日韓都市デザイン専門家交流会議2023 その3(前半)
<6月3日 ソウル市の前半>
3日目は、ソウル市です。前日の夜議政府市から移動しました。議政府市はソウルの北側にあり、ホテルがソウルの中心部を東西に流れる漢江の南にあるので、漢江を渡ることになります。水の演出やライトアップなども見学しました。
最初の訪問地仁川からずっと続く印象ですが、公共空間はきちんと整備していこうという方針が実行に移されています。とにかく首都圏には人が多くて、パワフル・・・この印象もずっと続いています。
ソウルでは会議がありません。みんなリラックスして街歩きを楽しみました。韓国側PUDAの皆さんが本当に親切に案内してくれました。
最初の訪問地は東大門デザインプラザです。ザハの建物は、ローマの美術館以来、楽しみです。
ツアーを用意してくれていたので、あとについていきます。いったんMuseum棟の1階にあるTour Receptionに集合。
一度外に出て、地下におり、Art Hall棟とM棟の隙間から、1階に上っていきます。ドラマティックな演出です。
下のような空間の重なりやずれ、ゆがみというのはザハの最も得意とするところだと思います。大変いいと思います。
この東大門デザインプラザはソウルの城郭の東、東大門の遺跡公園のようなところにあります。ザハの建物はある意味では暴力的なまでの存在感を持ちますが、ここに関していくと、うまく周辺環境と両立しているように思えます。全体の高さも抑えられています。
ふたたびDesign Lab棟に入るのですが、右手を見ると、D棟とM棟でアーチ状の経路をつくっていることが分かります。
こういうダイナミックなところはいいですね。すべてをALパンチングメタルで覆っているという潔さもうまく効いているようです。
案内されるままに、D棟4階のDesign Playgroundへ、来ていました。この間、六本木ヒルズの展覧会で座ったばかりのイギリスの建築家Hetherwickの椅子が置いてありました。みんな楽しそうです。
下の写真はDesign Hall? 外はルーフガーデンになっていました。Grass Hillですね。
ここからは、M棟に移動(3,4階はM棟とD棟がつながっています。1,2階は先ほど見たアーチ状の屋外通路屋外通路)
曲線の外壁に沿って、ランプが続きます。左手には天井の高いホールが入っているはずです。
再び外に出ます。
面白い彫刻です。デザインプラザは勾玉のような形をしていますが、全体がArt Hall 棟、Museum棟、 Design Lab棟の3つのボリュームから構成されています。上部では3棟がつながっていますが、地上部では分かれていてその裂け目、空隙を印象的な経路空間としていることが良く分かりました。
ザハ建築は、不必要に、くねくねと壁などを曲げて建築費を高くしているという批判はありますが、実際に訪れてみると、一つの分かり易いストーリーあるいはデザイン意図といったものは感じられます。それは人の動きをダイナミックに導き、その移動の過程に印象的な空間体験(壁、天井、素材、光などが関わる)をつくり出そうとしているということです。この提案を受け入れた、ソウルの人たちも偉いと思います。
ここからは、街歩きです。
高谷時彦
建築・都市デザイン
Tokihiko TAKATANI
architect/urban design
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