【月面アポロ基地ドック】
戦闘を終え、本格的に移民船団として出港の準備を続けるメガロード02。
大きな事件が発生している事を知らない新条祐はのんびりとドックで休憩していた。
新条祐「俺のVF-1にエンブレムが・・・・・・・・・」
メガロード02の横に駐機しているVF-1Aにディンゴのエンブレムがペイントされていた。
ディンゴ
オーストラリアに生息する野犬であり、正確にはタイリクオオカミである。
犬ではあるが、凶暴性のある動物であり、家畜を襲うばかりか人間も襲う。
しかし、第1次星間大戦のゼントラーディ軍の砲撃により生きているディンゴはいない。
今では幻の動物になっている。
そんなディンゴを自分の機体のエンブレムとしてつけられてしまっている。
ディンゴのように凶暴に戦えか・・・・・隊長らしい・・・・・・・
と祐は心の中で思う。
ローラ「新条少尉かしら?」
ローラが艦から降りてきて、祐に話しかけてきた。
祐は青い髪の女性軍人ローラを生身で初めてみる。
ずっと休暇で外にいたからな、しょうがない。
新条祐「そうだけど?あんたは・・・・・」
ローラ「自己紹介が遅れましたメガロード02の管制官.ローラ・ドーラパットよ。よろしく。」
ローラは祐に自己紹介をする。
日本人のような挨拶の仕方である。
祐はなんか親しみが持てそうな女性だな。
彼女は握手を求めるように手を差し伸べる。
新条祐「こちらこそよろしく。」
祐もローラが差し伸べた手に呼応するように握手する。
【月面アポロ基地VFーⅩ部隊エリア】
「星村隊長、お帰りなさいませ。」
星村和也「あぁ」
和也と絵里は任務帰りであった。
母艦を使わない任務だったので、基地にそのまま帰還した。
親父である星村提督の件もあってかかなりピリピリしている。
星村絵里「和也、顔が怖いよ。」
星村和也「うんそうか?」
妻でゼントラーディ人である絵里はピリピリしている和也を心配する。
彼女は義父である星村提督には結婚の際大変お世話になった。
星村提督のメガロード02の使用は彼女も和也同様に反発していたが、恩人である義父の事が心配であった。
今日の朝聞いた報告.宇宙軍総司令官の解任と禁固刑に処せられたと聞いて以来このような態度である。
星村絵里「和也・・・・・・」
夫である和也と義父である星村提督の間に揺れる絵里。
絵里はなんとしても愛する和也と恩人の義父を仲直りさせたいと思っている。
今はそんな事を急に出来るわけでもない。
絵里は自分自身の立場を弁えた上で、二人を仲の改善させなければならない。
【制御室】
月面アポロ基地の制御室。
新統合宇宙軍艦隊の艦艇が出港する時にリフトにて上昇させたり、入港する艦をリフトで降ろしたりと作業する場所である。
いわば新統合宇宙艦隊の心臓部である。
『こちらオーベルト級駆逐艦カゲロウ、これより出港する。』
「了解、第1リフトにて待機し上昇を待て!」
『了解』
いつものように制御室で艦艇の出港や入港などのリフトの作業をしていた。
制御室の職員達は普段通りの仕事をこなしていた。
その普段通りの仕事も・・・・・・・時にはうまく事が進まない事がある。
カタカタカタカタカタカタ
「両手を頭につけろ!さもなくば射殺する。」
武装した新統合軍の歩兵複数人が制御室に乗り込み占拠する。
管制室の職員は言われたとおり両手を頭につける。
『おい管制室、リフトが上昇していないぞどういう事なんだ?返事してくれ!』
上昇待機中であったオーベルト級駆逐艦カゲロウは立ち往生してしまった。
おまけにゲートも開いていない。
うるさいと感じた管制室を占領した部隊の指揮官は拳銃を発砲しモニターを破壊する。
「貴様らこんな事をしてただで済むと思っているのか?国家反逆罪だぞ・・・・・・」
制御室の指揮官は占領部隊の指揮官に対して言う。
この行為は確実に国家反逆罪である。
これで怯むかと思ったら、占領部隊の指揮官はニヤッと笑う。
「動いている部隊は我々だけではない。」
「何!?」
動いている部隊は我々だけではない、これを意味する事は一体ど言う事なのか?
それは直ぐ分かる事である。
【宇宙軍参謀部ビル】
ブロロロロロ キィィィィィィ
カタカタカタカタカタカタ
軍用トラックが月面アポロ基地参謀部ビルの正面ゲートの前で止まる。
「なんだ貴様らは?」
ダーン
「このビルは我々月面自由同盟が占領する、そこを開けろ!参謀部長キンルベル大佐に御会いしたい。」
「何!?」
月面自由同盟、星村提督を支持する一派の中で過激思想の持ち主である。
実態は不明ではあり、彼らの支持母体やスポンサーが不明な程である。
彼らの決起理由は星村提督の禁固刑になった事である。
この陸海空の陰謀だと勘違いした月面自由同盟は憤慨し、決起に至ったわけである。
決起部隊はキンルベル大佐に会うため、無理やり参謀部ビルの中に入っていく。
【月面アポロ基地管制室】
月面中央基地は決起を受けて厳重に封鎖。
信頼の出来る部隊を警護させ、戦況を確認していた。
「第1格納庫制圧されました、市街地にデストロイド部隊が決起群に参加月面中央通信社が制圧されました。」
「警察庁月面本署が憲兵隊と共同で封鎖線を敷き、月面市民の避難誘導を開始しました。」
「キンルベル大佐が監禁された模様、参謀部ビルは完全に沈黙。」
戦況は結構よろしくない。
宇宙軍の参謀達は叛乱軍の侵攻に焦っており、冷静な対応が出来ていない。
西暦2014年、統合軍移民時代最初の動乱の火種で後に【月面青年将校の乱】と言われる事件はこうして始まったのである。
戦闘を終え、本格的に移民船団として出港の準備を続けるメガロード02。
大きな事件が発生している事を知らない新条祐はのんびりとドックで休憩していた。
新条祐「俺のVF-1にエンブレムが・・・・・・・・・」
メガロード02の横に駐機しているVF-1Aにディンゴのエンブレムがペイントされていた。
ディンゴ
オーストラリアに生息する野犬であり、正確にはタイリクオオカミである。
犬ではあるが、凶暴性のある動物であり、家畜を襲うばかりか人間も襲う。
しかし、第1次星間大戦のゼントラーディ軍の砲撃により生きているディンゴはいない。
今では幻の動物になっている。
そんなディンゴを自分の機体のエンブレムとしてつけられてしまっている。
ディンゴのように凶暴に戦えか・・・・・隊長らしい・・・・・・・
と祐は心の中で思う。
ローラ「新条少尉かしら?」
ローラが艦から降りてきて、祐に話しかけてきた。
祐は青い髪の女性軍人ローラを生身で初めてみる。
ずっと休暇で外にいたからな、しょうがない。
新条祐「そうだけど?あんたは・・・・・」
ローラ「自己紹介が遅れましたメガロード02の管制官.ローラ・ドーラパットよ。よろしく。」
ローラは祐に自己紹介をする。
日本人のような挨拶の仕方である。
祐はなんか親しみが持てそうな女性だな。
彼女は握手を求めるように手を差し伸べる。
新条祐「こちらこそよろしく。」
祐もローラが差し伸べた手に呼応するように握手する。
【月面アポロ基地VFーⅩ部隊エリア】
「星村隊長、お帰りなさいませ。」
星村和也「あぁ」
和也と絵里は任務帰りであった。
母艦を使わない任務だったので、基地にそのまま帰還した。
親父である星村提督の件もあってかかなりピリピリしている。
星村絵里「和也、顔が怖いよ。」
星村和也「うんそうか?」
妻でゼントラーディ人である絵里はピリピリしている和也を心配する。
彼女は義父である星村提督には結婚の際大変お世話になった。
星村提督のメガロード02の使用は彼女も和也同様に反発していたが、恩人である義父の事が心配であった。
今日の朝聞いた報告.宇宙軍総司令官の解任と禁固刑に処せられたと聞いて以来このような態度である。
星村絵里「和也・・・・・・」
夫である和也と義父である星村提督の間に揺れる絵里。
絵里はなんとしても愛する和也と恩人の義父を仲直りさせたいと思っている。
今はそんな事を急に出来るわけでもない。
絵里は自分自身の立場を弁えた上で、二人を仲の改善させなければならない。
【制御室】
月面アポロ基地の制御室。
新統合宇宙軍艦隊の艦艇が出港する時にリフトにて上昇させたり、入港する艦をリフトで降ろしたりと作業する場所である。
いわば新統合宇宙艦隊の心臓部である。
『こちらオーベルト級駆逐艦カゲロウ、これより出港する。』
「了解、第1リフトにて待機し上昇を待て!」
『了解』
いつものように制御室で艦艇の出港や入港などのリフトの作業をしていた。
制御室の職員達は普段通りの仕事をこなしていた。
その普段通りの仕事も・・・・・・・時にはうまく事が進まない事がある。
カタカタカタカタカタカタ
「両手を頭につけろ!さもなくば射殺する。」
武装した新統合軍の歩兵複数人が制御室に乗り込み占拠する。
管制室の職員は言われたとおり両手を頭につける。
『おい管制室、リフトが上昇していないぞどういう事なんだ?返事してくれ!』
上昇待機中であったオーベルト級駆逐艦カゲロウは立ち往生してしまった。
おまけにゲートも開いていない。
うるさいと感じた管制室を占領した部隊の指揮官は拳銃を発砲しモニターを破壊する。
「貴様らこんな事をしてただで済むと思っているのか?国家反逆罪だぞ・・・・・・」
制御室の指揮官は占領部隊の指揮官に対して言う。
この行為は確実に国家反逆罪である。
これで怯むかと思ったら、占領部隊の指揮官はニヤッと笑う。
「動いている部隊は我々だけではない。」
「何!?」
動いている部隊は我々だけではない、これを意味する事は一体ど言う事なのか?
それは直ぐ分かる事である。
【宇宙軍参謀部ビル】
ブロロロロロ キィィィィィィ
カタカタカタカタカタカタ
軍用トラックが月面アポロ基地参謀部ビルの正面ゲートの前で止まる。
「なんだ貴様らは?」
ダーン
「このビルは我々月面自由同盟が占領する、そこを開けろ!参謀部長キンルベル大佐に御会いしたい。」
「何!?」
月面自由同盟、星村提督を支持する一派の中で過激思想の持ち主である。
実態は不明ではあり、彼らの支持母体やスポンサーが不明な程である。
彼らの決起理由は星村提督の禁固刑になった事である。
この陸海空の陰謀だと勘違いした月面自由同盟は憤慨し、決起に至ったわけである。
決起部隊はキンルベル大佐に会うため、無理やり参謀部ビルの中に入っていく。
【月面アポロ基地管制室】
月面中央基地は決起を受けて厳重に封鎖。
信頼の出来る部隊を警護させ、戦況を確認していた。
「第1格納庫制圧されました、市街地にデストロイド部隊が決起群に参加月面中央通信社が制圧されました。」
「警察庁月面本署が憲兵隊と共同で封鎖線を敷き、月面市民の避難誘導を開始しました。」
「キンルベル大佐が監禁された模様、参謀部ビルは完全に沈黙。」
戦況は結構よろしくない。
宇宙軍の参謀達は叛乱軍の侵攻に焦っており、冷静な対応が出来ていない。
西暦2014年、統合軍移民時代最初の動乱の火種で後に【月面青年将校の乱】と言われる事件はこうして始まったのである。