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my diary

「巡査詐欺見抜けず」のニュースに思う

2025年01月17日 | 日記
 16日のNHKニュースで、
【14日、「サイトに未納料金がある」などと、うその電話を受けた徳島県内の50代の女性が現金30万円をだまし取られました。女性は電話を受けた直後に交番を訪れて相談していましたが、対応した警察官が詐欺を見抜けず、被害に遭ったということです。警察によりますと14日、徳島県内に住む50代の女性の携帯電話に、通信会社を名乗る男から「サイトに未納料金があり、支払わなければ裁判になる」などと、うその電話がありました。女性は詐欺を疑い、阿波市内の交番を訪れて相談しましたが、対応した20代の巡査が男と電話で話したところ「本人でないと話せないので女性にかわってくれ」などと言われ、特殊詐欺と見抜くことができなかったということです。女性は結局、コンビニエンスストアのATMで指定された口座に30万円を振り込み、だまし取られました。
女性の携帯電話には、その日のうちに再び同じようなうその請求があり、今度は銀行で振り込もうとしたところ、銀行員が詐欺と気づき、被害がわかったということです。徳島県警察本部は「警察官が詐欺を見抜けず被害を発生させたことはきわめて残念だ。指導・教養を徹底する」とコメントしています。】
というものが流れた。
 どうして、新人とはいえ警察官であるのに、そんなよくあるような手口の詐欺すら見抜けなかったのかということを誰しもが考えると思うが、
① まず第一に考えられることは、警察官を志すような人は正義感の強い者が多いとは思うが、それだけに、世の中には人を騙すような者も大勢いるということの実感に欠けていたのではないかと考えられる。詐欺師となるような者は口がうまくて、その上、毎日何十人の人に対して同様の電話しているので騙すことの訓練が十分出来ていて、この場合でも途中で電話を警察官に替わったと聞いても、直ちに捕まるものでもないので平然と嘘をつき続けられ、それに経験の浅い巡査がまんまと騙されたということかもしれない。
② また、警察には、防犯的な業務を担当する生活安全企画課と、相談業務を担当する総・警務部門の警察安全相談担当係があり、警察官への相談対応についての相談受理対応教養に連携が不十分であったのかもしれない。勿論、実際に掛かって来た詐欺電話などの録音例を県警によってはホームページで公開している所もあるし、匿流型特殊詐欺の取り締まりの徹底を警察庁から指示されているにも関わらず、この巡査自身の問題意識が低かったとも言える。世の中で何が起こっているのかという意識があれば、このような不始末を起こすはずがないであろう。例え、地域警察官であっても、警察を取り巻く犯罪状況に問題意識を持つべきである。
③ 警察に相談してくる人は、自分でも、掛かって来た電話が何かおかしいと思って相談しているのであり、それを相手と少し話しただけで、相談者にそのスマホを返して応答させるというようなことは地域で相談を受けている専門家とは到底言えない。相談者は何に対して疑問に思っているのか、どうして、わざわざ敷居の高いと思われる警察に行ってまで相談しようと思ったのかという点を、相談者の心情を十分に察して対応すべきで、相談者から対応して欲しいと渡されたスマートフォンであれば、不審な電話をしてきた相手に対して、徹底的にその疑問点を追求する姿勢が必要だったと思う。架空請求詐欺の場合は、犯人は裁判所や公的機関を名乗ったり、架空の債権回収組織を名乗って電話を掛けて来るケースが多いが、犯人から「当事者に替わってくれ」と言われて替わるような対応は、警察官としては考えられない対応ではないか。

 ともあれ、自らの組織の失敗例を敢えて公表するという点では、どこかの放送局とは大違いで、警察としてめずらしい誠実な対応であった。この相談対応に当った巡査にあっては、自らに何が欠けていたのかを十分に反省し、警察官を志望しようとした原点に還って職務に励んでほしい。なお、我々一般の者も、警察を含む官公庁などに相談しても納得出来ないと思ったら、第三者機関(この例の場合では、消費生活センターとか、法テラスのような他の機関)に相談するというのも一つの方法である。
 最近は、コンビニや銀行窓口で、店員が振り込め詐欺を未然に防止したという例が多い。それが、警察官が不審な電話があったと相談されたのに、不審電話の相手の言うままに相談者に電話を返して、そのことで被害に遭ってしまったというのでは、厳しく言えば、人材難もあるだろうが、警察官の質も落ちるところまで落ちてしまったとしか言いようがない。 
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