ブログ仙岩

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聖夜の団欒に思う

2015-12-24 08:56:34 | エッセイ
あぶくま抄に、欧米では七面鳥や菓子を焼き、ツリーを囲んで家族と過ごすのが定番という。フィリピンやメキシコ・・クリスマスの過ごし方はさまざまだ。・・・・

天声人語では、ホワイト・クリスマスの人気はゆるぎない。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」がゆるがぬ定番らしい。が、私はやはり、ジングル・ベルだ。

「待つ人はつねに来る人より多くこの街にまた聖夜ちかづく」歌人小島ゆかりさんの一首に、待ち合わせスポットの人模様を想像してみる。一人ずつやってきて待つ人とともに消え、年の瀬街の雑踏に、あたたかさと冷たい風が混じり合う。

白樺派詩人千家元麿の「三人の親子」に、大晦日の晩、母子三人が往来から、硝子戸の中の餅をじっと眺めている。10分立ち尽くして、買わずにそっと歩み去る。そんな詩だ。

人は誰も見ていなかったが、神だけはきっとそれをご覧になったろう。と詩は続く。店のウインドーにせよ家々の窓にせよ、ガラスの向こうの華やぎや幸せが、胸にしみ入る時節でもある。しかし、暖冬の聖夜の団欒も確かな暮らしがあってこそ。広がる格差、進まぬ福島の帰還復興を神はしっかり見ているであろうと。


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