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大石邦子の「オプジーボ」よ

2018-12-19 05:38:20 | エッセイ
大石邦子エッセイストは、自然災害の多い年の中で、今年のノーベル賞医学生理学賞に京都大学の本庶佑特別教授とアメリカのジェームズ・アリソン教授が選ばれた。ガンに対する免疫治療法の道を切り開いた功績という。

オプジーボと呼ばれる免疫チックポイント阻害剤らしく、信仰したガンは治らないとされる常識を変え、3人に1人がガンを病む時代、大きな光である。

この受賞のニュースを見たとき、大分前、私が福島医大に抗がん剤治療で通っていた時、玄関ホールでの音楽の集いで、7列位前に背の高い坊主頭のパジャマ姿の青年の背が小刻みに震えていた。歌は悲しみを溶かす力を持っているから、涙をこらえているのだと思い「生きるのよ」と私は心のうちで叫んだ。

生きていれば、先進医療の恩恵に与かれる。私が事故で寝たきりになったとき1969年、アポロ11号が月面着陸アームストロング船長とオルドリン飛行士が宇宙服姿で浮き上がるように歩くさまが写っていた。

母は「人間が月に行く時代になったのよ。科学の進歩で、お前の体も必ず良くなる時が来る。でも、それまで生きていなくちゃ医学の恩恵は受けられない。だから頑張って生きるのよ」あの涙ぐんだ母の言葉が、今も私の中に生きている。オプジーボよ、人々に生きる希望を、耐え抜く勇気を与え給え!


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