広島サミットで、原爆資料館に首脳達が訪問したとか、慰霊碑な献花したとかマスコミはそんなことばかり報道しているが、このサミットの本質は何なのだろうか。プーチンが、自らの妄想的な大ロシア思想と、自国内における自らの正統性を示そうと始めたウクライナ戦争は、ウクライナを支持する欧米と、権威主義覇権国家であるロシアや中国との、新たな冷戦ともいうべき対立を生じさせた。今回のG7のテーマは、この対立に勝つために欧米の首脳が集まって協議することと、そうは言っても核戦争にまでは発展させたくないという表明にあった。決して平和の為、核廃絶の為のサミットではなかったのである。岸田首相にしてみれば、広島出身者として、さも、これらの協議をリードしたとの印象付けを国内向けにしたかったのだろう。しかし、冷徹な国際政治の場では、戦後のあまりにも理想主義的である平和主義的志向は理解されない。