じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風のたより 家を建てる 2

2020-03-04 13:50:22 | 南風の便り
段取りはすべて狂う

バンブーハウスの予定は、外圧によってゆがめられ、立派な家になってしまった。
圧力を発するジェフリーに悪意は無い・・・と、私は思う。
ただ、彼は彼なりに、もしも造るなら、こんな家が良いなぁーと言う理想から仕様変更や材料を変更し、その結果工期が伸び、金が出て行くのであった。

すべての狂いは言語能力不足に起因しているのだった。
会話の肝心な部分は、材料の名前や工事の方法であったりして、英語にせよビサヤ語にせよ、私の頭の辞書には載っていない単語が多く、分からないままに頷いているのである。

工期が伸びている理由がもう一つある。
今年は10月に入ってから、やたらに雨が多くその影響で工期は大幅に送れているのだった。
屋根の工事が終わっていなかったので、屋内工事が全く進まないのである。

大工のエリックは朝早くに現場に来る。
8時少し前に来て天気が良ければその日の段取りを始める。
朝から雨が降っていて終日降り続きそうでも一応は顔を出す。
そして、雨が降り続けば家に帰って行くが、中途半端な日が厄介だ。
少しでも仕事に手を着ければ一日の日当を払う事になるからだ。
10月の初めの頃はエリックもあまり気にせず、中断しそうな時でも仕事を始めていた。
しかし、中段が余りに多く、途中で進まなくなる日が続くと日当を払う私に気兼ねしたのか、怪しい天気の時には手を着けなくなった。
一度手を着ければ4名の日当と昼飯代を含めて、1000ペソ程出て行くのである。
そんな訳で、9月末には完成かな?などと言っていた家は10月末になっても大してその姿は変わっていなかったのだ。

材料は自分で買いに行く-2

建築材料は自分達で買いに行く・・・と、言う事で何度か材料を買いに行った。
前回は電気の配線と水道配管の材料だった。
それらの物は値段以外に興味が無かったので私の仕事は支払いだけだった。
しかし今回はいよいよ内装に着手するので自分で選びたかった。
だから主導権を握るべく、鼻息荒くハードウエアーショップに乗り込んだ。
結局握ったのは車のハンドルばかりで、買い物の主導権はエリックとジェフリーに握られた。
私もせめて配色くらいはと思って主張したが何故か私の思惑通りにはならず、意図しない色の家になって行くのが悲しかった。

家にはトイレを2つ造った。
こちらの家はシャワーとトイレが一緒なのでシャワールームが2つと言う事になる。
私はバスタブは諦めていたが、せめて温水シャワーは欲しかった。
そこで私の部屋のシャワールームには電気の簡易温水シャワー機を着ける予定だった。
しかしジェフリーが登場して、私が6000ペソと4500ペソの簡易温水器を見比べている時に日本語で「これ、だめ。ダメ,DAME」と言うのである。
水圧が安定しないので、ポンプを別につける事になり、それを考えると高く着くと言う事だった。
店の人にその事を尋ねてみたが、ポンプが無いと水圧が低い時には使えないだけのようだった。

結局私は20000ペソの温水器を買う事になった。
それは20ガロンのタンクに常時熱湯を溜めておける、立派なものであった。
これによって複数箇所給湯が可能になり、トイレとキッチン2箇所ずつと外のシャワーと洗濯場まで給湯の配管を回す事になり、その出費がまた予算外だった。

次に難航したのが床と壁のタイルだった。
タイルの値段は1枚15ペソ~35ペソと安いのだが、使う枚数が多いので1枚5ペソの違いは大きかった。
しかし、彼らは私の懐具合など全く考慮せず、自分達の理想とするカラー理論を展開するのだった。
結局ここはエリックに押し切られ、1枚35ペソを1000枚以上買う事になった。

壁材も、コンクリートの上にカラーモルタルで良いと言ったのだが、木の壁材が選択されていた。
ついでに言えば、メインのドアーはマホガニーの板であり、彼らが言うにはこの家にはこのくらいのドアーが付かなければならないのだそうである。

竹の高騰

家の外回りはコンクリートを竹で覆いたかったのだが、材料を買いに行って諦めた。
ほんの数年前まで竹は貧乏人の家の主材料だった。
近くのボホール島は竹の産地でその他のビサヤ地方の島も竹は豊富だった。
だから竹とココナッツの木で造る家が一番庶民的だったのだ。

ここ数年外国人が建てる家で竹を多用するようになった。
特に欧米人のリタイアメントたちはオリエンタルムードの演出に竹を多用していた。
その需要で竹が高騰したが品不足と言う事では無いらしく、値段に無頓着な外国人が高く買ってくれるので高値で納まってしまったようだ。
安く買う方法がなくも無いが、青竹を買って乾燥させて材料になるまでに時間が掛かり過ぎる。
高いのは建築材として乾燥された竹なのだ。

多分来月完成の予定

10月半場には住めると言っていたのが、もう明後日は11月です。
11月中場には完成すると、希望的観測なのですが、はたしてどうでしようか。
予算オーバーなどと生易しいものでは無く、見積もり無視、当初の計画は完全に無視・・・。
しかし、遅々としてはいるものの、取りあえずフィリピンの地で事がそれなりに進んでいると言うのは凄い事です。
そして、予算も予定以上に立派になった部分に払ったものなのでそれも仕方が無いと思っています。



考え方を変えれば、けっこう立派な家が100万円ちょっとで出来るのですから本当は安い物です。

私の家の隣の敷地はまだ2~3軒は建てられますから、隣組みになりませんか・・・相談に乗りますよ。


・・・ではまた

   ではまた

(2003年 10月 書きました)

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2 コメント

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Unknown (続・知青の丘)
2020-03-04 16:48:57
日本円で100万超くらいで、こんな立派なおうちが建てられたのですか!
この先どうなったのか、早く知りたいし
今はどうなっているのかも知りたいです。
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Unknown (0yazi)
2020-03-05 14:55:25
知青さん コメントごっちゃんです

これ、20年近く前に書いた記事なので都市部では既に3倍以上に高騰しているようであります。

でも、田舎で借地の2LDK、立て坪15坪程度の平屋なら100万くらいで建つようであります。

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