アマゾン創業者で CEO のジェフ・ベゾスが設立した宇宙開発ベンチャー Blue Origin が、再利用可能ロケット BE-3 の垂直着陸に成功しました。再利用型ロケットの着陸成功は世界初。
Blue Origin によるテストは、まず New Shepard 宇宙船を搭載した BE-3 ロケットを軌道の手前、高度約100.5kmの宇宙空間まで打ち上げ、そこで宇宙船とロケットを分離します。
New Shepard 宇宙船はそのままパラシュートで降下、着陸しました。一方の BE-3 ロケットも5000フィート(約1500m)の高さまで落下したところで再びエンジンを点火、姿勢を制御しながら、地表近くでは時速約7kmまで速度を下げ、ゆっくりと垂直の状態で着地させることに成功しました。
https://www.youtube.com/watch?v=9pillaOxGCo
ジェフ・ベゾスは着陸に成功した BE-3 ロケットがすでにテキサス西部の発射場へと安全に移送されたとしつつ「めずらしい中古ロケット」という表現を使って自慢しました。
一方、ロケットの垂直着陸テストで先を越されてしまった SpaceX(およびテスラ・モーターズ) CEO イーロン・マスクは、ジェフ・ベゾスと Blue Origin に対しお祝いのツイートを贈りました。
なお SpaceX と Blue Origin はいずれも商業用途に繰り返し使える宇宙船/ロケットシステムを開発している企業ですが、SpaceX が軌道まで到達して ISS などへの物資や人員搬送を目的とするのに対し、Blue Origin の New Shepard 宇宙船は乗客を宇宙空間へと連れて行き、そのまま地上へと舞い戻る宇宙体験ツアー用。
Blue Origin はまだ宇宙船に乗員をのせての打ち上げは実施していないものの、将来は6人のクルーを乗せることを目標としています。
また BE-3 ロケットは、ULA(United Launch Alliance)が開発中の純米国産新型ロケット Vulcan のメインエンジンとしても採用予定。今後の開発が楽しみです。
© Engadget 日本版 提供
ちなみに、SpaceX も試験用ロケット Glasshopper では高度744mまで上昇してからの垂直着陸に成功しています。Blue Origin(1), (2)