ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

「暖かい死で命のリレー」国森康弘氏のトークを聞いて

2017-11-18 08:48:32 | エッセイ
今朝明日へのことば「暖かい死で命のリレー」看取り写真絵本作家国森康弘氏の地域医療在宅ケア・看取りのトークを聞いた。

1974年兵庫県生まれ、京大経済学部卒、神戸新聞記者、イラク戦争を機に独立、ソマリアやケニア、カンボジアなどの紛争地や貧困地を回り、国内では戦争体験者、野宿者、3.11被災者等からの取材、特に滋賀永源寺地域での写真絵本「いのちをつなぐみとりびと」などについて話していた。

きっかけは、イラクで、女の子が車の中で泣いているので、近くの人々が駆け寄り助けようとしていると二次爆発全員が死亡、この姿を写真に写して世界に発信しないで葬ってどうすのかと言われ撮影してからという。

呼吸が止まったのに気付いた娘さんが、おばあさんの手を握ると、数十秒後にいったん息を吹き返した。娘さんが「もうええよ。いっぱい生きてくれてありがとう」と話し掛けると、おばあさんはすっーと息を引き取り、目に涙が浮かんでシャッターを切れなかったが、人間の生と死は固く結ばれバトンを手渡していると強く感じたという。この滋賀県東近江市などでの暖かい看取りは50%という。

ソマリアなどの紛争地や貧困国を取材し、天寿をまっとうできない冷たい死・悲しい死に出会えて絶望的であるのに対して、希望的な世界でも最長寿国の日本では、病院などでの死は8割で、愛情の見取りは10%という。

死は命のバトンをつないでいくかけがえのない出来事で、不浄のものと遠ざけるものではなく、温かな人間関係から生まれるみとりによって、幸せな死が実現できる。それが残された家族にとって救いにもなる。

医療に依存すればするほど、終末期に本人と家族は隔絶されてしまう。それでは心を通わせる大切な時間を失ってしまう。どこでどう死にたいか、家族で話し始めることが、豊かな看取りへの第一歩になる。最終的にはケアもしやすくなると。写真は昨日お昼撮影福島県夏井川渓谷の紅葉。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿