(命を守るために ▽避難 ▽河川氾濫 ▽土砂災害の注意点)
① ""命を守るために ▽避難 ▽河川氾濫 ▽土砂災害の注意点””
2019年7月3日 15時30分 、大雨 避難
1 避難する際の注意点
土砂災害や川の氾濫のリスクが高い場所にとどまらず状況が悪化する前に安全な場所に避難することが、命を守るうえで最も重要となります。
ただ、平成21年8月の大雨の際は、兵庫県佐用町で、夜間に避難しようとした住民が、川や用水路からあふれた水で押し流され犠牲になりました。周辺が暗くなったり、状況が悪化してからの避難は危険が伴います。早めの行動を心がけ、避難は明るいうちに完了するようにしてください。避難する時には周辺の状況をよく確認するようにしてください。
道路が冠水したら移動避ける 傘で確認も
ただ、どうしても通らなければならない場合は、2人以上で行動し、傘や長い棒などで足元を確認しながら避難してください。ひざの高さを超えるくらい水かさが増すと、押し流す水の力も強くなるため、歩いて逃げるのが難しくなります。車での移動にも危険があります。浸水の深さが30センチに達するとエンジンが止まり、さらに深さが増すとドアが開けにくくなるうえ、車ごと流される場合があります。車が浸水し始めたら、すぐに外に出てください。
崖や川から少しでも離れた建物に
自宅にとどまらざるをえない時は、建物の2階以上や、崖や斜面の反対側の部屋に移動することで、安全を確保できることもあります。ただし、これはあくまでも最後の手段です。過去の災害では、大量の水と土砂、流木に家ごと流され、犠牲になった人も数多くいます。とにかく早めの行動を心がけ、事態が悪化する前に避難を完了するようにしてください。
2 川の氾濫の注意点
平成29年7月の「九州北部豪雨」では、山間部の中小河川を中心に土石流や氾濫が相次いで大きな被害が出ました。中小河川は、川幅が狭く、勾配が急なため、短い時間で急激に水位が上昇するのが特徴です。
特に山間部で洪水が発生すると、大量の土砂や流木とともに、住宅などを押し流すおそれがあります。中小河川は「水位計」が設置されておらず「氾濫危険情報」などが発表されないことも多いため、雨の降り方に注意するほか、気象庁の発表している「洪水警報の危険度分布」などを活用してください。
また、川の水かさが増して流れが激しくなったり、流木や石が混じったりするなど、いつもと状況が異なる時も、早めの避難を心がけてください。避難場所まで移動するのが危険だったり、猶予がない場合は、近くのより高い場所に移動することで、安全を確保できることもあります。
田んぼや用水路 見にいかないで
「大きな河川」氾濫危険情報発表も
去年7月の西日本豪雨で川の堤防が決壊して大規模な浸水被害が出た岡山県倉敷市真備町ではハザードマップの想定と、実際に浸水した範囲が、ほぼ一致していました。
ハザードマップには、大雨で想定される浸水の範囲に加え、浸水の深さなどが示されていて、マップで示されたリスクを参考に、避難の検討をしてください。
大きな川で堤防が決壊して氾濫が起きると、大量の水が一気に流れ出し、住宅を押し流すほか、広い範囲が長期間浸水する危険性があります。
平成27年の「関東・東北豪雨」では、茨城県の鬼怒川の堤防が決壊し、常総市では多くの住宅が流され、5000棟以上の住宅が全半壊しました。
大きな川の場合には、川を管理する国や都道府県が、気象台と連携して、氾濫の危険性が高くなると、「氾濫危険情報」を共同で発表します。
この情報が出た時には、自治体などの情報に注意して、早めに避難することが重要です。また、自分の住んでいる地域の雨量だけでなく、川の上流の雨量にも注意が必要です。
3 土砂災害の注意点
去年7月の西日本豪雨では、土砂災害による死者の出た場所のおよそ9割が「土砂災害警戒区域」など、あらかじめ危険性が指摘されている場所でした。注意が必要なのが、斜面やがけの近くだけでなく、比較的離れた場所でも土砂災害警戒区域に指定されているケースがあり、被害が相次いでいることです。まずは、「ハザードマップ」などで自分のいる場所が土砂災害の危険性がある場所かどうかを確認してください。
「土砂災害警戒情報」の発表に注意
いつもと異なる現象に注意
土砂災害が発生する前には、斜面から小石が落ちてくる、斜面に亀裂ができる、斜面から突然水が湧き出したり、川の水が急に少なくなったりするほか、「山鳴り」や「地響き」が聞こえることもあります。
こうしたいつもと異なる現象に気付いた場合は、すぐに崖や斜面から離れて、安全を確保してください。
ただし、こうした前兆現象を確認するために、崖や斜面に近づくのは危険なのでやめるようにしてください。