ」といって、タクシー乗り場まで連れていってくれました。
「なんだこの国は~~~!!!」
あまりに親切な人だらけなので、私は仰天したのです。
ちなみにフィンランドは、6年連続
「世界幸福度ランキング」世界一の国として知られています。
私は、「そりゃあそうだろう」と思うのです。
またフィンランドは、「教育水準世界一」の国としても知られています。
なぜ、私はフィンランドの話をしているのでしょうか?
なぜ私は、「フィンランドの未来は明るい」と思ったのでしょうか?(思ったのです。)
ポイントは、「人が善良だから」でした。
結局、人が集まって国を創っているのですから、人が悪ければ悪い国になる、
人が良ければ、良い国になるのです。
ちなみに、フィンランドは、汚職が少ない国ランキングで世界2位につけています。
私は2018年に完全帰国しました。
そして、いろいろな人と接して思ったのです。
「日本人はシャイだから、フィンランド人みたく積極的な声かけはしない。
でも、何か頼んだ時の親切度は、フィンランドに負けない」と。
国として、「国民の善良さ」以上に重要なことはありません。
では、そんな日本は、なぜ「暗黒の30年」なのでしょうか?
理由は、はっきりしています。
日本政府が30年間、「愚かな政策を行ってきたから」です。
1990年、大蔵省の総量規制で、バブルが崩壊した。
1997年、消費税率引き上げで、暗黒の10年が確定した。
2014年、消費税率引き上げで、アベノミクスは挫折した。
2019年、またもや消費税率引き上げ。
2019年消費税引き上げ、
2020年、21年コロナパンデミック大不況
2022年、ウクライナ戦争インフレ
国民が4年間、死ぬほどの苦しみを味わい、2023年ようやく希望が見えてきた。
そんな時、岸田さんは、「防衛増税」をしてくるのです。
「岸田さんの支持率が下がっている」といいますが、当然でしょう。
要するに、日本国民は善良ですが、
政府が33年間愚かな政策をつづけているので、
日本は全然成長しないのです。
しかし、政治が変われば、日本経済は成長していく可能性があります。
そして、変わる時は「一瞬で変わる」のです。
実際、外交、安全保障、日本は一瞬で変わりました。
どういうことでしょうか?
日本は民主党時代の2009年から2012年まで、
・日米関係が悪化した(鳩山さんのトラストミー事件)
・日中関係が悪化した(尖閣中国漁船衝突事件、尖閣国有化)
・日ロ関係が悪化した(メドの北方領土訪問)
・日韓関係が悪化した(李明博の「日王が韓国に来たければ謝罪しろ!事件)
とにかくボロボロでした。
そのせいで、今に至るまで立憲民主党の人気がないのでしょう。
さて、2012年11月、中国はロシア、韓国に「反日統一共同戦線」構築を提案しました。
証拠↓
中国は、「アメリカも反日統一共同戦線に引き入れよう」としていた。
当時この上の記事を読んだ方は、「もうダメだ!」と絶望したことでしょう。
「日本は終わった!」と考えたに違いありません。
ところが、2012年12月に安倍さんが総理になり、すべてが変わりました。
・安倍さんはアメリカで「希望の同盟演説」をし、日米関係が良好になった。
・「慰安婦合意」で、日韓関係は一時良好になった
・2016年のプーチン訪日で、日露関係は改善された。
これで安倍さんは、「反日統一共同戦線無力化」に成功したのです。
また、安倍さんは、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱。
世界に認められる、「大戦略家」になりました。
これは、「外交、安全保障」の話です。
しかし、経済に関しても、まともな首相が一人誕生することで、すべて変わる可能性がある。
暗黒時代が終わり、繁栄の時代が戻ってくることは十分あり得るのです。
Kさまが指摘されていること、
・中国の静かな侵略が進行中であること。
・日本が中国に対し、不必要に弱腰であること。
・日本が「自立国家」の条件をほとんど満たしていないこと。
・台湾有事の際、日本が参戦せず、日米同盟を破棄されてしまうシナリオがあり得ること。
・中国が沖縄を乗っ取ってしまうシナリオがあり得ること。
・少子高齢化が進んでいること。日本政府がほとんど何もしていないこと。
・南海トラフ地震が来れば、日本は壊滅打撃を受けるであろうこと。
これらは、「南海トラフ地震」以外政治の問題です。
台湾有事の際、日本は台湾を見捨て、あきれたアメリカは日米同盟を破棄するでしょうか?
少なくとも、安倍元総理、麻生元総理は、「共に戦う」と断言しています。
岸田さんは、どうでしょうか?
はっきりわかりませんが、少なくともウクライナ戦争では、欧米と完全に一体化して動いています。
増税路線はとても残念ですが、外交は安倍総理の路線を継承しているように見えます。
(@安倍さんは、在任時親ロシア、親プーチンでした。反日統一共同戦線を無力化するためです。
しかし、2022年2月24日、ウクライナ侵攻について、
「戦後、私たちが作ってきた国際秩序に対する深刻な挑戦であり、断じて許すわけにはいかない」と非難しています。)
▼日本復活は、心の中から始まる
もう一つ、私が「日本の未来は明るい」という理由があります。
それは、日本の復活が「心の中からはじまる」ということです。
Kさまは1971年から2009年までアメリカで過ごされたそうです。
1970年代にアメリカがボロボロだったことを覚えておられることでしょう。
ニクソンショックも、ベトナム戦争の敗北もあった。
経済では、日本が「世界の工場」になっていた。
当時は世界中の人が、「アメリカの時代は終わり、ソ連が覇権国になる」と考えていました。
経済については、「アメリカの時代は終わり、日本の時代が来る」と考えていた。
ところが、1981年にレーガンが大統領になると、すべてが変わりました。
アメリカ、客観的には70年代と何も変わっていません。
ですが、レーガンさんは、「アメリカは大丈夫だ」という「ムード」を創っていったのです。
1980年代、レーガンさんのおかげでアメリカは復活を始めた。
1991年、ソ連崩壊。
アメリカは、世界唯一の超大国になった。
1990年代、IT革命が起こり、アメリカは2度目の最盛期を迎えることになります。
日本の問題は何でしょうか?
28年ぶりに日本に戻って来た私は、すぐ気づきました。
「最大の問題は、日本国民の【 心の中 】にあるのだ」
と。
日本の「専門家」は、
「少子化は止まらない。日本の衰退は不可避だ!」
「日本の財政破綻は不可避だ!だから税金をもっとあげなければ!」
などと、100万回繰り返しています。
それで日本国民は、「日本の衰退は不可避だ!」と信じているのです。
しかし、世界を見渡せば、出生率を高めることに成功した国はあります。
(例、イスラエル、フランス、ロシアなど。)
日本の財政も、経済を他国並みに成長させることで健全化していくでしょう。
だから私は、「日本は大丈夫です」というのです。
なぜかといえば、「日本はダメになります」といいつづければ、本当にそうなっていくからです。
本当は、レーガンさんみたいな政治家が出て、「日本は大丈夫です」といいつづければ、
国民も速やかに信じ始めるでしょう。
残念ながらそういう政治家がいないので、私が言っているのです。
「日本は大丈夫だ!」と思う人が増えれば、本当にそうなる可能性が高まっていくからです。
だから、皆さんも、自分自身に、家で、会社で、あらゆる場所で語ってください。
「日本は大丈夫です。日本は、よくなります」
と。
それが、日本復活の第一歩です。
まず、そう言う。
その後、「では、日本を良くするために、自分には何ができるだろうか?」と自問する。
そして、できることをしていきます。
ですが、復活の第一歩は、「心から変えていくこと」です。
レーガンさんが、それを証明してくれました。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます