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熊と共に生きるマタギ

2017-11-14 08:34:54 | エッセイ
古い狩猟法でクマなど大型の動物を狩猟する人々をマタギと呼ぶ。福島県会津金山町猪俣昭夫さんで、森は昆虫が花を受粉させ、その実を食べた熊などが動き回って、出した糞から蒔かれた種が森を育てた。

人々は里山で薪や山菜を採り、狩りをして暮らしてきた。狩りで追われた熊は恐怖心を仲間に伝え、里山は自然界と人間界を分ける境界として機能してきた。

ところが、薪が石油に代わり、人の入らない里山は荒れ、熊は人を怖れず、人は過剰に恐れ、罠にかかった熊から仲間に恐怖心が伝わらず、いつまでも人は熊を怖れる今日がある。

マタギは、猟に入る前には潔斎して山の神に祈りを捧げる。山言葉以外使用した時は「ナムアブラウンケンソワカ」と水垢離か雪垢離をし、獲物に感謝し呪文を唱える山岳信仰と同じである。猪俣さんはライフルは使わず、熊の命を感じる距離で対峙し、山への畏敬から古来の掟を厳守し獲物を捕獲する。獲物は解体し、内臓を黒文字の串に刺し、まず山の神に捧げてから頂く。狩猟期は11月から2月迄。福島民報より。


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