86歳からの再出発
http://voicee.jp/2014072010073
明治、大正、昭和、平成。御世(みよ)を四代重ねてまいりましたが、まさか86歳になってから新たな人生を歩み始めるとは、思いもよらぬことでした。
「おばあちゃん。今度東京から偉い先生が来てお話されるから、一緒に行こう」
孫からそう誘われて行った大川隆法総裁先生の講演会。先生はたいそうお若くていらっしゃって、会場を埋めた大勢の人を前にしてのお話は、それはそれは情熱的でありました。
「悟りに到る道」という御演題であったでしょうか。一見自分を苦しめているように見える出来事も、仏が計らってくださっていることであり、世を責め、人を恨むことは間違いである、とのお言葉――。
武家に連なる旧家に生まれるも、昭和恐慌で財産を失い、大戦中の空襲で家を失い、身を寄せていた実家も農地解放で田畑を失い、私は不条理な自分の境遇に長年疑問を感じていました。しかし、「すべては仏の計らい」という先生のお話は、ひどく私の胸を打ちました。
「仏は、すべてを見てくださっている。人間心でものごとを判断したり恨んだりするのは、苦しいだけ。仏にすべてを、ゆだねてみよう」
そう決意して、幸福の科学の会員として新しい出発を始めたのです。
信仰の輪の中に生きて
さすがに90も半ばを過ぎると耳が遠くなってきましたが、経典を読むことは一つの生きがいになっております。
眼鏡をかけ、ルーペを重ねて、少しずつ読み進めていき、気がつけば1日で1冊を読んでしまっていたということも少なくありません。新しい経典が出れば欠かさずに拝受し、一つひとつじっくりと腰を落ち着けて読み込んでいます。
また、週に1回地域の会員さんが、布教所として開放している我が家に集まって総裁先生の御法話を拝聴したり、お茶を飲みながら皆さんのお話に加わることもあります。
「総裁先生の教えを、もっとたくさんの人に広めていきたいよね」
「私たちにできることって、何があるだろう?」
若い人たちのお話は大変力強く、私にも刺激になります。こうした人たちの輪の中にいられることは、私にとってとてもありがたいことです。
心を駆ける感謝の思い
私の誕生日には、子どもたち、孫たち、ひ孫たちが集まってお祝いをしてくれると言います。
そのときにみんなの前で、お礼のお琴を一曲披露するつもりです。80年ぶりで用意したお琴は、弾くのが久しぶりで、なかなか思うに任せませんが、そんな私の姿を見て家族が元気になってくれればそれだけでも満足です。
温かい方々に囲まれ、総裁先生の教えにも出会うことができて。私の心を駆け巡るのは、感謝の思いばかりです。